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507. デジャブ

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「ヨシヨシ。私がついてるべな」

「ユリアさーーん!」

 俺は、合法的にロリ巨乳の胸に顔を埋められて御満悦。
 もう、悲しみよりエロが勝っていたりする。

「ちょ……ちょっとリコリットちゃん、そんなに激しく動き回られると、ちょっと、アッダメだべ! アッアッああぁぁあぁぁ……ああぁぁ!」

 ビクッ! ビクッ! ビクッ! ビクッ! ビクッ!

 俺の顔面の凹凸を使った激しい動きで、ユリアさんは、イッてしまったようだ。

 俺は女になった事によって、男だった時以上に、女の性感帯が分かるようになっているのだ。
 想像以上に可愛い俺は、例え、女であっても、思わず、ポッと、してしまう程の超絶美幼女。

 そんな俺にかかれば、顔の凹凸だけでも、女をイカせる事は可能なのである。

 俺は、何事もないように、シロに持たされてるエリクサーをユリアさんに振り掛けて、正気に戻させてやる。
 本来、この世界でエリクサーは、国宝級なのだが、俺はたくさん持ってるので、湯水のように使えるのだ。

「エッ! て、リコリットちゃんに、イカされた?
 て、リコリットちゃんはまだ、お子様だったべな。本当に、末恐ろしい少女だべな……」

「恐ろしい?」

「いや、こっちの話しだべ!
 リコリットちゃん、たまに私の胸に飛び込んで泣いてもいいべ!
 たまにと言わず、毎日でも、私がいつでも慰めてあげるべ!」

「そ……そうですか……」

 多分、俺を慰めるというより、ちびっ子で大人の男性に相手にされない自分自身を慰める為に、俺をオナペットとして使う気だろう。
 まあ、俺もオッパイパフパフ大好きだから、ウィンウィンなのだけど。

 とか、やってると、

「おい! リコリット! お前は、なんて酷い奴なんだ!」

 突然、俺の事をいつも蔑む感じで見てくるイベリコ君が、俺とユリアさん2人しか居ない教室に、血相を変えて飛び込んで来た。

 イベリコ君は、『恋愛イチャイチャ キングダム』の攻略対象の中で、リコリットの事を、一番、目の敵にしてくる人物。

 そう、イベリコ君は、ゲクラン率いるイベリカ王国に滅ぼされた、イスパニア王国の元皇太子で、現在は、地球で言うと、スペインのマドリード辺りを治める一領主の息子である。

 ゲクランに、イスパニア王国を滅ぼすように命令した、サセックス王国の姫であるリコリットの事を憎むのは当然であろう。

 因みに、一周目の第一回Sクラス最強トーナメントで、イベリコ君は、ユリアさんにボコボコにされてたりする。

「いきなりなんだべ!」

 ユリアさんは、俺とイベリコ君の間に、俺を守るように立ち塞がる。

「なんだお前?」

「なんだお前って、イベリコ君のクラスメイトだべ!」

「お前なんか知らん。チビッ子!」

「チ……チビッ子言うな! クルクルテンパ!」

「テ……テンパだと! 俺はそれほどクルクルパーマじゃねー!」

 どう見ても、クルクルテンパのイベリコ君が激怒する。

 とか、ユリアさんとイベリコ君が、やり合ってると、小カールやリチャード王子など、『恋愛イチャイチャ キングダム』の主要攻略対象の王子達を引き連れた、キャメロットが、泣きべそをかきながらやってきた。

 多分、俺の取り巻きの貴族令嬢達が、キャメロットに何かをしたのだろう。

「イベリコ君、私の為にケンカしないで」

 なんか、キャメロットが涙目で、歯の浮くようなセリフを言っている。
 何かのイベントが発生してるのかもしれない。

「キャメロットは、黙ってろ!俺が、ガツン!と言ってやるよ!」

 そして、イベリコ君は、キャメロットに話し掛けられて、いい格好しようとテンションが上がる。

 なんか、イベリコ君の仲間が増殖して形勢不利になってしまったが、それでもユリアさんは怯まない。
 得意の悪口攻撃を、更にエスカレートさせる。

「何、カッコつけてんだ! クルクルテンパ野郎!
  小鳥が、巣と勘違いする程のクルクルテンパ頭が、何、人の言葉喋ってるべ!」

「俺の髪は、鳥の巣じゃねー!」

「鳥の巣だべ! よく、寮からの登下校の時、見かけるべ!
 クルクルテンパに、小鳥を乗っけたイベリコ君を!」

「そんな訳ねーだろ!」

「本当だべ! お仲間に聞いてみるべ!」

 イベリコ君は後ろを振り返り、キャメロットや小カール達を見るが、全員、イベリコ君と目を逸らした。

「嘘だろ……」

 イベリコ君は、ちょっとショックを受けてるのか、動揺してる。

「本当だべ! そのクルクルテンパの奥の方に落とされてる、鳥の糞が証拠だべ!」

「な……何を言ってるんだよ! 俺の頭に、鳥の糞なんて、落とされてる筈などないだろ……」

「だったら、確認するといいべ! さっきから、イベリコ君の頭から鳥のフンの匂いが漂って臭かったんだべ!」

「絶対、嘘だ! そんな訳……」

 イベリコ君は、怒鳴りながら、自分の頭を確認する。

「エッ……そんな……」

 イベリコ君は、自分の手の平にベットリ付いた、クリーミーな物体に驚愕する。

「うわぁ~臭いべ! ヤッパリだべ!」

「臭くない!臭くない!そう、これは、シャンプーだ!
 きっと、朝シャンした時、キチンと流れなかったんだな!
 ほら、俺、天パだし!」

 テンパったイベリコ君が、自分のテンパを肯定してるし。

「どう考えても、それは鳥の糞だべ!」

「違う! 違うんだ!」

 イベリコ君は、後ろを振り返り、キャメロット達を縋るように見る。

 しかし、全員、黙って、一歩下がる。

「お……お前ら……」

 最早、イベリコ君は涙目だ。

「エンガチョ!ウ〇コ臭い鳥の巣頭は、臭くてかなわないから教室から出て行くべ!
 というか、早く、臭い頭を洗ってくるべ!」

 なんか、イベリコ君が涙をポロポロ流しながら、打ち震えている。

「お前のせいだ……」

「は?何か言いったべか? 鳥の巣頭の頭臭男君?」

「糞ーー! 全てお前のせいなんだよ! チビッ子!」

 イベリコ君は、頭に血がのぼったのか、我を忘れて、鳥のウ〇コで汚れた右手でユリアさんに殴りかかろうとする。

 しかし、

 ズコッ!

 イベリコ君は、盛大にズッコケた。

 そう、イベリコ君は、ユリアさん得意の土魔法を使った蔦によって、足を絡ませズッコケてしまったのだった。

 完全に、第一回Sクラス最強トーナメント、ユリアVSイベリコ戦のデジャブ。

 しかしながら、デジャブはこれだけでは終わらない。

「糞ガキ! 私に、汚い鳥の糞を付けようとしやがったな!
 絶対に、許さないべ!」

 ユリアさんは、足に蔦が絡まり動けないイベリコ君の頭を、思いっきり、サッカーボールキックで蹴り飛ばす!

「悪い子には、お仕置だべ!」

 どこかで聞いた事がある、有名なセリフ。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーー!お仕置きだべなー!」

 ユリアさん得意のサッカーボールキック百裂拳!

 ん、拳じゃなくて、百裂キック?
 正しくは、サッカーボールキック百裂キック?
 まあ、どうでもいいか……。

 兎に角、俺を虐めようとした、イベリコ君は、ユリアさんによって成敗されたのだった。

 ところで、何で、イベリコ君、俺に怒ってたんだろ?

 鳥の巣頭の、鳥の糞事件が強烈過ぎて、忘れてしまっていた。

 まあ、兎に角、キャメロットによる逆ハーレムルートを回避したのは確かだろう。

 だって、キャメロットさん、イベリコ君の事を、汚物を見るような軽蔑した目で見てたしね!

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