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15. 冒険者試験
しおりを挟む「冒険者試験は屋上で行ないますので、そちらの階段から屋上に登っていって下さい。」
俺達はそう言われて階段を登った。
姫をどうやって強くするか?
やはりMP総量が凄まじいので魔法を使う職業がいいだろう。
だが不器用すぎて魔法が使えないのか……
ダークエルフが得意なはずの、闇の召喚魔法も魔物に嫌われすぎて契約できないと言ってたな……
でも、こちらはなんとかなるかもしれないな。
俺の【魅了】のスキルを姫にも使えるようにすればいいだけの話だが、リスクが大き過ぎる。
姫は今でも魅力的なのに【魅了】のスキルまで持ってしまったらとんでもない事になってしまう。
世の男性がほっとかないだろう。
【魅了】を魔物だけに使えるように【スキルマスター】の能力を使ってカスタマイズできないのか?
【スキルマスター】はスキルとスキルを合体させて進化させる能力だ。
魔物に好かれるスキルなんてあるのか?
………。
「ブリトニー。魔物に好かれるようにするにはどうすればいい?」
「魔物の遭遇率を上げるという事ですかニャ?
それならニオイ玉を使えばいいニャ!
ニオイ玉を使うとモンスターが好きな匂いを発するので、モンスターがいっぱい集まってくるニャ!修行の時などによく使うアイテムニャ!」
スキルじゃないのか…
いや待てよ…もしかしたらいけるかも!
【聖級結界】だって元々魔法だったはず、それをスキルスッポンソードで斬り裂いて破壊したらスキルとして【聖級結界】を手に入れた。
スキルスッポンソードでニオイ玉を破壊すればニオイ玉の能力をスキルとしてゲットできるのではないのか?
考え事をしている内に、いつの間にか屋上に着いた。
「試験を行う人は、闘技場の中央でお待ちください。
その他の見学の人は、闘技場の周りの観覧席で試験の様子を見る事ができます。」
俺は闘技場の中央に移動した。
闘技場は丁度スペインの闘牛場のような感じで、多分牛が出てくるような場所からモンスターがでてくるのであろう。
「それではD級試験を始める!」
ベテラン冒険者風の試験官が出てきて号令する。
すると扉の中からスライムが現れた。
スライムの弱点を鑑定する。
{真ん中に見える核が弱点です}
まだ1度も試していない土魔法を使ってみるか。
指先に野球ボール位の硬い土の塊をイメージする。
そしてスライムの核に向かって発射する。
バン!!
スライムの核は粉々に破壊された。
倒したようだ。
「よし!合格だ。続けて試験が受けれるが、どうする?」
「はい。お願いします!」
「ご主人様! その調子ですニャ!」
「マスター! 頑張って下さいなのです!」
「それではCクラスの試験を行う!」
餓狼族が現れた!
こいつは火魔法でいいな。
指先に炎をイメージして魔法を発動させた。
次の瞬間、餓狼族は炎に包まれて絶命した。
美味そうな匂いがする。
味を知ってるだけに、ヨダレが出てきた。
「合格だ!君は魔法を無詠唱で発動する事ができるのか?」
「一応そうですけど…」
「それなら、Bクラスを飛ばしてAクラスの試験の方がいいだろう!
おい! 次はデーモンを用意しろ!」
エッ!? なんだ?
俺はうんともすんとも答えてないぞ!
「ご主人様ならやれますニャ!」
「マスター!頑張って下さいです!」
魔法は後2回使える。
【一撃】は今日1回使ったが、Lv.3になった事により後2回使える。
デーモンの実力は分からないが、これだけで何とか倒さないといけない。
剣も変えよう。
高ランクのモンスターなら、何か良いスキルを持っているかもしれない。
スキルスッポンソードを装備した。
デーモンが現れた!
「うわっははは!我を檻の中から出すとは、なんと愚かな者共だ!」
なんか強そうだ……
でもやるしかない。
倒せなかったとしても、試験官が助けてくれるだろう。
デーモンを切り裂くようなイメージの風魔法を発動させた。
スパッ!
デーモンは真っ二つに切り裂かれた。
「な…何が起こったのだ!
もしや無詠唱魔法か?
たかが人間の分際で無詠唱魔法を使うとは!ヌカった!」
気持ち悪いぞ…アイツ。
体が真っ二つの状態で喋ってやがる。
俺はスキルスッポンソードを鞘からだし、上半身だけになったデーモンに近ずき脳天から剣を突き刺した。
「うぎゃー!
人間の分際で我を倒すとは!」
デーモンを倒したが、スキルはゲットできなかった。
スキルスッポンソードで倒したのにスキルが貰えない事もあるのか?
もしかして【一撃】と関係あるのか?
多分【一撃】とは、ドラ〇エでいう会心の一撃だ。
モンスターに会心の一撃を与える事が、スキルをゲットできる条件なのか?
まあいい。
今度試してみるか。
「おめでとう!
Aランクの試験も合格だ。
ここで受けれるのはここまでだ!
1階のカウンターに行けば冒険者カードを発行してもらえる!」
「ありがとうございました。」
「さすがご主人様ですニャ!」
「マスターさすがなのです!」
1階カウンターに戻り冒険者カードを発行してもらった。
冒険者カードといってもブレスレットのようだ。
俺はAランク冒険者になったので金色のブレスレットだ。
この上にまだS級があるらしい。
S級になる為にはAランクの依頼や、ダンジョン攻略で実績を上げなければなれないという事だ。
まあ、今のところ目標がないのでAランクで十分だろう。
「ブリトニー! 匂い玉を買いたいのだが、どこに売っている!」
「匂い玉ならここの2階の売店に売ってますニャ!」
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