85 / 162
第四章 目指せ!フランチャイズで左団扇編
76.身近な事実
しおりを挟む
「おばちゃん! 麦芽と水飴作れる!?
発酵器ってここにある!?」
ミーヤは酒場へ飛び込むなり開口一番大声で叫んだ。
「おや神人様、随分ご無沙汰じゃないか。
店は盛り返したけど、あれっきり来てくれないからどうしてるのかと思ってたんだよ。
相棒は毎日飲んだくれてるけど、詳しいことあまり話してくれないからねえ」
「ああ、ごめんなさい、心配かけちゃったわね。
お店がうまくいってるなら良かったわ。
今は別のところを手伝ってるんだけど、水飴が使いたいのよね」
「水飴なんてマーケットで売ってるお菓子じゃないか。
それをどうするんだい?
発酵器はうちにもあるから水飴は作れるさ。
アンタが必要ならいくらでも作ってやるよ?」
やはりここに発酵器はあるんだ! エールを出しているからもしかしてと思ったのだが正解だった。
「それとね、発酵器と水飴の関係がわからないんだけど、おばちゃん何か知ってる?」
「神人様でも知らないことがあるのかい?
発酵器はエールを作るために置いてあるんだよ。
エールも水飴も材料は麦だろ?」
「だからって水飴を発酵器で作るのは不思議じゃない?
まあでも作れるならいいわ、発酵器は細工屋さんで売ってるかしら」
「作りたいものが作れるなら、原理や道具なんてどうでもいいさね。
まあでも発酵器は王都から取り寄せだろうねえ。
ジスコの細工屋は小さいものしか作れないだろ」
ジスコ一番の細工屋だけど一軒しかないし、それも仕方のないことだろう。やはりここでも王都の名が出てきてしまったのは、予想していたにせよガッカリだ。早くフルルとハルを独り立ちさせて時間を作り、その間にスキルも頑張ってあげることにしよう。
その前にまずは水飴だ。おばちゃんに頼んで作ってもらわなければ。あと出来れば醤油も欲しいけど、あるならどこかで使っているだろうし、おそらくジスコにはないのだろう。
「とりあえず水飴を小さい樽ひとつ分作ってもらおうかしら。
麦を買ってきた方がいい?」
「麦はいっぱいあるから平気さ。
世話になってるからこれくらいはくれてやるよ。
あとうちの従業員へ、夜には帰ってくるように伝えておくれ」
「従業員ってまさか…… レナージュのこと!?」
「アンタが来ないから代わりに働いてもらってんのさ。
まあまあ役に立ってるよ」
この世界の人たちは気の優しい善人ばかりなのだが、人使いは非常に荒い…… 体を壊さないようにね、レナージュ、と祈るくらいしかできないけど、これも将来のためだから我慢してね、と心の中で謝っておいた。
しばらく待っていると樽一杯の水飴が出来てきた。作ってくれたことに感謝とお礼を述べたが、それよりも忘れないうちにおばちゃんへも教えておかないと!
「照り焼きにはね、砂糖よりも水飴がいいのよ。
そのほうが照りがよく出るし、パリッとした仕上がりになるから試してみて!」
「アンタ! どこかでうちの照り焼きを出す気なのかい!?
商売あがったりになっちまうからやめておくれー」
「昼間だけだから大丈夫よ。
それにシチューって言うこの酒場だけのメニューがあるじゃない。
水飴ありがとうねー」
振り返って酒場を出て聞こうとしたところでチカマにぶつかった。チカマはその勢いで転がってしまい、ミーヤは慌てて駆け寄って抱き起した。
「ちょっとチカマ大丈夫!?
