捨てられオメガの幸せは

ホロロン

文字の大きさ
上 下
7 / 7

7

しおりを挟む
「お前、まだヒートだろ?すげーいい匂いしてる。でもこの匂いは俺しか知らない匂いなんだよな」
そう言いながら首元に鼻を近づける。冴島からも僕を求めてくれる匂いがしてきてたまらなくなった僕は冴島の首元にキスをした。

「ベット行こうか?」
そのまま抱き上げられてベットに組み敷かれた。鼻筋の通った顔を下から見上げれば微笑んでくれる。
「優星、愛してる」
初めて下の名前で呼ばれて胸が高鳴った。
「僕も、冴島のこと愛してる」
勇気を出して言ったのに冴島に笑われてしまった。

「優星、お前も冴島になるんだろ。俺の名前知ってるだろ?」
耳元で囁かれて耳がザワザワした。忘れるわけない。ずっとずっと大好きだった人の名前だから……

「大樹、愛してる」
僕の顔を見ながら顔中に優しいキスが降りてくる。なぜか唇を避けてしてくるキスに僕は我慢ができなくて頭を上げて大樹の唇にキスをした。大樹は失笑しらがら我慢できなかった?なんて聞くから自分だけが欲しがっているようで恥ずかしくなって顔を両手で隠すと顔みせてと両手を顔から離して握られた。

「最初があんなんだったから隅々までキスしようとしたのに煽る優星が悪いんだからな」
そう言っていきなり舌を差し入れて深いキスを仕掛けてくる。しつこいくらいに繰り返す優しい口付けに脳が痺れるような感覚に陥りそのキスに翻弄されながら僕は甘い甘い大樹の愛を受け入れた。

「……あっあ あ 大樹っ、そこばっか」
「昨日、見つけた優星のいいところ」
大樹は僕の乳首を舐めながら右手は僕の後孔にすでに指が入っていて前立腺を撫であげている。ヤダヤダと言いながら僕は足を擦り合わせてしまう。

「もう俺が欲しい?」
大樹のペニスは立派だった。ヒートであまり覚えてなかったからまじまじと見てしまう。長さも太さも前の彼とは大違いだ。赤黒い血管が浮き出ててまるで凶器のようだ。大樹は待ちきれなかったのか先走りが溢れてテカテカと先端が光っていた。
「それ……ほしぃ……」
「それって何?」
意地悪く聞いてくる大樹に僕は我慢ができなくて起き上がって大樹のペニスを掴んだ。
「大樹のペニス入れてぇー……」
大樹はニッコリ笑ってよく言えました。と頭を撫でてくれた。

「入れるよ」
大樹のが僕の中に入ってくるその快感は今まで味わったことがない感覚で俺は入れられただけでイッテしまった。
「はぁあ あぁっ」
「もっと気持ちよくさせてあげる」
その通りに僕は大樹を受け入れた。どのくらい大樹の精をお腹に入れたのかわからない。僕たちはヒートが終わるまで交わり続けた。
大樹に会えてよかった。あの時、僕を見つけてくれれたから。幸せな気持ちのまま大樹に翻弄され続けた。

◇◆◇◆◇◆

僕のヒートが終わってから大樹のお父さんに番になった報告をすると凄く喜んでくれた。
そして……実の親とは縁が切れた。どうやって切れたのかはお義父さんも大樹も多くは語らなかったけど、大樹の側にいられたら僕はそれで幸せだ。

きっと色んなことがあって回り道をしたけど、大樹に会うために色んなことがあったんだと思う。
そして大樹と番になって半年がたった今……

「優星、またオメガ寮に行って林さんのお手伝いしたんだって?」
「だって……暇だったから」
「でも今が一番大事な時期だから無理しないで家にいてくれ。今日は俺も仕事で寮にいなかったんだから、来たい時は一緒に連れて行ってあげるから」

そう僕は今、大樹の子どもを妊娠中だ。あのヒートの時の子どもなんだけど毎日暇すぎで徒歩で10分のオメガ寮にほぼ毎日通って洗濯とか掃除とかを手伝っている。でも大樹は心配性でいつも怒られてしまう。でもそれも幸せと思ってしまう。子どもが産まれたら色んなことがあるとは思うけど、2人で大事に育てていきたい。

「大樹ごめんね。愛してる」
そう言ってキスをすると大樹はすぐに抱きしめてくれる。

「愛してるよ優星」
ちゃんとお返しのキスをしてくれる。これからも大樹とそして産まれてくる子どもと幸せに生きていきたい。


しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

あすか
2024.12.11 あすか

優星幸せになれて良かった
親と捨てた相手は痛い目にあってほしいわー

解除
@9030
2024.11.07 @9030

面白かったです。
欲を言えば、優星の家族の大樹による『ざまぁ』が有ったら、二人の幸せが引き立ったのでは?!
私、ハピエン厨で勧善懲悪好きなもので😆💦

解除

あなたにおすすめの小説

平凡顔のΩですが、何かご用でしょうか。

無糸
BL
Ωなのに顔は平凡、しかも表情の変化が乏しい俺。 そんな俺に番などできるわけ無いとそうそう諦めていたのだが、なんと超絶美系でお優しい旦那様と結婚できる事になった。 でも愛しては貰えて無いようなので、俺はこの気持ちを心に閉じ込めて置こうと思います。 ___________________ 異世界オメガバース、受け視点では異世界感ほとんど出ません(多分) わりかし感想お待ちしてます。誰が好きとか 現在体調不良により休止中 2021/9月20日 最新話更新 2022/12月27日

成り行き番の溺愛生活

アオ
BL
タイトルそのままです 成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です 始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください オメガバースで独自の設定があるかもです 27歳×16歳のカップルです この小説の世界では法律上大丈夫です  オメガバの世界だからね それでもよければ読んでくださるとうれしいです

好きで好きで苦しいので、出ていこうと思います

ooo
BL
君に愛されたくて苦しかった。目が合うと、そっぽを向かれて辛かった。 結婚した2人がすれ違う話。

花婿候補は冴えないαでした

BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。 本番なしなのもたまにはと思って書いてみました! ※pixivに同様の作品を掲載しています

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版)

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

【BL】声にできない恋

のらねことすていぬ
BL
<年上アルファ×オメガ> オメガの浅葱(あさぎ)は、アルファである樋沼(ひぬま)の番で共に暮らしている。だけどそれは決して彼に愛されているからではなくて、彼の前の恋人を忘れるために番ったのだ。だけど浅葱は樋沼を好きになってしまっていて……。不器用な両片想いのお話。

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。