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六回裏に待望の追加点を上げて、現在四対二と二点リードで迎えた七回表。打順は九番からだが、すでに山尻勝実はマウンドを降りていたので勝負は叶わない。ここで矢島は左の代打を送ってきた。
木戸曰く、マネちゃんデータでは大した成績じゃなかったはずとのことだ。しかしスゴイ長身で、二メーター近くあるんじゃなかろうか。当然手足も長いのでバットが短く見える。
あの体格だと内角が苦手で外には手が届くタイプだと思われるが、実際のデータは違っているようだ。棒立ちのようにまっすぐ立ってローボール全般をすくい上げるらしい。ただ打率が良くないということは高めは苦手なのだろう。
木戸のサインへうなずき初球はインハイのフォーシーム、手が出なかったのか簡単に見送ってストライクのコールだ。次は誘う意味でインサイドのスライダーを投げる。これはさすがに好きなコースに近いので振ってきたが、サード方向のファウルゾーンへ小フライとなった。
追い込んでからの三球目、これがとんでもない結果へ繋がるとは、投げる前には考えもしなかった。サインは高めのストレートだったが、追い込まれているので振ってくるのはわかっていた。しかし……
その長い手でフルスイングしたコースはどう見ても低めだった。そのバットの軌道は大きな弧を描いてとんでもなく大回りの空振りだ。
しかし審判がストライクのコールをした直後、その場に座ってボールを捕っていたはずの木戸が腕を押さえてうずくまっている。
僕は何が起こったのかわからないままマウンドから駆け下りていき、頭を下げてから引き揚げていく代打の選手を確認していた。ベンチからは救急箱を持った由布が走ってくる。
「おい木戸! どうしたんだ! 何が起きた!?
腕が痛いのか!?」
「ちくしょうあの野郎、随分と汚ねえことてくれちゃって……
マネちゃん、早くスプレーかけてくれ……」
状況から察するに、あのめちゃくちゃな大振りでキャッチャーの木戸をバットで殴ったようだ。はっきり言って没収試合にでもしてもらいたいくらいの危険プレーである。
審判はこちらが抗議する前にすでに矢島ベンチへ向かっていた。少なくとも注意はしてくれるだろうが、そんなことしたって木戸の痛みが消えるわけじゃない。
コールドスプレーをかけても痛がっている様子に変わりがないので、ベンチへ連れて行ってユニフォームを脱がせて見る。すると肩の下あたりがパンパンに腫れているではないか。
「これじゃ送球無理だな、悔しいが交代だ。
わざとやったのならあまりにも悪質だよ」
そこへ審判員が数名でやってきて、試合後、矢島学園はアクシデント発生について七つ星高校へ謝罪するように、と指示したこと、そして監督への聞き取りで故意性は認められないと伝えられた。
「ちょっとテーピングしてみてくれ。
ピッチャーまで返せれば俺は出るぜ」
「いや、これは無理だってば。
この先ずっと影響が残ったら取りかえしがつかないんだぞ?
今日で僕との野球が最後になってもいいのか!?
僕は絶対にそんなの嫌だね!」
「ちくしょう…… なんでいまそんなこと言うんだよ……
俺だって…… 俺だって……」
木戸は悔しさのあまり左手でベンチを叩いてから声を振り絞った。
「…… わかったよ、チビベンマスク頼むぞ!
センターには倉片が入ってくれ」
「お前のくやしさ、無念さはわかるつもりだ。
あとは任せてくれ。
マネージャーとのサインはミーティングの時と同じだな?」
「おう、同じだ。
マネちゃん、全部だとめちゃ複雑だからコースだけ送るよう頼むわ」
「わかりました!!
