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8. 女郎蜘蛛

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「エー君、ずっと起きてたの?」

「アナ先生。おはようございます!
【錬金】スキルが、面白過ぎて徹夜してしまったみたいです!」

 俺は、ビーコのエロい服を徹夜でデザインしていたなど、口が裂けても言えないので、思わず嘘をついてしまった。

 ヤッパリ、人間は嘘をつく生き物だ。
 というか、俺は今、悪魔なのだから嘘を付くのは当たり前の事かもしれない。

「エー君。良く頑張ったわね!
 私は頑張る男の子が大好きなんだよ!
 ご褒美に、今から私のお股を舐めさせてあげるよ!」

「ハイ! 喜んで!」

 俺は、ご褒美でも何でもない気がするのだが、俺はアナ先生のいい匂いがするお股を舐めるのが大好きなので喜んでペロペロする。

「あぁぁぁ! エー君、凄いよ!
 エー君の舌使い、もはや達人級だよ!
 アッアッ! イッちゃうよー!」

 俺はわずか1分で、アナ先生をイカせてしまった。

 [【必ずイカせる】スキルを獲得しました!]

 何やら、よく分からないスキルを獲得したようだ。

 このスキルは、何か恥ずかしい気がするので、【必ずイカせる】スキルを取得した事は、アナ先生には黙っておこう。

 そして、俺達は朝食を食べ、いつものように、ダンジョン探索を始める。

 今日も、良さそうな素材を落とす魔物がいる階層は長めに、そうでない階層は、とっとと攻略していく。

 丁度、110階層で蜘蛛の魔物が出てきた。
 そして、魔物を倒すと『蜘蛛の糸』をドロップした。

 モッコリーナ先生の『錬金入門』によると、蜘蛛の糸は、錬金にとても役に立つと書いてあったのだ。

 蜘蛛の糸は、とても伸びて丈夫なので、服や防具を作る時にとても役に立つと書いてあった。
 そして、ダンジョンの下層でしかゲットできないので、高く売れると書いてあったのだ。

 俺はこの階層で、1時間ほど蜘蛛狩りを行った。
 ビーコはモンスターがいる場所も、すぐ分かるらしく、効率良く蜘蛛を狩る事ができる。
 ドロップ率も結構高く。10匹中8匹は蜘蛛の糸をドロップするのだ。

「エー君! 何でこの階層で大グモを狩るの?」

 アナ先生が疑問に感じたのか、俺に質問してきた。

「錬金に、蜘蛛の糸がとても役に立つと本に書いてあったんで、素材集めをしているんです!」

「そういう事か!
 そしたら、フロアーボスは多分、女郎蜘蛛だと思うから、蜘蛛の糸より1段上の素材が手に入るかもしれないよ!」

 アナ先生は、俺に有益な情報を与えた後、俺の首筋に息を吹きかける。
 俺はそれに反応し、チンコがいつものようにそそり立つ。

 アナ先生は、上から俺のチンコが立つのを見てほくそ笑んでいるようだ。

「ありがとうございます!
 早速、フロアーボス部屋に行ってみます!」

 俺は情報のお礼と、エロのお礼をアナ先生にして、フロアーボス部屋に向かった。

 フロアーボス部屋の扉を開けると、そこには下半身は蜘蛛、上半身は人間の体を持ったモンスターが立っていた。

 今回初めて、人間型の魔物だ。
 この、異世界に転生した初日に悪魔Bを倒した事があったが、あれは不可抗力だ。
 お陰で、可愛いビーコが生まれたので良しとする。

 そうこう考えていると、女郎蜘蛛が攻撃してきた。

 お尻から糸を飛ばしてくる。

 呆気なくビーコが捕まる。

「(クッ! 考え事している暇はないか!
 あの尻から出した糸が、女郎蜘蛛の糸だな!)」

 俺は女郎蜘蛛に目掛けて冷気を放つ。

 暫くすると、女郎蜘蛛は動けなくなった。

 俺はビーコを助ける為に、女郎蜘蛛の糸をビーコの体を傷つけないように、弱めに調整したエアーカッターのようなものを指先に魔素を停滞させ作り、女郎蜘蛛の糸を切ろうとする。

「(切れない……)」

 女郎蜘蛛の糸は、そうとう丈夫のようだ。

「(もう少し、エアーカッターの出力を上げるか)」

「ビーコ! 今から、俺の風魔法の出力を上げて糸を切るけど、もしかしたらお前を傷つけてしまうかもしれないが、我慢しろよ!」

「ウー!」

 ビーコは泣きそうな顔をして怯えている。

「ビーちゃん、肌が切れたら直ぐに回復魔法を掛ければ痛くないよ!
 痛みは、後から来るからね!」

「ワカッタ!」

 ビーコは、少しずつ言葉を覚えていってるようだ。
 アナ先生は、ビーコとエロい事をしながら言葉を教えているのだ。

 俺はエアーカッターの出力を上げて、ビーコに絡みついた女郎蜘蛛の糸を切る。
 出力を上げれば、難なく切る事ができた。

 少し、ビーコの体を切ってしまったが、血が出る前に直ぐに回復してしまった。
 何気にビーコの回復魔法は、俺が怪我をした時など役にたちそうだ。

 俺はビーコを助けた後、凍り付いた女郎蜘蛛の前に行く。

 俺は火魔法を使い、女郎蜘蛛の顔の部分だけ氷を溶かした。

「ギー!」

 何やら女郎蜘蛛が怒っている。
 人型なのに言葉が喋れないのか……

 俺は女郎蜘蛛の顔面を殴る。

「ウギャー!」

 女郎蜘蛛は悲鳴を上げる。

 試しに【調教】スキルを使うが何も起きない。

 もう一度顔面を殴る。

「ウギャー!」

【調教】スキルを使う。

 何も起きない。

 どうやら、心の底から俺に負けたと思わないと、【調教】スキルは掛からないようだ。

 俺は女郎蜘蛛の美しい顔がボコボコになるまで顔面を殴り続けた。

「ウゥ……」

 女郎蜘蛛は涙目になり、命乞いをしているようだ。

「(よし! これぐらい痛め付ければ、【調教】スキルが効くだろう)」

 俺は再び【調教】スキルを使う。

「ギー!」

 女郎蜘蛛の鳴き声が、俺に忠誠を誓うと言っているようだ。

「ビーコ! そいつの顔を治してやれ!」

「ワカッタ!」

 ビーコが女郎蜘蛛の顔を手の平を向けると、ミルミルとボコボコだった顔の傷が治っていき、元の美しい顔に戻っていった。

 俺はそれと同時に、火魔法を使って女郎蜘蛛の氷を溶かす。

 全ての氷が溶けると、女郎蜘蛛はその場で崩れ落ちてしまった。

 俺が魔物になってしまったからかもしらないが、女郎蜘蛛の姿がなんだか艶っぽく見えてしまい、チンコが反応してしまう。

「ビーコ! 体にも回復魔法をかけてやれ!」

「ワカッタ!」

 ビーコが女郎蜘蛛に回復魔法を掛けると、女郎蜘蛛は、立ち上がり復活した。

「女郎蜘蛛! お前に命令だ!
 まずお前は、俺に絶対服従だ!
 それから、俺が背負っているアナ先生を食べるな!
 そして、1番大事なのは、お尻から糸を出せるか?」

「ギー!」

 女郎蜘蛛はお尻から、糸を出し始めた。

「良し! お前は今日一日限界まで糸を出し続けろ!
 俺達は、今日の夜になったらお前を迎えにくるからそれまで頑張れ!」

 俺達は、女郎蜘蛛に冒険者ブレスレットを渡し、そのまま探索を続けた。

「エー君、さっきエー君が指に風の魔法を漂わせていたのって闘気だと思うよ!
 爵位持ちの悪魔しか使えない筈なんだけど?
 いつの間にエー君、闘気を覚えたの?」

 探索途中で、アナ先生が俺に聞いてきた。

「僕はただ、あんな感じで魔法を使ってみたら便利だなと思って、何も考えずにやっただけですよ!」

「そ……そうなんだ……
 エー君って何だか凄いね!
 先生、エー君に惚れちゃうかもしれないよ!
 私は頑張ってる人や、才能がある人が好きなんだよ!」

「そ……そうですか」

 俺は平静を装い返事をしたが、チンコをビンビンに反り返ってしまっている。

 アナ先生は、それを見てほくそ笑んでるように見えたのだった。
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