異世界で、おばちゃんナース、無双・暴走します。

始まりの章

30.哀れ。ドム視点

ｼｭﾋﾟﾈﾝの生死を確認するために、転がされた…

いや、追い出された…


いやいや…


そう、戦った方角の気配を察知する。



するとｼｭﾋﾟﾈﾝを感知した、と思った瞬間。




同じ方角から青白い炎が上がる。

そして、ｼｭﾋﾟﾈﾝの気配は消えた…。



………気配が全く感知されなくなった。


？！

驚きに周囲を確認すると、ディジーが笑っていた。


…



その後、ディジーは箍が外れたように、笑いながらバリアを街全体に拡大。
一瞬にして、街の周囲が青白い炎…

焔に包まれた。


全く熱くはなく、むしろ包まれているような穏やかさの中。

 

一瞬でその焔も消失。

しんっ…とした静けさに包まれる。



幸い街に火が移ることもなく、被害といえばｼｭﾋﾟﾈﾝが転が…戦ったあとのみ。





人々は新たな強い魔物が出現したか…？！と、戦々恐々としていたが、勿論そんなものはおらず。

こうして一瞬にしてスタンビートの規模を把握することも出来ずに終了した。


………






今回のスタンビートで、ディジーに蜘蛛を見せてはいけないということが分かった。



そしてディジーの暴走は、今回だけでなく虫系の魔物に関して発揮されていくことになるとは、この時のドムには知る由もない。