任せてください!!!」
由布の目には溢れんばかりの涙が見える。そりゃそうだろう、なんだかんだ言って、木戸と由布はかなりの時間をかけてサインを決めたり、練習メニューを決めたりしてきたのだ。野球部の中で由布が一番慕っているのは、おそらく僕ではなく木戸だろう。
中断が長くなり、さすがになにかおかしいと思い始めているのだろう。スタンドがざわついている。それに対応するように、場内アナウンスで怪我の治療が行われていると流されていた。
ただこの状況下でも真弓先生は思いのほか冷静なのか、木戸を医務室へ連れて行くために係員へ手伝いを頼みに行っていた。
そして僕は…… はっきり言って今まで感じたことの無い、自分の中から湧き出る怒りを抑えることができず、だが静かに心を燃やしていた。
「チビベン、サインとかコースとかいらないよ。
全部バッターのインハイへ投げるから」
「えっ!? 全部って全球ってことか?
それで構わないなら俺はいいけど……」
「あんな汚い事するチームに僕のボールが打てるはずないさ。
僕たちがすべてをかけて取り組んできた野球はあいつらのものとは違う!
絶対に負けるはずないんだ!」
チビベンはミットを僕の肩へ置いてうなずいた。ベンチ内のみんなは神妙な面持ちで僕を見ている。今まで我慢していただろう由布は、タオルを口に押し当てて涙を流していた。
「勘違いはしないでよ?
別にぶつけるつもりなんてないからね」
僕は声のトーンを少し上げて冷静さをアピールしておいた。しかし心の中で煮えくり返る怒り、いや憎悪と言ってもいい感情の始末をどうつければいいか悩んでいた。
長い中断のあと試合が再開となり、チビベンがミットをバンバンと叩いてからインハイへ構える。打順は長打のある一番だ。だがそんなことはどうでもいい、僕はミットめがけて全力投球する。
きちんとコントロールされたその一球はもちろんストライクのコールだったが、バッターは後ろへのけぞるようにして見送っていた。二球目、三球目と同じところへ投げ込んでかすらせもしないで三振に取った。
二番も同様に三球で仕留めた僕は、急いでベンチへ戻り、急いで打席へ向かった。結果は勢いよく振り回して三球三振だ。だが結果はどうでも良く、またすぐベンチへ戻る。
「真弓先生! 木戸の具合はどうですか!?
大分腫れてましたけど骨とかに異常はないですよね!?」
「ええ、心配ないわよ。
ただ内出血してるからきちんと治療してもらわないといけないんだけど……
試合終るまで行かないってダダこねてるのよねえ」
「まあ本人がそう言うならいいんですけど、大事に至ってないなら本当に良かった。
あいつに何かあったら、僕はこれ以上冷静でいられませんから」
僕がそう言った瞬間、数名がこっちを向いてぎょっとした顔をしたような気配を感じた。
「それと木戸君から伝言、山下君は木戸君のミットを使うように、ですって。
何が違うのかは聞いてないけど、吉田君用のミットらしいわよ」
そう言って真弓先生がチビベンへミットを手渡した。
「これがそうですかー。
なるほどね、こりゃありがたいけど先に教えといて欲しかったなあ。
さっきは結構危なかったんで」
「僕用のミット? そんなの使ってたかな?