いつからそこにいたの?」
「ミーヤさま、いたい。
急にでてったからボク追いかけてきた」
「あらあら、あまえんぼうさんね。
戻ったらおやつあげるわね」
いつも通りのかわいらしい笑顔で返事をするチカマは、ミーヤの実年齢を抜きにしてもとうてい年上には見えない。それくらい小さくて愛らしい姿をしているのだ。チカマと手を繋ぎながら念のため細工屋へ寄ってみたが、おばちゃんの言う通り発酵器は置いてなかったし作ることもできないと言われてしまった。
しかし収穫もあった。なんと砥石が売ってたのだ! そして刃物を研ぐのは鍛冶採掘スキルだけではなく、料理酒造スキルでも出来るとのことだった。よく考えてみれば包丁は普通に売ってるし、ミーヤにも使えるのだから研ぐこともできておかしくはない。
これで手に入れたい器具は分離器と発酵器の二つに増えてしまった。ジスコにいる間はおばちゃんへ頼めばいいが、カナイ村へ持って帰って村の産業として成り立たせるには絶対に必要だ。そのためにも今は着実に知識を増やし、腕を磨いて行くしかない。頑張ろうね、チカマ! と言うと、隣で不思議そうな顔をしていた。
フルルの店へ戻ると、酸っぱい果実で作った大樽一杯のフレッシュジュースが出来上がっていた。フルルが作ったのかと思ったが、これは固定レシピなのでハルでも作れたらしい。あとは甘さを加えるだけなので簡単だろう。
従来のフレッシュジュースは甘い果物を材料にする物ばかりだった。それは砂糖が高いこの世界ではごく自然なことで、甘みが欲しいから果物を食べたり絞ってジュースにしているのだ。それなのに酸っぱい果実をわざわざ使うなんて信じられないことと言うわけである。
そこをあえてやるからこそ商機があると言うものだ。いわゆるスキマ産業と言うやつだろう。みんなで味見をしながら砂糖の量を調整していくと、意外にも好みは個人差があった。
イライザは甘すぎない方がいいと言うし、レナージュとチカマは甘い方が好みらしい。フルルやミーヤは酸っぱさが残る程度がいいのだが、ハルはほぼそのままで酸味が少しだけ抑えられたくらいが好みのようだ。
結局、普通、甘目、酸っぱめの三通りと言うことにして、お客さんの目の前でコップに砂糖を入れ、ジュースを注ぐ方式にすることで決着がついた。
問題は串焼きだ。水飴は手に入ったが醤油がないので、必然的に塩で味付けをすることになる。肉は羊を使うことが初めから決まっていたので後は味付けだけだ。湯を沸かし塩と水飴を加えて溶かして作ったたれはやはり物足りない。
しかしみんなにはウケがよく、これでも問題ないようだ。さっそく肉を浸してから焼いてみることにする。串を通した肉を調味だれにつけて遠火弱火でじっくりと焼く。表面が乾いてきたらまたたれにつけてまた焼く。これを四回繰り返したころに串をひねってみると、ぐるっと回る手ごたえがあった。
「これで中まで火が通ったわね。
最後にもう一度たれにくぐらせてから、中火でしっかりと表面を焼けば完成よ。
お店を開ける前になるべく沢山下焼きをしておいて、開店直前に一度焼きあげればいいわね」
「むむ、む、難しそうです……」
「普通の串焼きにたれをつけただけだから平気よ。
難しいのはたれを作るところだと思うわ。
そこを乗り切れば出来たも同然よ!」
「はい…… 頑張ります……」
こうして見本の羊肉の照り焼き串が出来上がった。もちろんイライザとレナージュは酒を出せと騒いだが、フルルはまたもや耳を貸さず、みんなで健全に味を楽しんだのだった。
発酵器ってここにある!?」
ミーヤは酒場へ飛び込むなり開口一番大声で叫んだ。
「おや神人様、随分ご無沙汰じゃないか。
店は盛り返したけど、あれっきり来てくれないからどうしてるのかと思ってたんだよ。
相棒は毎日飲んだくれてるけど、詳しいことあまり話してくれないからねえ」
「ああ、ごめんなさい、心配かけちゃったわね。
お店がうまくいってるなら良かったわ。
今は別のところを手伝ってるんだけど、水飴が使いたいのよね」
「水飴なんてマーケットで売ってるお菓子じゃないか。
それをどうするんだい?
発酵器はうちにもあるから水飴は作れるさ。
アンタが必要ならいくらでも作ってやるよ?」
やはりここに発酵器はあるんだ! エールを出しているからもしかしてと思ったのだが正解だった。
「それとね、発酵器と水飴の関係がわからないんだけど、おばちゃん何か知ってる?」
「神人様でも知らないことがあるのかい?
発酵器はエールを作るために置いてあるんだよ。
エールも水飴も材料は麦だろ?」
「だからって水飴を発酵器で作るのは不思議じゃない?
