上 下
31 / 166

31. パートナーシップ

しおりを挟む
 
「クッ! 脱がし方が全く分からん。パンツって、下に脱がせばいいだけじゃなかったのか?て…コレはビキニアーマーだった!」

 俺は、テンパってるせいで、全く周りが見えなくなってしまっている。

「本当に、これは、どうなってんだ?」

 無理矢理脱がそうと思えば、『握手』スキルのパワーによって簡単にビキニアーマーをぶっ壊して脱がせる事が出来るのだけど、流石に壊してしまう訳にはいけないので、必死にどうやって脱がせばいいか、ビキニパンツ中をまさぐってたら、

 カチン!

 なんか、鍵が開く音がした。

「アッ! どんな扉も開く『握手』スキルの派生スキルが作動したのか!」

 どうやら鉄製のビキニパンツは、右腰の部分が鍵穴が付いており、鍵がないと開けられない仕組みになっていたようである。

 本当に、こんな所で、『握手』スキルに助けられるなんて、本当に良かったよ。

 俺は、なんか嬉しくなって、思わず笑みが漏れてしまう。そして、嬉しさついでに、アマンダさんの粉砕骨折した腕も、癒し手の力で治しておいた。俺は、優しい男なのである。

 しかし、今は、そんな感動とか悠長に治療してる場合ではないのだ。

 誰か人が来る前に、アマンダさんのビキニパンツを脱がせて、そして、サクラ姫が持ってくる筈のタオルで、お股をフキフキし、そして何事も無かったように、また、ビキニパンツを閉めてしまえば、完全なる計画犯罪が完了するのだ!

 俺もサクラ姫も、アマンダさんがオシッコを漏らした事なんか見てないし、ましてや、アマンダさんは気絶してた訳だから、俺に負けてオシッコを漏らしてしまった事実なんて知らないのである。

 まだ、サクラ姫が、タオルを持って到着してないようなので、俺は、すぐにサクラ姫が来たらフキフキ出来るように、ビキニパンツをパカッ!と開けてスタンバイしておく。

 ん?エロい気持ちは無かったのかって?
 そんなの、有る訳ないよ!
 俺は、女の子の裸を見るのは見慣れてるのだ。

 実家に住んでた時は、いつも俺が風呂に入ってると、妹のリーナがお風呂に特攻仕掛けてきてたし、いつも頭洗って!とか言ってくるから、リーナの頭とか、体とか洗ってやってたからね!

 本当に、俺は、子供のオムツでも替える感覚で、女性の大人であるアマンダさんのビキニパンツを、パッカン!と、開けていたのである。

 だけれども、気絶してもパンツ履かないと、スースーして体が冷えちゃう。
 ましてや、オシッコで濡れてる訳だから、余計に冷える訳で、そしたら、どうなっちゃったのか……

「えっ?! トト君?て、えっ? 何、この状況?!」

 まあ、こうなりますよ……

「ええと! あのこれには深い理由がありまして!」

 俺は、必死に言い訳する。アマンダさんがオシッコ漏らしたのを隠蔽する為に、ビキニパンツを、パカッ!としてたとは言えないし。

「もしかして、トト君……私を襲おうとしてた?」

「いや! 違うくて!」

「じゃあ何? その下半身は?!」

 この下半身は、アマンダさんと一緒に居る時は、常時この状態とは言えない。

「いや!その!これは!」

「まあ、トト君に襲われるのはやぶさかじゃないけど、コレは、どう責任とってくれるのかな?」

「エッ! 責任?! 本当に、コレは違うんです! アマンダさんがお漏らししちゃったから、拭いてあげようと!」

 もう、ここまで来たら、本当の事を言うしかない。アマンダさんを、気絶してる間に襲おうとしてたと思われるよりマシだし。

「えっ?トト君は、女の子がオシッコすると、拭いてあげる性癖があるの?それなら、私が毎日、オシッコしたら拭かせてあげるよ……」

 アマンダさんは、少しモジモジしながら言う。

「俺、そんな性癖ありませんし!拭きたくありません!」

 俺は、前のめりで否定する。

「だけれども、これは問題よ! 結婚前の若い女性のパンツを脱がせたんですからね!
 しかも、野外で! これは、本当に責任問題に発展するわね!」

「ど……どうすれば……」

「だから、私のパートナーになりなさいと、言ってたでしょ! トト君が、私のパートナーになるとさえ言ってくれれば、全てを不問にしてあげるわ!
 じゃなければ、冒険者ギルドに、トト君に野外で襲われたと言っちゃうわよ!」

 そんな事されたら、冒険者になって、世界中を旅するという俺の夢が潰れてしまう。
 犯罪者となって、捕まるなんて御免だ。
 まあ、そのまま犯罪奴隷として王家に買われて、一生、牢屋の中に入れられ、サクラ姫のHP、MP係になってしまうのが、目に見えてる。

 今の自由な感じさえ、無くなってしまうのなんて、俺には耐える事が出来ないのだ。

「それだけは、勘弁を……」

「じゃあ、どうするの?」

「アマンダさんのパートナーになります」

 俺は、アマンダさんに屈するしかないのだ。
 それで、全てが上手く行く。
 アマンダさんの事は嫌いじゃないし、ただ、エロくて可愛くて、明るく健康的なお姉さんと、これから一緒に行動すれば良いだけの事だし。

 て……コレって、俺が一番得してない?

