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121. 海賊狩り

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 そんな訳で、俺達は獲物を求めて海に出た。

 やる事は簡単。
 片っ端らから、海賊共に喧嘩を売ればいいのだ。

 俺やシロ、それからオリ姫とミーナは、母艦であるゴールデンスカル号に。
 ミレーネと元ミレーネ海賊団の団員は、ゴールデンクイーン号に乗り込んでいる。

 やはり、たった2隻だけでも艦隊を率いていると思うと気分がいい。

 しょぼかったゴールデンクイーン号も、シロによる魔改造によって、ゴールデンスカル号ほどではないが、この世界のガリレオン船の10倍のスピードが出るようになったのだ。

 しかも、大砲にミスリルコーティングを施す事で、今までの二倍以上の火薬を使う事ができ、威力も上がっていたりする。
 更に、砲弾にもミスリルコーティングを施してあるので、ボディーに鉄板が貼ってある海賊船にも風穴を開ける事も可能なのだ。

 まあしかし、この世界は魔法のある世界なので、船の性能だけで海戦に勝てるとは限らないのだけど。

「キュイ!」

 とか、思ってたら、早速、オリ姫が、敵海賊船を見つけたようだ。

「帆を畳んで、全速前進! 海賊船の土手っ腹に風穴を開けてやれ!」

「キュイ!」

 帆を畳んだゴールデンスカル号のスピードが、イッキに上がる。

 そして、

 ドッカーン!

 弾丸とかしたゴールデンスカル号が、海賊船ぶつかり、そのまま突き抜けた。

 ヤバイ破壊力。

 敵海賊船は真っ二つに割れて、みるみるうちに沈んでいく。

 やはり、ミスリルで出来たハンマースカルは凶悪すぎる。
 船首にハンマースカルが付いたゴールデンスカル号が、時速130キロぐらいのスピードで体当たりしてくるのだ。
 そりぁあ、どんな船でも粉々になるよな……。

「ご主人様、どうします? 敵海賊の人達が溺れてますよ?」

 助ける義理はないが、人道的に助けた方がいいのか?
 実は、良い海賊だったりするかもしれないし。

「一応、助けておけ! それから、完全に沈む前に、良さげの物も奪っておけよ!」

「ええーー! 早くしなきゃ! もう沈んじゃいますよ!」

 と言いつつ、何とかするのがシロだ。
 直ぐに、指先から投げ縄漁のような網を放ち、敵海賊共と一緒に、海賊船まで引き揚げる。

「オイ! そんなに乱暴に扱ったら、海賊共、死んでしまうんじゃないのか?」

「大丈夫です! 誰も死なないように引き揚げてますから!」

 シロは、そう言いながら、チャチャと海賊だけをゴールデンスカル号の甲板に引き揚げ、敵海賊船は網に入れたまま、ゴールデンスカル号の船尾に取り付けた。

 シロが引き揚げた海賊は20人。
 ヤバイ奴がいるといけないので、直ぐに全員鑑定で調べたが、俺達程の強さの奴はいなそうだった。

「ご主人様、こいつらどうしますか?」

「素っ裸にして、ケツの穴に木の棒でも突っ込んでおけ!」

「ご主人様、それ好きですね!」

「ちがわい! 俺達、ゴールデンスカル海賊団の恐ろしさを、他の海賊共に知らしめなければならないからだ!」

「素っ裸ケツ棒で、ゴールデンスカル海賊団の恐ろしさが分かりますかね?
 皆殺しにした方が、恐ろしさが分かると思うんですけど?」

 シロが、めっちゃ恐ろしい事を言ってくる。
 まあ、シロ的には、俺以外の人間を餌か何かと思ってる節があるし。
 俺が、人間を食べるなと言ってるから食べないだけで、本当は人間の肉が大好きなのかもしれない……。

「ご主人様、何酷い事考えてるんですか!
 僕は、人肉より、カエル肉の方が好きですよ!
 それに、僕、ご主人様に会う前に人間と出会った事もないので、人肉の味も知りませんし!」

「でも、人肉も食べてみたいんだろ?」

「それは、興味は有ります。たまに、とても美味しそうな人もいますしね」

「この中の海賊で、誰が一番美味しそうだ?」

「そうですね。この、ちょっとぽっちゃりした人が美味しそうですね!
 多分、この人、霜降り肉ですよ!
 食べちゃっていいんですか!」

 シロがヨダレを垂らして、ぽっちゃり海賊を、真っ赤な副眼まで開いて舐めるように見ている。

 シロに至近距離で、恐ろしすぎる8つの目で凝視されているぽっちゃり海賊は、必死に目を逸らし、真っ青な顔をしながら汗を滝のように流している。

 他の海賊共も、たった1人で海賊船を引き揚げてしまう怪力と、どう見ても人ならざる者であるシロをまじかに見て、ガクガク震えだしているし。

 よし。頃合だな。

「どうだ! 俺達ゴールデンスカル海賊団の恐ろしさが分かっただろ!
 分かったら、とっとと服を脱げ!
 逆らった者は、シロに食わせるぞ!」

 海賊共は、よっぽどシロが恐ろしかったのか、急いで服もパンツも脱ぎ、素っ裸になった。

「残念だったな。全員服を脱いでしまったから、今回は人肉食べれなかったな!」

「最初から、僕に食べさせる気なんかなかったでしょ!」

「分かってたか?」

「何でもは知らないですけど、知ってる事だけは知ってますからね!」

 まあ、俺の頭の中を覗けるシロなら、俺の本心も最初から分かっていただろう。
 だって、俺、人間を食べるシロなんて見たくないし。
 もし、シロが人肉大好きになってしまったら、おちおち一緒のベッドで寝られなくなってしまうしね。

「よし! 素っ裸になったなら、全員、汚いケツをコッチに向けろ!」

 海賊共は、嫌々ながらも、シロの事が恐ろしいのか、俺達の方にケツを向けた。

「シロ、木の棒持ってるよな?」

「こんな事もあろうかと、いつも魔法の鞄にストックしてますよ!」

「流石は、シロだな!」

「こんな事で、喜ばれたく有りませんよ!」

 自分が嫌な事でも、俺を喜ばせたいが為に、木の棒をしっかりストックしているシロ。
 本当に可愛い奴だ。

「じゃあ、海賊のケツに、その木の棒を突っ込んでやれ!」

「何でそれ、いつも僕にヤラせるんですか?」

「シロの嫌がる顔が面白いからだな!」

「ご主人様は鬼畜です。いつも僕を虐めて楽しんでるんです」

「俺に虐めてもらえると、嬉しいんだろ?」

「嬉しいです……」

「スカトロも、イケる口なんだろ?」

「多分、イケます……」

「だったら、これはご褒美だな!」

「ご褒美ですかね?」

「ご褒美だろ! ウ〇コ洩らす奴もいそうだし!」

「確かに……」

「ウ〇コの処理もしっかりやっとけよ!」

「ご主人様は、どんだけ鬼畜魔王なんですか!」

 シロは、ブツブツ言いながらも、魔法の鞄の中から、既に用意していたスライムコーティングしてある巨大なブルーシートのような布を広げ、その上に海賊共を並ばせる。

 そして、次々に、海賊共のケツの穴に、木の棒を勢いよく突っ込んでいくのであった。

 この、歴史に残るゴールデンスカル海賊団による海賊狩りが始まった日を境に、海賊を引退して、おネエになった海賊が増えたのは、また別の話。

 ーーー

 ここまで読んで下さりありがとうございます。
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