上 下
61 / 145

61. 塔のダンジョン

しおりを挟む
 
 人は魔物と戦うとレベルが上がる。
 何故、レベルが上がるか分からないが、それがこの世界の常識。

 スキルも、使うと上がると言われている。
 俺みたいに、握手するとスキルポイントが上がるみたいに。

 まあ、スキルの場合はそれぞれ持ってるスキルによって条件が違うのだけど。
 そもそも、全くレベルの上がらないスキルもあるようだし、その辺の所は実際、よく分かっていない。

 まあ、戦闘向けのスキルに関しては、魔物を倒せば、必然的にスキルを使う事になるので、人のレベルと一緒にスキルのレベルも上がって一石二鳥だったりする。

 俺のように、スキルポイントを稼ぐ為に、人と握手する必要もないので、そう考えると楽なのかもしれない。

 俺的には、握手するだけで、派生スキルたくさん貰えて楽だと思ってたけど、自分自身のレベル上げの事も考えれば、戦闘向けのスキルの方が楽な事に、今更ながら気付いしまった。

 そんな訳で、これからサクラ姫のレベル上げに取り掛かる。
 本来は、スキルを得てからレベル上げした方がてっとり早いと思うが、今回の目的は、サクラ姫に自分自身を守れる護身術を身に付けさせる事と、バツーダ帝国に入国する事が目的なのだ。

 金級の俺と、銀級でも本来なら金級のアマンダさんがいれば、姫プレイでサクラ姫のレベルを簡単に上げれるからね。

 人間、レベル50程度まで上げると、弓矢程度では傷つけられなくなると言われているのだ。
 まあ、そのレベルに達するには、相当な努力が必要で、普通の人間には不可能なのだけど。

 因みに、俺のレベルは現在15で、アマンダさんのレベルも22程度だったりする。

 まあ、冒険者になったばかりの俺も、スキルのせいでソロプレイしか出来なかったアマンダさんも、今まで積極的には、魔物倒してなかったからね。

 なので、サクラ姫だけでなく、俺もアマンダさんも、まだまだ強くなれる余地があるのである。
 因みに、ナナミさんはレベル55で相当強い。

 金級上位ともなると、最早、人類とは呼べない強さになっちゃうのだ。

 まあ、俺も実際、剣さえ持ってたら剣豪レベルの実力になっちゃうし、アマンダさんだって、疲れてバーサーカー化すれば、金級レベルになるのだけどね。

 そんな訳で、レベル上げに最適なダンジョンか何か無いか、トランペット城塞都市のギルドの受け付け嬢に聞いてみたのだ。

「金級と銀級のレベル上げなら、塔のダンジョンがお勧めですね!」

 俺とアマンダさんのレベル上げだと思ったのか、受け付け嬢が丁寧に教えてくれる。
 塔のダンジョンとは、マールダンジョンのように地下ダンジョンではなく、塔の形をしたダンジョンである。
 まあ、どこにあるかは、普通にトランペット城塞都市から見えるので、分かるのだけど、どう考えても15階建ての塔にしか見えないのだが、現在66階まで攻略が終わってるらしい。

 本当に、ダンジョンって意味が分からない。多分、空間拡張の魔法が掛けられてるのかもしれない。
 普通に、パーティーハウスの建設でナナミさんが使ってるし、もしかしたらありふれた魔法なのかもしれない。
 てっ! 違うから! ナナミさんが、ただ空間を扱う魔法が得意なだけで、普通の人には絶対に無理!