なにか違いわかる?」
「これあれだ、手のひらの革が二重になってるよ。
それにポケットが上に深くしてあるな。
多分思ってるより伸びてくるから対策したんだろう」
「そんな工夫してたのか。
まったくあいつはいつも誰にも何も言わないからな」
そんな話をしているうちに、いつの間にか倉片は打ち取られ、矢島は投手を交代した。どうやらここから三番手の右投手を出してくるらしい。
投球練習を見ていると球はかなり早い。コントロールも悪くないけど、これで三番手なのか?なにか欠点があるのかもしれないとよく観察してみるが、特に何もなさそうだ。まあセットポジションが苦手とかクイックができないとか、マウンド度胸がないとか何かあるのかもしれない。
そして打席には丸山が入った。ゆったりといつもの観音打法で隙の無い構えを見せる。すると突然審判がタイムをかけて丸山へなにか言っている。まさかまたあいつ何かやらかしたか? と心配するが、当の丸山は笑いながら審判へ謝っている。
そして再び打席に入ると、どうやら今回は勝負してくるようだ。初球は見送ったが、モーションからするとタイミングはあってそうだ。二球目も見送ってストライクであっさり追い込まれた。どちらもあいつなら打てそうなのに、と言う目で見ていたが、三球目には手をだしファウル、次は大きく外れてボールになった。
その後も内外高低と揺さぶっているが全部ファウルである。これはやってるな…… そう思いながら見ていた十一球目、インハイの厳しいところを突いてきた真っ直ぐを、体を開きながら強振し右中間スタンドへ放り込んでしまった。
ダイヤモンドを一周してきて打席近くにいた次のバッター、池田先輩とハイタッチしてからベンチへ引き上げてくる丸山がやけにカッコよく見える。
「ほらよ、追加点プレゼント。
これなら木戸もゆっくり寝てられるだろ?
点差もあるからカズも落ち着いて投げろよ」
丸山は僕の秘めた感情に気付いていたのだろう。冷静さを取り戻せるようにと時間を使ってくれて、そして追加点まで取ってくれた。本当に頼りになり優しい男だ。
「ああ、ちょっと頭に血が上ってたかもしれないな。
次の回からは打たせていくよ」
「いやいや、守備は面倒だから全部三振でいいぞ?
なんと言っても前回から完全継続中だからな」
「そういえばそうか。
でもそんな記録は無いから気にしないで投げるよ。
ありがとうな!
そういえばさっき審判に注意されてたように見えたけど何かあったのか?」
「いやな、頭に来てたからよ、打席入った時に『くせえことしやがって』って言ってやったのよ。
そしてら審判にも聞こえちゃったみたいで注意されたんだけどさ。
すいません、屁こいちゃいましたけど臭いますかあ? ってごまかしたんだわ。
だからにこやかだったろ?」
やっぱりこいつも最高だ! 僕と丸山ははベンチの中でハイタッチをした。が、その間に池田先輩は三振に倒れていた。
木戸曰く、マネちゃんデータでは大した成績じゃなかったはずとのことだ。しかしスゴイ長身で、二メーター近くあるんじゃなかろうか。当然手足も長いのでバットが短く見える。
あの体格だと内角が苦手で外には手が届くタイプだと思われるが、実際のデータは違っているようだ。棒立ちのようにまっすぐ立ってローボール全般をすくい上げるらしい。ただ打率が良くないということは高めは苦手なのだろう。
木戸のサインへうなずき初球はインハイのフォーシーム、手が出なかったのか簡単に見送ってストライクのコールだ。次は誘う意味でインサイドのスライダーを投げる。これはさすがに好きなコースに近いので振ってきたが、サード方向のファウルゾーンへ小フライとなった。
追い込んでからの三球目、これがとんでもない結果へ繋がるとは、投げる前には考えもしなかった。サインは高めのストレートだったが、追い込まれているので振ってくるのはわかっていた。しかし……
その長い手でフルスイングしたコースはどう見ても低めだった。そのバットの軌道は大きな弧を描いてとんでもなく大回りの空振りだ。
しかし審判がストライクのコールをした直後、その場に座ってボールを捕っていたはずの木戸が腕を押さえてうずくまっている。
僕は何が起こったのかわからないままマウンドから駆け下りていき、頭を下げてから引き揚げていく代打の選手を確認していた。ベンチからは救急箱を持った由布が走ってくる。
「おい木戸! どうしたんだ! 何が起きた!?
腕が痛いのか!?」
「ちくしょうあの野郎、随分と汚ねえことてくれちゃって……
マネちゃん、早くスプレーかけてくれ……」
状況から察するに、あのめちゃくちゃな大振りでキャッチャーの木戸をバットで殴ったようだ。はっきり言って没収試合にでもしてもらいたいくらいの危険プレーである。
審判はこちらが抗議する前にすでに矢島ベンチへ向かっていた。少なくとも注意はしてくれるだろうが、そんなことしたって木戸の痛みが消えるわけじゃない。
コールドスプレーをかけても痛がっている様子に変わりがないので、ベンチへ連れて行ってユニフォームを脱がせて見る。すると肩の下あたりがパンパンに腫れているではないか。
「これじゃ送球無理だな、悔しいが交代だ。
わざとやったのならあまりにも悪質だよ」
そこへ審判員が数名でやってきて、試合後、矢島学園はアクシデント発生について七つ星高校へ謝罪するように、と指示したこと、そして監督への聞き取りで故意性は認められないと伝えられた。
「ちょっとテーピングしてみてくれ。
ピッチャーまで返せれば俺は出るぜ」
「いや、これは無理だってば。
この先ずっと影響が残ったら取りかえしがつかないんだぞ?
今日で僕との野球が最後になってもいいのか!?
僕は絶対にそんなの嫌だね!」
「ちくしょう…… なんでいまそんなこと言うんだよ……
俺だって…… 俺だって……」
木戸は悔しさのあまり左手でベンチを叩いてから声を振り絞った。
「…… わかったよ、チビベンマスク頼むぞ!
センターには倉片が入ってくれ」
「お前のくやしさ、無念さはわかるつもりだ。
あとは任せてくれ。
マネージャーとのサインはミーティングの時と同じだな?」
「おう、同じだ。
マネちゃん、全部だとめちゃ複雑だからコースだけ送るよう頼むわ」
「わかりました!!
任せてください!!!」
由布の目には溢れんばかりの涙が見える。そりゃそうだろう、なんだかんだ言って、木戸と由布はかなりの時間をかけてサインを決めたり、練習メニューを決めたりしてきたのだ。野球部の中で由布が一番慕っているのは、おそらく僕ではなく木戸だろう。
中断が長くなり、さすがになにかおかしいと思い始めているのだろう。スタンドがざわついている。それに対応するように、場内アナウンスで怪我の治療が行われていると流されていた。
ただこの状況下でも真弓先生は思いのほか冷静なのか、木戸を医務室へ連れて行くために係員へ手伝いを頼みに行っていた。
そして僕は…… はっきり言って今まで感じたことの無い、自分の中から湧き出る怒りを抑えることができず、だが静かに心を燃やしていた。
「チビベン、サインとかコースとかいらないよ。
全部バッターのインハイへ投げるから」
「えっ!? 全部って全球ってことか?
それで構わないなら俺はいいけど……」
「あんな汚い事するチームに僕のボールが打てるはずないさ。
僕たちがすべてをかけて取り組んできた野球はあいつらのものとは違う!
絶対に負けるはずないんだ!」
チビベンはミットを僕の肩へ置いてうなずいた。ベンチ内のみんなは神妙な面持ちで僕を見ている。今まで我慢していただろう由布は、タオルを口に押し当てて涙を流していた。
「勘違いはしないでよ?
別にぶつけるつもりなんてないからね」
僕は声のトーンを少し上げて冷静さをアピールしておいた。しかし心の中で煮えくり返る怒り、いや憎悪と言ってもいい感情の始末をどうつければいいか悩んでいた。
長い中断のあと試合が再開となり、チビベンがミットをバンバンと叩いてからインハイへ構える。打順は長打のある一番だ。だがそんなことはどうでもいい、僕はミットめがけて全力投球する。
きちんとコントロールされたその一球はもちろんストライクのコールだったが、バッターは後ろへのけぞるようにして見送っていた。二球目、三球目と同じところへ投げ込んでかすらせもしないで三振に取った。
二番も同様に三球で仕留めた僕は、急いでベンチへ戻り、急いで打席へ向かった。結果は勢いよく振り回して三球三振だ。だが結果はどうでも良く、またすぐベンチへ戻る。
「真弓先生! 木戸の具合はどうですか!?
大分腫れてましたけど骨とかに異常はないですよね!?」
「ええ、心配ないわよ。
ただ内出血してるからきちんと治療してもらわないといけないんだけど……
試合終るまで行かないってダダこねてるのよねえ」
「まあ本人がそう言うならいいんですけど、大事に至ってないなら本当に良かった。
あいつに何かあったら、僕はこれ以上冷静でいられませんから」
僕がそう言った瞬間、数名がこっちを向いてぎょっとした顔をしたような気配を感じた。
「それと木戸君から伝言、山下君は木戸君のミットを使うように、ですって。
何が違うのかは聞いてないけど、吉田君用のミットらしいわよ」
そう言って真弓先生がチビベンへミットを手渡した。
「これがそうですかー。
なるほどね、こりゃありがたいけど先に教えといて欲しかったなあ。
さっきは結構危なかったんで」
「僕用のミット? そんなの使ってたかな?
なにか違いわかる?」
「これあれだ、手のひらの革が二重になってるよ。
それにポケットが上に深くしてあるな。
多分思ってるより伸びてくるから対策したんだろう」
「そんな工夫してたのか。
まったくあいつはいつも誰にも何も言わないからな」
そんな話をしているうちに、いつの間にか倉片は打ち取られ、矢島は投手を交代した。どうやらここから三番手の右投手を出してくるらしい。
投球練習を見ていると球はかなり早い。コントロールも悪くないけど、これで三番手なのか?なにか欠点があるのかもしれないとよく観察してみるが、特に何もなさそうだ。まあセットポジションが苦手とかクイックができないとか、マウンド度胸がないとか何かあるのかもしれない。
そして打席には丸山が入った。ゆったりといつもの観音打法で隙の無い構えを見せる。すると突然審判がタイムをかけて丸山へなにか言っている。まさかまたあいつ何かやらかしたか? と心配するが、当の丸山は笑いながら審判へ謝っている。
そして再び打席に入ると、どうやら今回は勝負してくるようだ。初球は見送ったが、モーションからするとタイミングはあってそうだ。二球目も見送ってストライクであっさり追い込まれた。どちらもあいつなら打てそうなのに、と言う目で見ていたが、三球目には手をだしファウル、次は大きく外れてボールになった。
その後も内外高低と揺さぶっているが全部ファウルである。これはやってるな…… そう思いながら見ていた十一球目、インハイの厳しいところを突いてきた真っ直ぐを、体を開きながら強振し右中間スタンドへ放り込んでしまった。
ダイヤモンドを一周してきて打席近くにいた次のバッター、池田先輩とハイタッチしてからベンチへ引き上げてくる丸山がやけにカッコよく見える。
「ほらよ、追加点プレゼント。
これなら木戸もゆっくり寝てられるだろ?
点差もあるからカズも落ち着いて投げろよ」
丸山は僕の秘めた感情に気付いていたのだろう。冷静さを取り戻せるようにと時間を使ってくれて、そして追加点まで取ってくれた。本当に頼りになり優しい男だ。
「ああ、ちょっと頭に血が上ってたかもしれないな。
次の回からは打たせていくよ」
「いやいや、守備は面倒だから全部三振でいいぞ?
なんと言っても前回から完全継続中だからな」
「そういえばそうか。
でもそんな記録は無いから気にしないで投げるよ。
ありがとうな!
そういえばさっき審判に注意されてたように見えたけど何かあったのか?」
「いやな、頭に来てたからよ、打席入った時に『くせえことしやがって』って言ってやったのよ。
そしてら審判にも聞こえちゃったみたいで注意されたんだけどさ。
すいません、屁こいちゃいましたけど臭いますかあ? ってごまかしたんだわ。
だからにこやかだったろ?」
やっぱりこいつも最高だ! 僕と丸山ははベンチの中でハイタッチをした。が、その間に池田先輩は三振に倒れていた。
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