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27. 狂戦士アマンダ

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「アレ?顔が赤いよ? もしかして熱でもあるの?」

 まだ、名前も知らないビキニアーマーのお姉さんが、トトに顔を近付け聞いてくる。

「ヒャイ! 大丈夫です!」

「なんなら、試験今度にする?私はいつでもトト君に合わせるわよ?」

「今日で、大丈夫でひゅ!」

 なんか、意識しちゃうと物凄く緊張してしまう。
 まあ、好みのタイプの女性で、しかもエロい格好してるからね。
 そりゃあ、まだ13歳のお子様のトトに、緊張するなという方が無理な話である。

「本当に大丈夫? 熱は無い?」

 ビキニアーマーのお姉さんが、トトの額に、ピッタリと、自分のおデコを密着させた。

「あ……あぁ……アッ!」

 なんか、ずっとモッコリしてたナニの先から、なんだか生暖かいものが……もしかして、緊張し過ぎて漏らしてしまったのか。

 俺は、人前で漏らすなんて恥ずかし過ぎて、しかも、意識してる女の人の前でなんて、もう死んでしまいたい気分になり、そして、

 もう、気付いた時には、サクラ姫も置いてギルドの外に逃げ出していたのだ。

 恥ずかし過ぎる。もう、生きていけない。
 ビキニアーマーのお姉さん、俺がお漏らししたの気付いてないよな。
 だけれども、オシッコしたくなかったのに、どうしてオシッコ出ちゃったのだろう。

 この現象が何か解るのは、ビキニアーマーのお姉さんと何度も遭遇して、何度もパンツを汚して、病気かと心配し尽くした挙句、
 騎士団に所属する若手イケメン騎士のアルフレッドさんに相談する数ヶ月先になるのは、また別の話。

 そして、本当に、ビキニアーマーのお姉さんを見ると、どうしてか乳白色の粘っこいオシッコが出てしまうのかと、直接、お姉さんに相談しないで、本当に良かったと、数ヶ月後に思うトトであったのだった。

 ーーー

 次の日、トトは気を持ち直して、再び、銀級冒険者試験を受けに、冒険者ギルドに向かった。

 勿論、エロいビキニアーマーのお姉さん対策も怠らない。オシッコチビってもバレないように、パンツ3枚重ねにしたし、モッコリしてるのがバレないように、モッコリを隠す為のマントも新調したし。

「トト君! 本当に昨日は心配したんだから! イキナリ、冒険者ギルドから出て行っちゃうんだもん!」

 ビキニアーマーのお姉さんが、トトを見つけると、近づいてきて、話し掛けてくる。
 だけれども、大丈夫。3枚重ねにしたパンツがモッコリを抑えつけてるし、まだ、オシッコは漏らしてない。

 しかも、マントまで装備してるから、3枚重ねのパンツがトト自身のパワーに負けてモッコリしちゃっても、ビキニアーマーのお姉さんには気付かれない筈なのである。

「すみません。昨日は、突然、腹痛に見舞われて、家に帰ってしまいました」

「なるほどね! それで、ずっと前屈みだったんだ! お腹が痛いの我慢してたんだね!」

 どうやら、ビキニアーマーのお姉さんは、いいようにとってくれたようだ。
 俺の考えあぐねて、思い付いた言い訳は功を奏した。

 人前でオシッコチビったとバレるより、ウンコが漏れそうで、家に帰ったと言った方がまだマシだし、実際に、ウンコを漏らした訳じゃないからね!

 実際と言っても、ウンコの話自体が嘘だけど。

「で、腹痛は、もう収まったの?」

「ハイ! パンツ3枚も履いてきたから、もう、お腹が冷えて痛くなる事はないと思います!」

 俺は、正直に告白する。
 だって、モッコリしてるのバレると嫌だからね。また、なにかの調子にモッコリしたら、前屈みになって、お腹が痛いと言えば、お姉さんも、ただお腹が痛くて前屈みになってるんだと勘違いしてくれると思うし。

 俺は、ビキニアーマーのお姉さんに、お腹が弱い子だと思われる作戦にしたのだ。

「そう。漏らしちゃった時の為に、最初から替えのパンツを履いてるのね!」

 いや……そういう訳ではないのだが、というか、俺がウンコ漏らして、パンツ汚すの前提かよ。まあ、お姉さんは、俺がウンコ漏らしてパンツが汚れても平気な人で良かった。

 ん?コレ、本当に良い事か?俺、日頃からウンコ漏らす奴だと思われてない?

 まあ、俺がお腹弱いの知らないで、『ん?何だか臭くない?』とか、お姉さんから言われるよりマシか。
 そんな事になったら、『さ……さあ……』とか誤魔化して、冷や汗かきながらウンコ漏らしたの秘密にしないといけなくなるし。

 それより、お姉さんに、『アッ!大丈夫?お腹冷えちゃったのよね!』と、俺が、ウンコチビった事、前提で話して貰った方が気が楽と言えば、楽だもんね!て……違うがな!

 俺は、そもそも、お腹弱くないし、ウンコチビりじゃないんだよ!

 そんな事を思いつつ、俺とサクラ姫と、ビキニアーマーのお姉さんは、銀級試験会場の屋上に向かった。

「トト君! そう言えば、自己紹介がまだだったわね! 私はアマンダ! 職業、狂戦士!」

 ビキニアーマーのお姉さん、アマンダさんが、今更ながら、プルン!と、たわわな胸を張り、丁寧に自己紹介してくれた。

「僕は、トト・カスタネット。そして、この子は、僕の血の繋がってない妹のサクラです」

 俺は何故か、ずぅっと、膨れっ面をしてるサクラ姫も、ついでに紹介する。
 どうやら、この冒険者ギルドでは、サクラ姫は俺の妹設定となってるみたいだから。

 まあ、全ては、冒険者登録した時、サクラ姫が冒険者登録する為の用紙に、サクラ・カスタネットと書いたのが始まりなのだけど。

「違うわ! 私は、トトのお嫁さんになるの!」

 何故か、サクラ姫は、へへ~ん!と、無い胸を張る。
 冒険者ギルドでは、女の子が胸を張り合いが流行ってるのか?

「なるほどね。サクラちゃんと、トト君のどっちかが、継母の連れ子とか、そんな感じの複雑な家庭関係だったのね!
 そして、優しくしてくれる、血の繋がりのないトト君の事が、サクラちゃんは、大好きだと?」

「まあ、そういう事よ!」

 それでいいのか?サクラ姫……まあ、サクラ姫って細かい設定とか気にしないタイプだから、最終的に俺と結婚出来れば良いと思ってる節がある。

 そんな、俺とサクラ姫の仲の良い様子を注意深く観察しながら、

「これは、少しライバルが出来たわね……」

 なにやら、ビキニアーマーのお姉さん、狂戦士のアマンダさんが、ポツリと呟いた。

 ーーー

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