23 / 162
第二章 新しい出会いと都市ジスコ編
14.都会を目指して
しおりを挟む
何もない街道を馬車が連なって進んでいる。カナイ村を訪れていたキャラバンがジスコへ帰っているところである。荷馬車が六台も並んでいるその様はなかなか壮観だ。近隣の森などへ狩りに出かける以外に初めて村を出たミーヤは始めこそ緊張していたものの、今は何もすることがなく手持無沙汰だった。退屈しのぎと言っても飴玉を口へ放り込んでその甘さを楽しむくらしかやることがない。
「レナージュ? ずっとこんな感じで暇なのかしら?
景色はいつまでも変わらないし、動物も遠巻きに眺めるくらいで逃げちゃうしね。
ホントに暇で仕方ないわ」
「まあ旅なんてこんなものよ?
何かが襲って来たり、馬車が壊れたりしない限りは、ね。
それとも何か事件でも起きてほしいわけ?」
「別にそう言うわけじゃないけどね。
修行みたいなものがあるかと思ってたから拍子抜けしてるとこ」
実際、馬車の荷台に乗っているだけなのだからなにができるわけでもない。そんなのはわかっているのだがそれにしたって暇すぎる。修行っぽいことと言えば、召喚術で水を出して飲むくらいしかなさそうだ。
その時、護衛の男性冒険者一人が口を開いた。
「初めて村を出るのにはしゃいだりしないんだな。
馬車に乗るとそれだけで大騒ぎするやつもいるってのに、アンタは肝が据わってら。
でもな、夜になったら野営の見張りを交互にやるんだから、昼間寝ておくのも大事だぜ?」
「なるほどね、寝るのは得意だから今のうちに休んでおくことにするわ。
あなた、顔に似合わず優しいのね」
無精ひげの男は、顔に似合わずは余計だと言ってから寝に入った。もちろんミーヤもレナージュも壁にもたれかかり休んでおくことにした。
次に目を覚ますと辺りはすっかり暗くなっていた。しかし馬車隊はまだ走り続けている。手元が暗くてなにも見えないので光の精霊晶を呼び出して照らしてもらうと、レナージュも同じように光を呼び出した。
「レナージュも召喚術が使えるのね!
村では誰も使ってなかったから仲間を見つけた気分でなんだかうれしい!」
「エルフの村ではみんな使えるから珍しくないんだけどね。
人間の村での生活にはそれほど必要じゃないのかもしれない
でも獣人で召喚術は珍しいと思うわよ? どちらかと言うと近接戦闘する人が多いもの」
「やっぱりそうなんだ?
私は戦うことってあんまり考えてなかったからなあ。
本当は猫でも飼ってのんびり暮らしたいと思っているのよ」
「狐が猫を飼うなんてちょっと面白いわ。
あ、ごめんなさい、侮辱するつもりじゃないのよ?」
「大丈夫、そんなのわかってるから問題ないよ。
それよりもこの馬車いつまで走り続けるつもり?
こんなに真っ暗なのに怖くないのかしら?」
「街道を進んでいくと、大体一日分の移動距離に合わせて大きな木が立っているのよ。
そうすると日程の目安になるし、何かあって救援を呼んだ時に目印になるでしょ?
だから多分そこまでは行くと思う」
「へえ、商人や旅人の知恵ってことか。
色々と考えてあるんだねえ」
ミーヤは素直に感心していた。まさか救援を呼ぶことまで考えて旅をするものとは想像もしていなかったからだ。それにしてもどうやって救援を呼ぶのだろう。疑問に思ったことはすぐに聞いて明らかにする、それが一番であることは生前学んで良かったことの一つだ。
「ねえ、救援ってどうやって呼ぶの?
誰かに連絡するってことでしょ?」
「キャラバンだと、通常はキャラバン長が冒険者組合や王国戦士団への連絡手段を持ってるわ。
向こうの担当者へメッセージを送って場所を知らせるって手順ね」
「王国戦士団なんてものがあるのか。
なんだか強そうな響きね」
「いやいや、全然よ。
あいつらったら働いても働かなくても賃金は一緒だから、命を賭けることなんてないもの。
ただ相手が盗賊とかなら向こうも死にたくはないし、一定の抑止力にはなるけどね。
王国ではそうやって治安を守る名目で税金を取っているってわけ」
「税金なんてあるんだね。
村でそんな話聞いたことなかったな」
「税金を取っているのは大きい都市だけよ。
周辺の村は近くの都市から物を買うでしょ?