まあでも作れるならいいわ、発酵器は細工屋さんで売ってるかしら」
「作りたいものが作れるなら、原理や道具なんてどうでもいいさね。
まあでも発酵器は王都から取り寄せだろうねえ。
ジスコの細工屋は小さいものしか作れないだろ」
ジスコ一番の細工屋だけど一軒しかないし、それも仕方のないことだろう。やはりここでも王都の名が出てきてしまったのは、予想していたにせよガッカリだ。早くフルルとハルを独り立ちさせて時間を作り、その間にスキルも頑張ってあげることにしよう。
その前にまずは水飴だ。おばちゃんに頼んで作ってもらわなければ。あと出来れば醤油も欲しいけど、あるならどこかで使っているだろうし、おそらくジスコにはないのだろう。
「とりあえず水飴を小さい樽ひとつ分作ってもらおうかしら。
麦を買ってきた方がいい?」
「麦はいっぱいあるから平気さ。
世話になってるからこれくらいはくれてやるよ。
あとうちの従業員へ、夜には帰ってくるように伝えておくれ」
「従業員ってまさか…… レナージュのこと!?」
「アンタが来ないから代わりに働いてもらってんのさ。
まあまあ役に立ってるよ」
この世界の人たちは気の優しい善人ばかりなのだが、人使いは非常に荒い…… 体を壊さないようにね、レナージュ、と祈るくらいしかできないけど、これも将来のためだから我慢してね、と心の中で謝っておいた。
しばらく待っていると樽一杯の水飴が出来てきた。作ってくれたことに感謝とお礼を述べたが、それよりも忘れないうちにおばちゃんへも教えておかないと!
「照り焼きにはね、砂糖よりも水飴がいいのよ。
そのほうが照りがよく出るし、パリッとした仕上がりになるから試してみて!」
「アンタ! どこかでうちの照り焼きを出す気なのかい!?
商売あがったりになっちまうからやめておくれー」
「昼間だけだから大丈夫よ。
それにシチューって言うこの酒場だけのメニューがあるじゃない。
水飴ありがとうねー」
振り返って酒場を出て聞こうとしたところでチカマにぶつかった。チカマはその勢いで転がってしまい、ミーヤは慌てて駆け寄って抱き起した。
「ちょっとチカマ大丈夫!?
いつからそこにいたの?」
「ミーヤさま、いたい。
急にでてったからボク追いかけてきた」
「あらあら、あまえんぼうさんね。
戻ったらおやつあげるわね」
いつも通りのかわいらしい笑顔で返事をするチカマは、ミーヤの実年齢を抜きにしてもとうてい年上には見えない。それくらい小さくて愛らしい姿をしているのだ。チカマと手を繋ぎながら念のため細工屋へ寄ってみたが、おばちゃんの言う通り発酵器は置いてなかったし作ることもできないと言われてしまった。
しかし収穫もあった。なんと砥石が売ってたのだ! そして刃物を研ぐのは鍛冶採掘スキルだけではなく、料理酒造スキルでも出来るとのことだった。よく考えてみれば包丁は普通に売ってるし、ミーヤにも使えるのだから研ぐこともできておかしくはない。
これで手に入れたい器具は分離器と発酵器の二つに増えてしまった。ジスコにいる間はおばちゃんへ頼めばいいが、カナイ村へ持って帰って村の産業として成り立たせるには絶対に必要だ。そのためにも今は着実に知識を増やし、腕を磨いて行くしかない。頑張ろうね、チカマ! と言うと、隣で不思議そうな顔をしていた。
フルルの店へ戻ると、酸っぱい果実で作った大樽一杯のフレッシュジュースが出来上がっていた。フルルが作ったのかと思ったが、これは固定レシピなのでハルでも作れたらしい。あとは甘さを加えるだけなので簡単だろう。
従来のフレッシュジュースは甘い果物を材料にする物ばかりだった。それは砂糖が高いこの世界ではごく自然なことで、甘みが欲しいから果物を食べたり絞ってジュースにしているのだ。それなのに酸っぱい果実をわざわざ使うなんて信じられないことと言うわけである。
そこをあえてやるからこそ商機があると言うものだ。いわゆるスキマ産業と言うやつだろう。みんなで味見をしながら砂糖の量を調整していくと、意外にも好みは個人差があった。
イライザは甘すぎない方がいいと言うし、レナージュとチカマは甘い方が好みらしい。フルルやミーヤは酸っぱさが残る程度がいいのだが、ハルはほぼそのままで酸味が少しだけ抑えられたくらいが好みのようだ。
結局、普通、甘目、酸っぱめの三通りと言うことにして、お客さんの目の前でコップに砂糖を入れ、ジュースを注ぐ方式にすることで決着がついた。
問題は串焼きだ。水飴は手に入ったが醤油がないので、必然的に塩で味付けをすることになる。肉は羊を使うことが初めから決まっていたので後は味付けだけだ。湯を沸かし塩と水飴を加えて溶かして作ったたれはやはり物足りない。
しかしみんなにはウケがよく、これでも問題ないようだ。さっそく肉を浸してから焼いてみることにする。串を通した肉を調味だれにつけて遠火弱火でじっくりと焼く。表面が乾いてきたらまたたれにつけてまた焼く。これを四回繰り返したころに串をひねってみると、ぐるっと回る手ごたえがあった。
「これで中まで火が通ったわね。
最後にもう一度たれにくぐらせてから、中火でしっかりと表面を焼けば完成よ。
お店を開ける前になるべく沢山下焼きをしておいて、開店直前に一度焼きあげればいいわね」
「むむ、む、難しそうです……」
「普通の串焼きにたれをつけただけだから平気よ。
難しいのはたれを作るところだと思うわ。
そこを乗り切れば出来たも同然よ!」
「はい…… 頑張ります……」
こうして見本の羊肉の照り焼き串が出来上がった。もちろんイライザとレナージュは酒を出せと騒いだが、フルルはまたもや耳を貸さず、みんなで健全に味を楽しんだのだった。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
星の勇者たち でも三十九番目だけ、なんかヘン!
