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始まりの章

13.ディー帰還。ドム視点

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彼女の名は、デイジーローズ。彼女に頼まれて俺がつけた。彼女は、長いのでは、と言ってきたがこれくらい普通だ。

そして、ディジーと呼んで欲しいと言われて、自然と笑みが出る。尻尾もフリフリと揺れてしまうのを、どうにも止められない。

愛称で呼ぶのは親しい人限定だ。

特に、語尾にちかい愛称というのは、恋愛対象では恋人や配偶者限定だ。


彼女は知らないのだろうが、嬉しくてたまらない。

暫くは訂正せずに呼ばせてもらう…か。
そして、いずれはロージィと呼びたい。



俺の名前は最初にドムと名乗ったため、そちらで呼んでくれている。
勿論、訂正する気は無い。まぁ、いずれはヴィーと呼んでもらうつもりだ。


浮かれていると、何かの気配を感じ、身構える。しかし、すぐにディーのものだと気づき、出口に向かう。

ディジーも立とうとするが、怪我が治ったとはいえ、体力の消耗も激しいのだろう。少し辛そうだ。

留まるよう伝えると素直に従ってくれた。取り敢えず、ディーに簡単に説明しなければ。



ディーは、果物など軽い食べ物を取ってきていた。
珍しい果物があり、驚き尋ねると、おそらく精霊が持ってきてくれたという。


ディーも初めての体験で驚いたそうだが。果物を探していると、突然目の前の普通の木に実がなったという。

実をつけることなどない木に。


精霊しか考えられない事象だ。


ディジーは、自分を人間だと言う。

ならば、精霊の愛し子なのかもしれない。



数百年前にも、愛し子がいたとされている。その愛し子は、姿形が美しく、心根は、優しいものだったという。

そして、精霊に愛されて、多くのものをもたらしたとされていた。
しばらく経つと、精霊の国に渡ったのではなかったか…。


ディジーもそうならば、いずれは精霊の国に…?!
それは、嫌だ。ダメだ、絶対にダメだ。

そもそも何故精霊の国に渡ったのだろうか?
愛し子について調べなければならない。




ディーには、聞いたことをかいつまんで伝えた。驚きも大きいようだが、傷の具合が気になるようで彼女と話しに行った。


ふとみると、ディジーとディーが謝罪しあっていた。
少し待ってみたが、変わらず謝りあっているため、中断させ、ご飯にすることとした。
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