そこに上乗せされているって仕組みよ」
結局は末端が負担することになるなんてまるで消費税である。どのくらい乗せられているのかはモノや売り手次第で決まった税率は無いらしい。そして売り手を抱えている都市が王国へ税金を納めると言う流れだそうだ。
ただ、権威的なことを別にすれば、王国で一番大切に扱われているのは農作業や林業などに従事している者たちで、商人はその次、冒険者は食い詰め者扱いで、下手をすると盗賊とあまり変わらないと思われる場合もあるらしい。
「だからさ、冒険者が多いジュクシンは住みやすいってことなんだよね。
そうすると、そこにはまた冒険者が集まってくるわけ。
でもさ、国を作った昔の国王も、今のジスコ領主も元冒険者なのよ?
なんか同族嫌悪なのかしらね」
「へえ、冒険者ってすごいのね。
レナージュ達も結構強いの?」
「私はまだまだね、とはいっても熊に負けるようなことはないわよ?
中型の魔獣ならなんとか一人で倒せるかな。
ナードなら、あ、ナードって言うのはジュクシンの迷宮なんだけど地下三階まであるのよ?
そこの地下二階までなら余裕ってくらいね」
「へえ、全然わからないけど、熊を怖がっているようじゃ話にならなそうね。
私も強くなれるのかなあ」
「だってまだレベル1なんでしょ?
それなのに猪受け止めて倒したんだから大したものよ。
普通はそんな馬鹿げたことしないけどね」
そういってレナージュに笑われてしまった。まああの時は事情があったにせよ我ながらどうかしていた。今考えれば後ろにいた村人を抱えて避けることもできた気がする。そういった状況判断もこの先大切になってくるのかもしれない。
やがて馬車は進むのをやめ街道沿いに列をなして止まった。やれやれようやく休憩か、と、ミーヤはお尻をさすって大事な革鎧のスカートががすり減っていないかを思わず確認しまった。
「みんな、遅くまでご苦労さん、明日は早目に出発するから十分に休息してくれ。
護衛のみんなは野営の番をよろしく頼むよ」
並べた馬車の前に商人長が立ち、みんなへねぎらいの言葉をかけた。ミーヤがふと目印の大木を見ると、そこには金属製の板が打ちつけてありこう彫ってあった。
『ジスコ-カナイ 4』
なるほど、何かあったらこの標識を伝えればすぐに場所が特定できるということか。4と言うのはジスコから見て四番目ということのようだ。簡単に考えれば住所と言うだけで、特にすごい発明でも不思議な仕組みでもなく、こんな事すら見るまで気づかない自分の頭がいかに有効活用されていないのか思い知らされる。
商人長が指示を出した後、木の周りを囲むように野営の支度をした一行は各々で食事をとる。どうやらキャラバンには料理人がいないので、ミーヤもマールが持たせてくれたペタンコのパンと干し肉をお腹へ押し込んで空腹を満たした。
野営中では交代で見張りをすると言っていたが、不慣れなミーヤは作法がわからないので指示を仰いだ。すると、一回寝てから起こされるのは慣れていないと辛いから最初がいいと言われ、レナージュと共に見張りをすることになった。
「平坦な道のりだったけどもう村が見えないんだね。
こんな遠くまで来たの、私初めてだよ」
「知ってる? 地面って少し丸いんだよ?
だから遠くなると見えなくなるんだってさ。
でもずっとまっすぐ進んでいったら、元の場所へ戻ってくるなんて信じられないよ」
レナージュの言い分で、地表が亀の上に乗っていて周りはすべて滝になっている、なんて考えが常識ではないことに感動してしまった。でも星が動いていないのになんでそんなことがわかるのだろう。科学が発展しているのかしていないのかが全く読めないこの異世界、不便だとか料理の味が薄いとか言ってる割には結構楽しんでいる。
「そうだ、ただ見張りしているだけじゃつまらないし、少し練習しようよ。
召喚術が使えるならこう言うこともできるよ」
レナージュはそう言うと光の精霊晶を呼び出した。彼女の手の上に小さな光の球が浮かんでいる。見ててね、と言ってからそのまま放り投げると、空中を飛んで行きながら周囲を明るく照らし、まるで流れ星のようだ。
「すごい! これって投げても消えないのね。
落ちたところでまだ光ってる!」
「時間が経つと消えるけど投げたくらいじゃ消えないよ。
矢じりに乗せて打つともっと遠くまで正確に飛ばせるんだから。
でもミーヤの場合は投げるしかないかな」
見よう見まねで放り投げてみると、初めてのミーヤでもあっさりできた。まあ呼びだした精霊晶をそのまま握って投げるだけなので難しいことではない。
「水を出して顔を洗うだけが使い道じゃないってこと。
顔の目の前で光を出せば目くらましにもなるから覚えておくといいよ。
もしかしたら猪だってびっくりして止まるかもしれないしね」
そう言いながらレナージュは下をペロッと出しながら笑った。それを見たミーヤは恥ずかしくなってしまい、思わずレナージュへ飛びついててしまう。
「ちょっとレナージュ! 何回も言わないでよ、恥ずかしいでしょー
今度同じようなことがあったらもっとうまくやってみせるんだからね」
「わかったわかった、期待してるからさ。
ちょっとー、あはは、くすぐったいったら。
ミーヤったらもう、お返ししちゃうぞー」
人間化しているとは言え、顔の周りには体毛が遠慮なく生えている。それがレナージュにはくすぐったかったらしく、ミーヤに押し倒されながらケタケタと笑っていた。そして今度はミーヤの脇の下へ向かって反撃ののろしを上げた。
「レナージュ? ずっとこんな感じで暇なのかしら?
景色はいつまでも変わらないし、動物も遠巻きに眺めるくらいで逃げちゃうしね。
ホントに暇で仕方ないわ」
「まあ旅なんてこんなものよ?
何かが襲って来たり、馬車が壊れたりしない限りは、ね。
それとも何か事件でも起きてほしいわけ?」
「別にそう言うわけじゃないけどね。
修行みたいなものがあるかと思ってたから拍子抜けしてるとこ」
実際、馬車の荷台に乗っているだけなのだからなにができるわけでもない。そんなのはわかっているのだがそれにしたって暇すぎる。修行っぽいことと言えば、召喚術で水を出して飲むくらいしかなさそうだ。
その時、護衛の男性冒険者一人が口を開いた。
「初めて村を出るのにはしゃいだりしないんだな。
馬車に乗るとそれだけで大騒ぎするやつもいるってのに、アンタは肝が据わってら。
でもな、夜になったら野営の見張りを交互にやるんだから、昼間寝ておくのも大事だぜ?」
「なるほどね、寝るのは得意だから今のうちに休んでおくことにするわ。
あなた、顔に似合わず優しいのね」
無精ひげの男は、顔に似合わずは余計だと言ってから寝に入った。もちろんミーヤもレナージュも壁にもたれかかり休んでおくことにした。
次に目を覚ますと辺りはすっかり暗くなっていた。しかし馬車隊はまだ走り続けている。手元が暗くてなにも見えないので光の精霊晶を呼び出して照らしてもらうと、レナージュも同じように光を呼び出した。
「レナージュも召喚術が使えるのね!
村では誰も使ってなかったから仲間を見つけた気分でなんだかうれしい!」
「エルフの村ではみんな使えるから珍しくないんだけどね。
人間の村での生活にはそれほど必要じゃないのかもしれない
でも獣人で召喚術は珍しいと思うわよ? どちらかと言うと近接戦闘する人が多いもの」
「やっぱりそうなんだ?
私は戦うことってあんまり考えてなかったからなあ。
本当は猫でも飼ってのんびり暮らしたいと思っているのよ」
「狐が猫を飼うなんてちょっと面白いわ。
あ、ごめんなさい、侮辱するつもりじゃないのよ?」
「大丈夫、そんなのわかってるから問題ないよ。
それよりもこの馬車いつまで走り続けるつもり?
こんなに真っ暗なのに怖くないのかしら?」
「街道を進んでいくと、大体一日分の移動距離に合わせて大きな木が立っているのよ。
そうすると日程の目安になるし、何かあって救援を呼んだ時に目印になるでしょ?