月芝
ファンタジー
来たる災厄に対抗すべく異世界に召喚された勇者たち。
その数、三十九人。
そこは剣と魔法とスチームパンクの世界にて、
ファンタジー、きたーっ!
と喜んだのも束の間、なんと勇者なのに魔法が使えないだと?
でも安心して下さい。
代わりといってはなんですが、転移特典にて星のチカラが宿ってる。
他にも恩恵で言語能力やら、身体強化などもついている。
そのチカラで魔法みたいなことが可能にて、チートで俺ツエーも夢じゃない。
はずなのだが、三十九番目の主人公だけ、とんだポンコツだった。
授かったのは「なんじゃコレ?」という、がっかりスキル。
試しに使ってみれば、手の中にあらわれたのはカリカリ梅にて、えぇーっ!
本来であれば強化されているはずの体力面では、現地の子どもにも劣る虚弱体質。
ただの高校生の男子にて、学校での成績は中の下ぐらい。
特別な知識も技能もありゃしない。
おまけに言語翻訳機能もバグっているから、会話はこなせるけれども、
文字の読み書きがまるでダメときたもんだ。
そのせいで星クズ判定にて即戦力外通告をされ、島流しの憂き目に……。
異世界Q&A
えっ、魔法の無詠唱?
そんなの当たり前じゃん。
っていうか、そもそも星の勇者たちはスキル以外は使えないし、残念!
えっ、唐揚げにポテトチップスにラーメンやカレーで食革命?
いやいや、ふつうに揚げ物類は昔からあるから。スイーツ類も充実している。
異世界の食文化を舐めんなよ。あと米もあるから心配するな。
えっ、アイデアグッズで一攫千金? 知識チート?
あー、それもちょっと厳しいかな。たいていの品は便利な魔道具があるから。
なにせギガラニカってば魔法とスチームパンクが融合した超高度文明だし。
えっ、ならばチートスキルで無双する?
それは……出来なくはない。けど、いきなりはちょっと無理かなぁ。
神さまからもらったチカラも鍛えないと育たないし、実践ではまるで役に立たないもの。
ゲームやアニメとは違うから。
というか、ぶっちゃけ浮かれて調子に乗っていたら、わりとすぐに死ぬよ。マジで。
それから死に戻りとか、復活の呪文なんてないから。
一発退場なので、そこんところよろしく。
「異世界の片隅で引き篭りたい少女。」の正統系譜。
こんなスキルで異世界転移はイヤだ!シリーズの第二弾。
ないない尽くしの異世界転移。
環境問題にも一石を投じる……かもしれない、笑撃の問題作。
星クズの勇者の明日はどっちだ。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
神の使いでのんびり異世界旅行〜チート能力は、あくまで自由に生きる為に〜
和玄
ファンタジー
連日遅くまで働いていた男は、転倒事故によりあっけなくその一生を終えた。しかし死後、ある女神からの誘いで使徒として異世界で旅をすることになる。
与えられたのは並外れた身体能力を備えた体と、卓越した魔法の才能。
だが骨の髄まで小市民である彼は思った。とにかく自由を第一に異世界を楽しもうと。
地道に進む予定です。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる