前世は救国の騎士だが、今世は平民として生きる!はずが囲われてます!?

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生まれ変わり?

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「そんなことは誰も望んでいない!お止めください!!」

「いやだ!いやだっ!!」

アクラムとフォルクスの叫び声が聞こえる……あぁ、泣いているな……だが、止めるつもりはないし、もう止めることもできない。
詠唱も終わり、あとは自分の命を糧に
するのみ。
大地に触れている足から徐々に塵になっていく……後には何も残らない。

泣き叫ぶ声が聞こえるが……もう意識も溶けていくようだ……

どうか……どう…か……






…………

ん?

「男の子じゃ~」

あれ?
ここどこ??
え?

さっきまで、豪奢な城の中にいたはずが、目の前には質素な天井が見える。
そして、髪が額にはりつき目に涙を湛えながら嬉しそうに笑う女性……
耳には赤子の泣き声が聞こえる……いや、泣いてるのは俺!?

赤子って俺!?!

泣くつもりがないのに、勝手に泣いているし、手足も動かすつもりがないのに動いている。
そこに俺の意思は介在しない。
俺は死んだ後、この赤子の守護霊にでもなったのか?
だが、この赤子の目を通してしか周囲を見ることができない。
守護霊って、飛び回ったりできないのか?せめて自分の意思で周りは見たいのに、赤子の目線のみなので情報が乏しい。

赤子の母であろう女性と産婆であろう老婆の姿と会話は聞こえるが、ここが何処で何時なのかは分からない。

「名前は決めているのかね?」

「救国の騎士様のお名前を頂いて、ルカと」

同じ名前ー!!

いや、いいけど。

ってことは、カーネル王国か……そして自分は救国の騎士と呼ばれているのか……ちょっと恥ずかしいが、救国ということは無事に防護壁は完成したんだな……良かった……

新生ルカ目線に、妙齢女性の乳房が眼前……精神年齢25歳にはきつすぎる!
顔をそらしたいのに、必死にむしゃぶりつく俺……やはり、俺の意思で身体は動かない。

やっぱり、守護霊かなー?
守護霊って、こんなに不便なのかー。

しかも、知らない赤子。
どうせなら、アクラムかフォルクスの守護霊が良かったな……いや、あいつらにはすでに強力なの憑いてそうだな……
想像すると、ちょっと笑える。

……しかし、なんか、穏やかな気持ちだ……
ちゃんとした確証はないが、防御壁は完成し、国を救えたのではないかと思う。
良かった……あいつらには申し訳ないが、後悔など一つもない。
最善の選択をした。
しかも、守護霊?になって、この国の先を見ることができる。

きっと、良い国にな…る……
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