だから多分そこまでは行くと思う」
「へえ、商人や旅人の知恵ってことか。
色々と考えてあるんだねえ」
ミーヤは素直に感心していた。まさか救援を呼ぶことまで考えて旅をするものとは想像もしていなかったからだ。それにしてもどうやって救援を呼ぶのだろう。疑問に思ったことはすぐに聞いて明らかにする、それが一番であることは生前学んで良かったことの一つだ。
「ねえ、救援ってどうやって呼ぶの?
誰かに連絡するってことでしょ?」
「キャラバンだと、通常はキャラバン長が冒険者組合や王国戦士団への連絡手段を持ってるわ。
向こうの担当者へメッセージを送って場所を知らせるって手順ね」
「王国戦士団なんてものがあるのか。
なんだか強そうな響きね」
「いやいや、全然よ。
あいつらったら働いても働かなくても賃金は一緒だから、命を賭けることなんてないもの。
ただ相手が盗賊とかなら向こうも死にたくはないし、一定の抑止力にはなるけどね。
王国ではそうやって治安を守る名目で税金を取っているってわけ」
「税金なんてあるんだね。
村でそんな話聞いたことなかったな」
「税金を取っているのは大きい都市だけよ。
周辺の村は近くの都市から物を買うでしょ?
そこに上乗せされているって仕組みよ」
結局は末端が負担することになるなんてまるで消費税である。どのくらい乗せられているのかはモノや売り手次第で決まった税率は無いらしい。そして売り手を抱えている都市が王国へ税金を納めると言う流れだそうだ。
ただ、権威的なことを別にすれば、王国で一番大切に扱われているのは農作業や林業などに従事している者たちで、商人はその次、冒険者は食い詰め者扱いで、下手をすると盗賊とあまり変わらないと思われる場合もあるらしい。
「だからさ、冒険者が多いジュクシンは住みやすいってことなんだよね。
そうすると、そこにはまた冒険者が集まってくるわけ。
でもさ、国を作った昔の国王も、今のジスコ領主も元冒険者なのよ?
なんか同族嫌悪なのかしらね」
「へえ、冒険者ってすごいのね。
レナージュ達も結構強いの?」
「私はまだまだね、とはいっても熊に負けるようなことはないわよ?
中型の魔獣ならなんとか一人で倒せるかな。
ナードなら、あ、ナードって言うのはジュクシンの迷宮なんだけど地下三階まであるのよ?
そこの地下二階までなら余裕ってくらいね」
「へえ、全然わからないけど、熊を怖がっているようじゃ話にならなそうね。
私も強くなれるのかなあ」
「だってまだレベル1なんでしょ?
それなのに猪受け止めて倒したんだから大したものよ。
普通はそんな馬鹿げたことしないけどね」
そういってレナージュに笑われてしまった。まああの時は事情があったにせよ我ながらどうかしていた。今考えれば後ろにいた村人を抱えて避けることもできた気がする。そういった状況判断もこの先大切になってくるのかもしれない。
やがて馬車は進むのをやめ街道沿いに列をなして止まった。やれやれようやく休憩か、と、ミーヤはお尻をさすって大事な革鎧のスカートががすり減っていないかを思わず確認しまった。
「みんな、遅くまでご苦労さん、明日は早目に出発するから十分に休息してくれ。
護衛のみんなは野営の番をよろしく頼むよ」
並べた馬車の前に商人長が立ち、みんなへねぎらいの言葉をかけた。ミーヤがふと目印の大木を見ると、そこには金属製の板が打ちつけてありこう彫ってあった。
『ジスコ-カナイ 4』
なるほど、何かあったらこの標識を伝えればすぐに場所が特定できるということか。4と言うのはジスコから見て四番目ということのようだ。簡単に考えれば住所と言うだけで、特にすごい発明でも不思議な仕組みでもなく、こんな事すら見るまで気づかない自分の頭がいかに有効活用されていないのか思い知らされる。
商人長が指示を出した後、木の周りを囲むように野営の支度をした一行は各々で食事をとる。どうやらキャラバンには料理人がいないので、ミーヤもマールが持たせてくれたペタンコのパンと干し肉をお腹へ押し込んで空腹を満たした。
野営中では交代で見張りをすると言っていたが、不慣れなミーヤは作法がわからないので指示を仰いだ。すると、一回寝てから起こされるのは慣れていないと辛いから最初がいいと言われ、レナージュと共に見張りをすることになった。
「平坦な道のりだったけどもう村が見えないんだね。
こんな遠くまで来たの、私初めてだよ」
「知ってる? 地面って少し丸いんだよ?
