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225. ゴールデンスカル連合軍VS黒髭海賊団第2回戦(10)

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「それでは、実質上の決勝戦! メアリーアン海賊団、団長メアリーVS黒髭海賊団、団長黒髭との試合を始めます!」

 審判のエロい姉ちゃんが、酒が入った瓢箪を片手に、アナウンスする。

「嫌だー! 俺はまだ、死にたくないんだよーー!」

 黒髭は泣き叫びながら、試合会場から逃げ出そうとする。

 しかしながら、いつの間にか試合会場を覆うように張られていた魔女マーリンの結界によって、試合会場から逃げられない。

 ちょっと、黒髭が可哀想に思えて来た。
 ただ、傘下の海賊がケツ棒されたので、仕返しに来ただけなのに、殆どの海賊船を沈められて、幹部以外の下っ端海賊達は皆殺し。

 本当にご愁傷様としか言えない。

「お前らが、勝手にメアリーアン海賊団の本拠地に攻めて来たのだろ!
 その落とし前を、キッチリ付けておかないと、他の海賊共にメアリーアン海賊団が舐められてしまうんでな!」

 まあ、メアリーの言い分も最もである。
 敵本拠地を攻撃しておいて、黒髭も今更である。

「それは、お前らメアリーアン海賊団が、ゴールデンスカル海賊団を匿っていたからだろ!」

「ゴールデンスカル海賊団を匿うのは当たり前だ!
 何せ、セドリックは、私達の始祖様である勇者アルトリア・ペンドラゴンの実の兄妹であらせられるのだからな!
 ウチら始祖様の血筋の者は、血の繋がりを大事にするんだよ!」

 そう、鬼ヶ島の鬼人族とオーガは、やたらと血の繋がりや親兄弟を大事にする。

 血の繋がりが無い傘下の海賊共とも、義兄弟の契りを結び、対等に接するのだ。

 ドレーク海賊団に追い回されていたミレーネ海賊団を保護してたのも、そんな感じ。
 同じ始祖の血筋であるミレーネを、気にかけていただけ。

 メアリーアン海賊団が、ドレーク海賊団と争っていたのだって、相手が勝手に突っかかって来てたから。
 そもそも、メアリーアン海賊団は無駄な争いをしない。

 商船は襲わないし、逆に商船の護衛とかを生業としている。メアリーアン海賊団が襲うのは海賊だけ。

 まあ、結構広い鬼ヶ島で時給自足できるし、護衛の仕事でそこそこお金も入ってくる。
 無駄に作り過ぎる日本酒とかも輸出しているので、お金には全く不自由していないのだ。

 まあ、メアリーアン海賊団は見た目が海賊だし、オーガの女は、全員2メートルを越えてるし、色黒で豪快。

 そんでもって、一番全面に出てくるメアリーが、一番粗暴で豪快で見た目も派手だし、海賊にしか見えない。
 そんな感じで、いつの間にかメアリーアン海賊団は、商船の護衛団だった筈なのに、海賊団だと思われるようになっていったのだ。

 まあ、自分達で海賊団と名乗っていたのが、一番の原因なんだけどね……。

「許してくれ! お願いだ! 何だってする!
 黒髭海賊団は、メアリーアン海賊団の傘下に入ったっていい!」

 黒髭は、額を地面に擦り付け、泣きながら命乞いをする。

「傘下に入るたって、黒髭海賊団は、もはや風前の灯火だろ?
 もう、黒髭海賊団の中に、お前の事を頭だと思ってる奴なんて、誰も居ないぞ?」

 そう、小次郎が黒髭に三行半を突き付けた後、完全に黒髭海賊団の幹部達は、黒髭を見限っている。
 まあ、黒髭海賊団の頭である黒髭が、あれだけ醜態をさらせば、黒髭海賊団の一員だと思われるのも嫌になってしまうだろう。

 だって、今までは五公最強である黒髭海賊団に所属しているのが、ある種のステータスだったのだ。

 オンラインゲームとかで、一番強いギルドに所属している奴らが、他の2番手3番手ギルドの奴らにエラそうな態度を取るのと同じ事。

 もっと言うと、有名人と知り合いだと誇張して、威張り散らす奴らと同類。

 もっともっと言うと、有名人と一緒に写真を取ってもらい、俺は〇〇と知り合いだとか言って写真を見せびらかし、詐欺行為を行う奴ら!

「黒髭海賊団の幹部の人達に、そんな人は居なそうですけどね」

 シロが、俺の行き過ぎた物言いに釘を刺す。
 まあ、見た感じは居なそうだ。
 しかし、黒髭海賊団の下っ端の奴らは、そんな感じだった。

 俺は、何度も死に戻りをして、黒髭海賊団の下っ端にオカマを掘られ、生きたまま食べられたのだ。

 そして、そんな俺を見て、黒髭は笑っていた。
 黒髭だけは、絶対に許さない。リベンジだ!

「ご主人様は、ハツカネズミに変化してる状態だから、どう頑張っても黒髭にリベンジ出来ないですけどね」

 シロが、一々、突っ込んでくる。
 ボケてるつもりは全く無いし、言葉にも出してないのに……。

「命乞いは、もう済みましたか?
 もう、時間が無いので、とっとと始めちゃいますよ!」

 打ち上げが待ちきれない審判の姉ちゃんが、試合を始めようとする。

「待ってくれ!」

 黒髭は、審判の姉ちゃんの足にしがみつき、懇願する。

「待てないです!」

 審判の姉ちゃんは、黒髭を足から振りほどき、そして、試合開始位置まで黒髭を蹴り飛ばす。

「それでは、メアリーアン海賊団団長メアリーVS黒髭海賊団団長、黒髭の試合。始め!」

 無慈悲な審判の姉ちゃんの掛け声で、遂にメアリーと黒髭の試合が始まった!

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