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第三章 王都へgo!
61. 最終回
しおりを挟む俺達が王都に到着した2日後、どうやらクロメの超特大魔法の範囲に、アヤメとハヤトが入ったようである。
「クックックックックッ! ついにこの時が来ましたよ! 長年の恨みを、ついに晴らす時が!」
クロメは、アヤメとハヤトが自分を殺そうとした事で、親族の情とか、クロメに僅かに残ってた物が綺麗サッパリにとっぱらわれたようである。
アヤメとハヤトと偶然会った時は、まだ複雑な表情をしていたが、今のクロメは生き生きした顔をしてるし。
『クロメ、ついにやるのか?』
「やってやりますよ! 積年の恨み、晴らして成るものぞ!」
クロメは、どういう原理か、空中に浮く。
『クロメ! お前、飛べたのかよ!』
「クックックックックッ。何を仰る卍様。極大魔法を放つほどの大魔法使いは、どんなアニメでも飛べて当然なのですよ!」
やべぇ~。クロメの奴、異世界アニメの常識を全て吸収し、進化していってやがる。
そして、王都とアヤメとハヤトが見える位置(米粒ほどだが千里眼で見える)まで、飛ぶと、広範囲超極大魔法の詠唱を始めた。
「偉大なる破壊神卍様よ。この世界を地獄の業火で焼き付くせ。そして、死者の霊を慰める鎮魂歌を、業火より生き残った世界全土の生きとし生ける矮小なる者達に聴かせ給え! 滅びの禁書目録第一章、深淵の破壊神の鎮魂歌。 我が主、卍神にお願い申す。広範囲超極大魔法!神帝王卍神鎮魂歌!」
クロメの詠唱と共に、今迄、感じた事もないくらい猛烈な勢いで、クロメに地球からの魔力がグイグイ吸い取られ、超絶デカい魔法陣が空に浮かび、そして、その中心から、一筋のレーザーのような光が地上に落ちた。
『アレ?何も起こらないの?』
地上に魔法が落ちても、何も起こらないので、なんか肩透かしを食らった感じがする。
しかし、違ったのだ……
光が、地上に落ちた数秒後。
チュドーン!
レーザー光線でマークされた場所に、新たに広範囲超極大魔法が落ち、辺り一面を綺麗サッパリ消滅させてしまったのだった。
辺り一面って、どれぐらい?
うん。この国の王都も蒸発して無くなっちゃったよ。
勿論、アヤメもハヤトも蒸発。ついでにシリカ姫とアレクサンダー王もね。
もう滅茶苦茶だよ。あんなにも人を殺すなって、注意してたのに。俺の今迄の努力は一体何だったんだよ……
「ふぅ~快感」
クロメは、やり遂げた納得の表情。
俺は、なんて子供を育ててしまったんだ……
ーーー
『てっ!』
俺は、飛び起きる。
飛び起きるって、目玉だから飛び起きれないのだけど。
『夢?』
どうやら、今の映像は夢であるようだった。
本当に良かった……だがしかし、これは起こってしまうかもしれない未来かもしれない。
黒耳族であるクロメが覚醒して、俺にも未来が視えるようになったのかも。
まだ、吐息を立てて、すやすや寝てるクロメを見ながら、こんな未来が、絶対に起こってしまわないように立ち回らなければと強く思う、卍様であった。
[完]
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