 魔法の収納鞄も普通の人には作れないし、家の拡張魔法なんてのも、普通の人には使えない。しかも、どこでも扉なんて、移転魔法なんて、今までは、常闇の魔女しか使えないと思われてたのだ。

 それを、アッサリ、空間魔法の延長で、魔法の収納鞄作るのと大差ないと、簡単に作ってしまうし。
 本当に、ナナミさんはトンデモないのである。

 まあ、ああいう自由人って、自分の興味が有る事以外、てんで世の中の事に疎いから、自分の物凄さを全く理解してないんだよね。

 自分より、凄い武器が作れるからと、権蔵爺さんの方が凄いと、本気に思ってるし、俺からしたら、魔法の収納鞄や、どこでも扉を作ってしまうナナミさんの方が、物凄く凄いと思うのだけど。

 まあ、人の価値観とか、人それぞれで、ナナミさんの凄いの尺度は、オリハルコンの素材を扱えるかどうからしいから、俺がとやかく言う必要は無いのだけどね。

 そんな訳で、塔のダンジョンに行ったのだが、近くで見ると、相当デカい。
 塔の周りには、マールダンジョンと同様に屋台がたくさん出ている。

 塔のダンジョンも、マールダンジョンと同じく、初級者から上級者まで受け入れるダンジョンで人気があるのだ。

 まあ、人気があるダンジョンって、人を選ばないのが第一条件で、初心者限定のダンジョンならドロップする物も大した事なくて、金が稼げない。即ち、儲けれないという事で、ダンジョン前で商人が屋台を出す事もないし、逆に上級者御用達ダンジョンともなると、限られた冒険者しか行かないので、屋台の売上も上がらないのだとか。

 その点、マールダンジョンや塔のダンジョンは、初級者から上級者まで満足させられるダンジョンなので、生涯、マールダンジョンだけ、塔のダンジョンだけで冒険者稼業をする冒険者もいるのだとか。

 ーーー

 面白かったら、お気に入りにいれてね!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜

藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。 __婚約破棄、大歓迎だ。 そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った! 勝負は一瞬!王子は場外へ! シスコン兄と無自覚ブラコン妹。 そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。 周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!? 短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編の予定&完結まで書いてから投稿予定でしたがコ⚪︎ナで書ききれませんでした。 苦手なのですが出来るだけ端折って(?)早々に決着というか完結の予定です。 ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいですm(_ _)m *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・* 顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。 周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。 見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。 脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。 「マリーローズ?」 そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。 目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。 だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。 日本で私は社畜だった。 暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。 あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。 「ふざけんな___!!!」 と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

いらないと言ったのはあなたの方なのに

水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。 セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。 エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。 ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。 しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。 ◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬 ◇いいね、エールありがとうございます!

大嫌いな聖女候補があまりにも無能なせいで、闇属性の私が聖女と呼ばれるようになりました。

井藤 美樹
ファンタジー
 たぶん、私は異世界転生をしたんだと思う。  うっすらと覚えているのは、魔法の代わりに科学が支配する平和な世界で生きていたこと。あとは、オタクじゃないけど陰キャで、性別は女だったことぐらいかな。確か……アキって呼ばれていたのも覚えている。特に役立ちそうなことは覚えてないわね。  そんな私が転生したのは、科学の代わりに魔法が主流の世界。魔力の有無と量で一生が決まる無慈悲な世界だった。  そして、魔物や野盗、人攫いや奴隷が普通にいる世界だったの。この世界は、常に危険に満ちている。死と隣り合わせの世界なのだから。  そんな世界に、私は生まれたの。  ゲンジュール聖王国、ゲンジュ公爵家の長女アルキアとしてね。  ただ……私は公爵令嬢としては生きていない。  魔族と同じ赤い瞳をしているからと、生まれた瞬間両親にポイッと捨てられたから。でも、全然平気。私には親代わりの乳母と兄代わりの息子が一緒だから。  この理不尽な世界、生き抜いてみせる。  そう決意した瞬間、捨てられた少女の下剋上が始まった!!  それはやがて、ゲンジュール聖王国を大きく巻き込んでいくことになる――

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

結婚三年、私たちは既に離婚していますよ?

杉本凪咲
恋愛
離婚しろとパーティー会場で叫ぶ彼。 しかし私は、既に離婚をしていると言葉を返して……

処理中です...