「じゃあ、これから結婚証明書を貰いに教会に行くわよ!」

「エッ?! パートナーって、結婚するって事ですか! しかも、結婚式挙げないで、結婚証明書を貰いに行くだけ!」

「当たり前よ! トト君に逃げられたくないもんね! だから、結婚証明書で、トト君の事を縛ってあげるの!」

「いやいやいやいや、それだけは勘弁して下さい」

「えっ?いいの? 冒険者ギルドに、トト君に襲われてパンツ脱がされたと言って?」

「それだけは、御勘弁を……」

「じゃあ、今から教会行くわよ!」

「あの……だけれど、俺、まだ13歳だし、成人してないから、結婚は無理かと……」

 俺は、根本的な事実をアマンダさんに伝える。

「アッ! そっか! 結婚は15歳にならないと出来なかったか……それじゃあ、婚約って事で! トト君が15歳になったら、結婚しましょ!」

 アマンダさんは、ビキニパンツを、パッカン!と、開けたまま、ニヒヒと笑いながら、俺に握手を求めてきた。

 なんかアマンダさんが、超絶エロ可愛いく感じてしまい、3枚パンツで抑えられた股間が痛い。

 そして、トトは、そんな違う意味で開放的なアマンダさんの手を取ると、何故か、またオシッコがじんわりと、大量に放出してしまったのだった。

 ーーー

 面白かったら、お気に入りにいれてね!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

じいちゃんから譲られた土地に店を開いた。そしたら限界集落だった店の周りが都会になっていた。

ゆうらしあ
ファンタジー
死ぬ間際、俺はじいちゃんからある土地を譲られた。 木に囲まれてるから陽当たりは悪いし、土地を管理するのにも金は掛かるし…此処だと売ったとしても買う者が居ない。 何より、世話になったじいちゃんから譲られたものだ。 そうだ。この雰囲気を利用してカフェを作ってみよう。 なんか、まぁ、ダラダラと。 で、お客さんは井戸端会議するお婆ちゃんばっかなんだけど……? 「おぉ〜っ!!? 腰が!! 腰が痛くないよ!?」 「あ、足が軽いよぉ〜っ!!」 「あの時みたいに頭が冴えるわ…!!」 あ、あのー…? その場所には何故か特別な事が起こり続けて…? これは後々、地球上で異世界の扉が開かれる前からのお話。 ※HOT男性向けランキング1位達成 ※ファンタジーランキング 24h 3位達成 ※ゆる〜く、思うがままに書いている作品です。読者様もゆる〜く呼んで頂ければ幸いです。カクヨムでも投稿中。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

追い出された万能職に新しい人生が始まりました

東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」 その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。 『万能職』は冒険者の最底辺職だ。 冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。 『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。 口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。 要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。 その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。

戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。

隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。 婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。 しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

幼女からスタートした侯爵令嬢は騎士団参謀に溺愛される~神獣は私を選んだようです~

桜もふ
恋愛
家族を事故で亡くしたルルナ・エメルロ侯爵令嬢は男爵家である叔父家族に引き取られたが、何をするにも平手打ちやムチ打ち、物を投げつけられる暴力・暴言の【虐待】だ。衣服も与えて貰えず、食事は食べ残しの少ないスープと一欠片のパンだけだった。私の味方はお兄様の従魔であった女神様の眷属の【マロン】だけだが、そのマロンは私の従魔に。 そして5歳になり、スキル鑑定でゴミ以下のスキルだと判断された私は王宮の広間で大勢の貴族連中に笑われ罵倒の嵐の中、男爵家の叔父夫婦に【侯爵家】を乗っ取られ私は、縁切りされ平民へと堕とされた。 頭空っぽアホ第2王子には婚約破棄された挙句に、国王に【無一文】で国外追放を命じられ、放り出された後、頭を打った衝撃で前世(地球)の記憶が蘇り【賢者】【草集め】【特殊想像生成】のスキルを使い国境を目指すが、ある日たどり着いた街で、優しい人達に出会い。ギルマスの養女になり、私が3人組に誘拐された時に神獣のスオウに再開することに! そして、今日も周りのみんなから溺愛されながら、日銭を稼ぐ為に頑張ります! エメルロ一族には重大な秘密があり……。 そして、隣国の騎士団参謀(元ローバル国の第1王子)との甘々な恋愛は至福のひとときなのです。ギルマス(パパ)に邪魔されながら楽しい日々を過ごします。

移転した俺は欲しい物が思えば手に入る能力でスローライフするという計画を立てる

みなと劉
ファンタジー
「世界広しといえども転移そうそう池にポチャンと落ちるのは俺くらいなもんよ!」 濡れた身体を池から出してこれからどうしようと思い 「あー、薪があればな」 と思ったら 薪が出てきた。 「はい?……火があればな」 薪に火がついた。 「うわ!?」 どういうことだ? どうやら俺の能力は欲しいと思った事や願ったことが叶う能力の様だった。 これはいいと思い俺はこの能力を使ってスローライフを送る計画を立てるのであった。

処理中です...