だから遠くなると見えなくなるんだってさ。
でもずっとまっすぐ進んでいったら、元の場所へ戻ってくるなんて信じられないよ」
レナージュの言い分で、地表が亀の上に乗っていて周りはすべて滝になっている、なんて考えが常識ではないことに感動してしまった。でも星が動いていないのになんでそんなことがわかるのだろう。科学が発展しているのかしていないのかが全く読めないこの異世界、不便だとか料理の味が薄いとか言ってる割には結構楽しんでいる。
「そうだ、ただ見張りしているだけじゃつまらないし、少し練習しようよ。
召喚術が使えるならこう言うこともできるよ」
レナージュはそう言うと光の精霊晶を呼び出した。彼女の手の上に小さな光の球が浮かんでいる。見ててね、と言ってからそのまま放り投げると、空中を飛んで行きながら周囲を明るく照らし、まるで流れ星のようだ。
「すごい! これって投げても消えないのね。
落ちたところでまだ光ってる!」
「時間が経つと消えるけど投げたくらいじゃ消えないよ。
矢じりに乗せて打つともっと遠くまで正確に飛ばせるんだから。
でもミーヤの場合は投げるしかないかな」
見よう見まねで放り投げてみると、初めてのミーヤでもあっさりできた。まあ呼びだした精霊晶をそのまま握って投げるだけなので難しいことではない。
「水を出して顔を洗うだけが使い道じゃないってこと。
顔の目の前で光を出せば目くらましにもなるから覚えておくといいよ。
もしかしたら猪だってびっくりして止まるかもしれないしね」
そう言いながらレナージュは下をペロッと出しながら笑った。それを見たミーヤは恥ずかしくなってしまい、思わずレナージュへ飛びついててしまう。
「ちょっとレナージュ! 何回も言わないでよ、恥ずかしいでしょー
今度同じようなことがあったらもっとうまくやってみせるんだからね」
「わかったわかった、期待してるからさ。
ちょっとー、あはは、くすぐったいったら。
ミーヤったらもう、お返ししちゃうぞー」
人間化しているとは言え、顔の周りには体毛が遠慮なく生えている。それがレナージュにはくすぐったかったらしく、ミーヤに押し倒されながらケタケタと笑っていた。そして今度はミーヤの脇の下へ向かって反撃ののろしを上げた。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~
じゃくまる
ファンタジー
とある事情により体を失うことになってしまった十六歳の男子高校生の御神楽遥(みかぐらはるか)は、何もない真っ白な空間で神様と名乗る人物と出会う。しかもこの神様、なんと自分の母親の父だというじゃないか。つまりは祖父!? 条件付きで新しい神様として修行することになった遥は、神様たちのお茶目ないたずらにより女の子の体にされてしまう。日本に帰るため、そして神様のお遣いを終えて正式な神様になるため、遥は異世界へ渡り修行を行うことに。
そこで遥は各世界に侵入してくる謎の存在【亜神】について知る。
【亜神】はどんな世界にでも侵入し破壊や収奪を行うという。その話を聞いた遥は【亜神】の侵入を防ぐ世界を作ることを決める。
しかし【亜神】について調べていくうちに自身にその血と核があることを知ってしまう。
悩みつつも向き合い、自身に潜む【亜神】である【混沌の狐】と出会い、関係を深めていくことに。
やがて遥は【亜神】とそのほかが共存できる世界を構築するのだった。
まさかのTSで神様に!?~訳アリ新人神様はTSして異世界と日本を往復する~
から
神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~にタイトル変更(内容を分かりやすくしてみました)
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
神の使いでのんびり異世界旅行〜チート能力は、あくまで自由に生きる為に〜
和玄
ファンタジー
連日遅くまで働いていた男は、転倒事故によりあっけなくその一生を終えた。しかし死後、ある女神からの誘いで使徒として異世界で旅をすることになる。
与えられたのは並外れた身体能力を備えた体と、卓越した魔法の才能。
だが骨の髄まで小市民である彼は思った。とにかく自由を第一に異世界を楽しもうと。
地道に進む予定です。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる