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268. ダンジョンの悪夢

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 俺達は、未攻略SSSダンジョンの攻略が終わり、ハラハラ冒険者ギルドに帰ってきた。

「おお! よく帰って来たな!
 見ろ、『白鯨』のギルドランキングが、15位まで上がってるぞ!」

 ハラハラ冒険者ギルド長ハラ·マサコが、豊満なパイ乙を揺らし、喜び勇んで飛びついてくる。

 地位と名誉とお金が大好きなマサコは、ウキウキだ。
 俺達が、悪魔伯爵筋肉マスオに殺されそうになってた事も知らないで。

「マサコさん! 謝って下さい!
 僕達、危うく悪魔に殺されそうになったんですよ!」

 シロが、マサコに食い掛かる。
 まあ、シロは素っ裸にひん剥かれて、犯される寸前だったのだ。
 あのダンジョンを攻略するように指示したマサコを怒るのも、無理はない。

「何でだ? お前達の実力なら、SSS未攻略ダンジョンぐらい、何とかなるだろ?」

 マサコは、不思議な顔をして聞いてくる。

「ラスボスの悪魔が、普通の土着の悪魔じゃなかったんですよ!
 ベルゼブブ配下の土着の悪魔って言ってました!」

「な……何だと! アソコのダンジョン、ベルゼブブが子飼いにしてる悪魔の巣だったのか!
 というか、よく無事に帰ってこれたな!」

 逆に、マサコが驚いている。

「Gデーモンとかいう、メイド服を着た美少女の悪魔さんが助けてくれたんです!
 あの人がいなかったら、今頃、僕、犯されて殺されてますよ!」

 シロは、プンプンに怒っている。

「メイド服を着た美少女悪魔? 成程。ダンジョンの悪夢か」

 どうやら、マサコも美少女悪魔の事を知ってるようだ。
 というか、結構、有名人?

「おい。ダンジョンの悪夢とは、何者なんだ?」

 俺は、とても気になり質問する。

「ああ。元、Gデーモン族メイド長のメリル様の事だ。
 そして、伝説の大魔王ゴトウ·サイト様、専属メイドだったお方だ!」

 またまた、大魔王ゴトウ·サイト。
 どんだけゴトウ·サイトは、南の大陸に影響を与えてるのだ。
 というか、あの美少女メイドが、ゴトウ·サイト専用という所が羨ましい。

「で、Gデーモン族とは?」

 まあ、ゴトウ·サイトのGだと思うが、一応質問する。

「Gデーモン族とは、今は亡き大魔王ゴトウ·サイト様が生み出した悪魔の事を言う。
 そして、その悪魔達を統括してたのが、メリル様だ。
 メリル様は、大魔王ゴトウ·サイト様専用に作られた専属メイド。
 大魔王ゴトウ·サイト様の性癖や好みに完全一致するように作られた個体だと言われている」

 まさかのオーダーメイド悪魔。
 益々、ゴトウ·サイトが羨ましい。

「で、ダンジョンの悪夢の由来は?」

 俺は、メリルの二つ名も気になり、質問する。

「メリル様は、大魔王ゴトウ·サイト様の死の最後に立ち会われた方だ。
 そして、大魔王ゴトウ·サイト様を殺した張本人、異界の悪魔ベルゼブブを殺す為に、ひたすら一人でダンジョンで修行している。
 まあ、その凄まじ過ぎる修行の見て、トラウマになった者達が、メリル様の事をダンジョンの悪夢と呼ぶようになったとか」

「成程、だから、ベルゼブブの名を聞いた途端、怒りだしたのか……」

 メリルの怒りの理由が分かった。
 メリルは、復讐の為にだけ生きている。

「僕も、メリルさんの気持ちが分かる気がします!
 ご主人様が殺されて、僕一人残ったら、必ず、ご主人様を殺した奴を殺してから、ご主人様の後を追って死にます!」

 シロは、目をウルウルさせてメリルに感情移入している。

「殉死するのは、決定なんだな……」

「僕は、司馬遼太郎のファンだから、乃木希典の真似したいんです!」

「そんな理由……」

 まあ、メリル情報は こんな所。
 多分、もう会う事ないし。

 俺の目標は、あくまで眼帯女ハラ·マサコを、俺の女にする事。

 とっとと、ギルドランキング10位入りしないといけないのだ。

「次に攻略するダンジョンを教えろ!」

 俺は、ハラハラ冒険者ギルド長ハラ·マサコに督促する。

「そう、急かすな! ダンジョンは逃げない!」

 まあ、そんな感じで、ハラハラ城塞都市に一泊してから、次の日、次の攻略目標、4S未攻略ダンジョンに向かった。

「ご主人様、このダンジョンは、変な感じがしませんね!」

 シロは、ニコニコしながら俺に言ってくる。

「前のダンジョンではしたのかよ?」

「えっ? ご主人様気付いてなかったんですか?
 最初から、嫌な感じがしてましたよ!」

「気付いてたんなら、最初から攻略するの止めとけば良かっただろ!」

「だって、マサコさんに、あのダンジョンを攻略しろと言われたじゃないですか!
 僕だって、それ程、南の大陸のダンジョンの事、知らないんです!
 アレが普通だって思うでしょ!」

「SSS未攻略ダンジョンを攻略するの、初めてじゃないだろ!」

「だって、他の時は、ベルゼブブ配下の悪魔より禍々しいオーラを発してるブリトニー姉様と一緒に行動していたんですよ!
 そんなの気付く訳ないでしょ!」

「確かに……」

 俺も、シロが言う事が、最もな事だと納得した。

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