138 / 158
予想外の祝勝会
しおりを挟む
放課後まではビックリするくらいあっという間だった。なんといっても、教科書とノートを机の上に並べたところまでしか記憶がないくらいだ。球数はそれほど投げていなかったけど、強豪相手にひりつく勝負をしたため心労が大きかったのだ、多分。
教室を出る前に咲へメールをして、今日は練習がないからすぐに帰ることを伝えた。するとそれほど立たずに返信が来て驚いてしまった。それによると、今日はごちそう作ろうと思っていたけど夜出掛ける用事が出来たので、また今度と書かれている。
今日の快投と劇的な勝利の余韻が残っていたはずなのに、すべてが無に返した気分で落胆どころの騒ぎではない。こうなったら練習へ参加してくるかと思った矢先に木戸が教室へ入ってきた。しかも騒がず黙って静かに、だ。
「おい、どうしたんだよ、黙って入ってくるなんて何かあったのか?
顔色悪いってことはなさそうだけど、お前が静かだとかえって怖くなるぞ?」
「いやあ、他に聞かれるとまずいからさ。
さっき親父から連絡があってよ、今日はごっさん亭貸し切りになったんだと。
そんでそのお客はお前の親父さんたちだって言うから教えに来たんだよ」
僕は江夏さんからの電話で、まさかそんなことを聞かされる予定だったのかとびっくりしてしまった。でもまだ決勝が残ってるのにそんな派手な事するなんて、江夏さんや父さんの性格からはちょっと想像できなかった。
「マジで!? まだ連絡して無くてこれから電話しようとしてたとこだったんだよね。
まさかそんな話になってるなんて思ってもいなかったよ。
でもなんで他のやつに知られたらまずいんだ?」
「詳しくはわからねえけど、おまえんちと師匠さんちの他にも誰か来るらしい。
だから、祝勝会ではあるけど、野球部全員呼ぶわけにもいかないってことらしいわ」
「なるほど、そう言うことなのか。
時間とかわからないし、僕も連絡してみるよ。
それじゃお前も早めに切り上げるのか?」
「んだな、元々一時間かそこいらで終わらせる予定だったし。
あとはマルマンと約束したラーメンをどう断るかが問題だ」
「まさかかた賭けしてたんじゃないよな?
くれぐれも不祥事は起こさないでくれよ?
というか、丸山だけなら呼んでも平気じゃないか?」
「どうだろな、主催はおまえんとこだから聞いてみてくれよ。
よけりゃあいつへ話すからあとでメールしてくれ」
僕は頷いて教室を出た。あれ? そう言えば咲が出かける用事が出来たと言っていたのはこのことなのか? もしそうだとしたら、木戸にばれてしまうじゃないか。いやそれよりも真弓先生にだってばれることになる。
『ちょっと色々とまずすぎないか?』
僕は口から言葉が出そうなのを押さえつつ、心の中でつぶやいた。そしてやや混乱したまま正門を出てから江夏さんへ電話をかける。
「もしもし、カズです、さっきはすいませんでした。
ごっさん亭で祝勝会やってもらえるってことは木戸から聞きました。
まだ準決勝ですが本当にいいんですか?」
『うんうん、今日はお疲れさんだったな。
すごかったらしいねえ。
突然でわるいんだけど、こっちにちょっと都合があってどうしても今日じゃないとダメなんだ。
あの彼女もいっしょに連れてくるよう、吉田から香さんへお願いしてもらったから頼むよ』
「えっと、蓮根さんがいいなら僕は構いませんが……
それと先に約束があった部員が一人いるんですけど、そいつも連れて行っていいですか?
今日二本塁打打った丸山ってやつなんですけど」
『松白から二本打ったのか、そいつはすごいな。
一人くらいなら構わないと思うから連れてきなよ。
それじゃ仕事終わったら向かうから十九時半くらいにごっさん亭でな』
目の前に誰もいないのに深々と頭を下げてお礼をした僕は、咲へメールを打ってから家に向かって歩き出し、もう一度立ち止まってから木戸へも連絡を入れた。
それにしても、咲のことどうやって説明すればいいんだろうか。そんな難題について頭を悩ませていると、母さんからメールが来た。内容は簡単で、咲は母さんの友達と言う名目で連れていくそうだ。まあ嘘ではないし、父さんたちが余計なことを言わなければ問題なさそうに思える。でも木戸も丸山もほっといてくれるだろうか…… それがどうしても気になるのだった。
考えすぎても仕方ないと再び歩き出したその瞬間、背後から誰か走ってきたことに気付いた。その足音は僕の真後ろで立ち止まり、蚊の鳴くような声で話しかけてきた。
「センパイ、吉田センパイ……」
「あ、ああ、若菜さんか。
今帰り……? ではなさそうだね」
亜美は僕が学校帰りにであったにもかかわらず私服だった。そしてそれはついさっき県営球場のスタンドで見かけたパーカー姿である。やはりアレは若菜亜美だったのだ。
「はい、ちょっと、今日は…… 体調不良と言うことで学校休みましたので……
でも……」
「応援に来てくれてたでしょ?
スタンドで見かけてそうかなと思ってたんだよね。
でも学校サボるのは良くないね……」
かといって、学校へ行って授業中寝てばかりなのもどうかとは思うが……
「はい、すいません……
でも…… どうしても見たかったので……
先輩カッコよかったです……」
「そっか、ありがとうね。
次もまだあるけど土曜日だから学校はサボらないで済むね。
やっぱさ、野球部のせいで誰かになにかがあると困っちゃうんだよ」
「気をつけます……
それにしても先輩に引き換え倉片君はいいとこ無かったですね。
一年生なのに試合出てたのは凄いと思いましたけど……」
「あれ? やっぱ倉片のこと知ってるよね?
あいつ今日若菜さん見かけたこと話してた時、誰だかわからないみたいなこと言ってたのに」
「影薄いですから…… 私……
これでも倉片君は、中学で同じクラスになったことあるんですよ?」
あいつ…… 後輩ながら情けなくなってくる。野球に打ち込むのはいいけど、同じクラスだった生徒くらい、いや、高校入った後にも会って話したくらいなんだから忘れるなといいたくなる。
「じゃあそろそろ僕は帰るね。
これから両親と約束があるからちょっと急ぐんだ」
本当は事前に咲と相談したいだけなんだけど、まさかそんなことは言えっこない。とにかく理由はなんでもいいから、なるべく早くここから立ち去りたかった。
「引きとめてすいませんでした。
次も頑張ってください、ずっと応援してますから…… ふふ……」
「うん、ありがとね。
それじゃまた!」
思ってたよりあっさりと解放されて助かった。どうも亜美は何考えているかわからないところがあって、言い方は悪いけど不気味さを感じてしまう。まあ飼い犬と似ていて小さくてかわいいとは思うけど。
亜美と別れた僕は、余計なことを考えつつ小走りで家へ向かった。母さんはもう帰ってきてるって言ってたし、これから考えることもあるし、咲と二人きりになるチャンスはなさそうだ。
そんな心配をよそに、家に帰りついたら台所で咲と母さんが仲良くお茶を飲んでいて、思わず僕はずっこけそうになった。人がどれだけ心配していると思っているのか…… この二人が余裕でいる理由がわからない。
「あら、お帰りなさい。
部活なかった割に遅かったのね。
どこか寄り道でもしてたのかしら?」
「そうよ? カズ。
可愛い彼女を待たせたらだめじゃないの。
お披露目会が楽しみだわ」
「いやいやいや、木戸だけならともかく、丸山も来るんだし真弓先生がいるんでしょ?
まずいよ…… 咲はまずいと思わない?」
どう考えても約束の件とかその他もろもろ、まずいことだらけだ。かといって咲を置いていくというのは考えたくないし、僕は一体どうしたらいいのかと頭を働かせようと頑張っていた。
「私は問題ないわよ?
だっておめでたい席なんだし、きっと面白おかしく騒ぎ立てる人なんていないわよ。
何をそんなに心配しているのかしら」
「あれ? いや、咲が問題ないなら別に構わないんだけど……
他の生徒や教師に知られると困るかなあって思っただけだからさ」
咲はなぜか余裕綽々で微笑んでいる。本当に問題ないのか、それとも何か策があるのかはわからないが、僕にとって困るのは、必要以上に冷やかされることくらいだし、まあ何とかなるのかもしれない。というよりそう思いたかった。
それはそうと、なんといっても今日の咲はいつもとさらに雰囲気が違っていてステキだ。これから起こることへの心配をしつつ、目の前にいる咲を見ているうちに、さっき亜美と会ったことなんてすっかり忘れていた。
教室を出る前に咲へメールをして、今日は練習がないからすぐに帰ることを伝えた。するとそれほど立たずに返信が来て驚いてしまった。それによると、今日はごちそう作ろうと思っていたけど夜出掛ける用事が出来たので、また今度と書かれている。
今日の快投と劇的な勝利の余韻が残っていたはずなのに、すべてが無に返した気分で落胆どころの騒ぎではない。こうなったら練習へ参加してくるかと思った矢先に木戸が教室へ入ってきた。しかも騒がず黙って静かに、だ。
「おい、どうしたんだよ、黙って入ってくるなんて何かあったのか?
顔色悪いってことはなさそうだけど、お前が静かだとかえって怖くなるぞ?」
「いやあ、他に聞かれるとまずいからさ。
さっき親父から連絡があってよ、今日はごっさん亭貸し切りになったんだと。
そんでそのお客はお前の親父さんたちだって言うから教えに来たんだよ」
僕は江夏さんからの電話で、まさかそんなことを聞かされる予定だったのかとびっくりしてしまった。でもまだ決勝が残ってるのにそんな派手な事するなんて、江夏さんや父さんの性格からはちょっと想像できなかった。
「マジで!? まだ連絡して無くてこれから電話しようとしてたとこだったんだよね。
まさかそんな話になってるなんて思ってもいなかったよ。
でもなんで他のやつに知られたらまずいんだ?」
「詳しくはわからねえけど、おまえんちと師匠さんちの他にも誰か来るらしい。
だから、祝勝会ではあるけど、野球部全員呼ぶわけにもいかないってことらしいわ」
「なるほど、そう言うことなのか。
時間とかわからないし、僕も連絡してみるよ。
それじゃお前も早めに切り上げるのか?」
「んだな、元々一時間かそこいらで終わらせる予定だったし。
あとはマルマンと約束したラーメンをどう断るかが問題だ」
「まさかかた賭けしてたんじゃないよな?
くれぐれも不祥事は起こさないでくれよ?
というか、丸山だけなら呼んでも平気じゃないか?」
「どうだろな、主催はおまえんとこだから聞いてみてくれよ。
よけりゃあいつへ話すからあとでメールしてくれ」
僕は頷いて教室を出た。あれ? そう言えば咲が出かける用事が出来たと言っていたのはこのことなのか? もしそうだとしたら、木戸にばれてしまうじゃないか。いやそれよりも真弓先生にだってばれることになる。
『ちょっと色々とまずすぎないか?』
僕は口から言葉が出そうなのを押さえつつ、心の中でつぶやいた。そしてやや混乱したまま正門を出てから江夏さんへ電話をかける。
「もしもし、カズです、さっきはすいませんでした。
ごっさん亭で祝勝会やってもらえるってことは木戸から聞きました。
まだ準決勝ですが本当にいいんですか?」
『うんうん、今日はお疲れさんだったな。
すごかったらしいねえ。
突然でわるいんだけど、こっちにちょっと都合があってどうしても今日じゃないとダメなんだ。
あの彼女もいっしょに連れてくるよう、吉田から香さんへお願いしてもらったから頼むよ』
「えっと、蓮根さんがいいなら僕は構いませんが……
それと先に約束があった部員が一人いるんですけど、そいつも連れて行っていいですか?
今日二本塁打打った丸山ってやつなんですけど」
『松白から二本打ったのか、そいつはすごいな。
一人くらいなら構わないと思うから連れてきなよ。
それじゃ仕事終わったら向かうから十九時半くらいにごっさん亭でな』
目の前に誰もいないのに深々と頭を下げてお礼をした僕は、咲へメールを打ってから家に向かって歩き出し、もう一度立ち止まってから木戸へも連絡を入れた。
それにしても、咲のことどうやって説明すればいいんだろうか。そんな難題について頭を悩ませていると、母さんからメールが来た。内容は簡単で、咲は母さんの友達と言う名目で連れていくそうだ。まあ嘘ではないし、父さんたちが余計なことを言わなければ問題なさそうに思える。でも木戸も丸山もほっといてくれるだろうか…… それがどうしても気になるのだった。
考えすぎても仕方ないと再び歩き出したその瞬間、背後から誰か走ってきたことに気付いた。その足音は僕の真後ろで立ち止まり、蚊の鳴くような声で話しかけてきた。
「センパイ、吉田センパイ……」
「あ、ああ、若菜さんか。
今帰り……? ではなさそうだね」
亜美は僕が学校帰りにであったにもかかわらず私服だった。そしてそれはついさっき県営球場のスタンドで見かけたパーカー姿である。やはりアレは若菜亜美だったのだ。
「はい、ちょっと、今日は…… 体調不良と言うことで学校休みましたので……
でも……」
「応援に来てくれてたでしょ?
スタンドで見かけてそうかなと思ってたんだよね。
でも学校サボるのは良くないね……」
かといって、学校へ行って授業中寝てばかりなのもどうかとは思うが……
「はい、すいません……
でも…… どうしても見たかったので……
先輩カッコよかったです……」
「そっか、ありがとうね。
次もまだあるけど土曜日だから学校はサボらないで済むね。
やっぱさ、野球部のせいで誰かになにかがあると困っちゃうんだよ」
「気をつけます……
それにしても先輩に引き換え倉片君はいいとこ無かったですね。
一年生なのに試合出てたのは凄いと思いましたけど……」
「あれ? やっぱ倉片のこと知ってるよね?
あいつ今日若菜さん見かけたこと話してた時、誰だかわからないみたいなこと言ってたのに」
「影薄いですから…… 私……
これでも倉片君は、中学で同じクラスになったことあるんですよ?」
あいつ…… 後輩ながら情けなくなってくる。野球に打ち込むのはいいけど、同じクラスだった生徒くらい、いや、高校入った後にも会って話したくらいなんだから忘れるなといいたくなる。
「じゃあそろそろ僕は帰るね。
これから両親と約束があるからちょっと急ぐんだ」
本当は事前に咲と相談したいだけなんだけど、まさかそんなことは言えっこない。とにかく理由はなんでもいいから、なるべく早くここから立ち去りたかった。
「引きとめてすいませんでした。
次も頑張ってください、ずっと応援してますから…… ふふ……」
「うん、ありがとね。
それじゃまた!」
思ってたよりあっさりと解放されて助かった。どうも亜美は何考えているかわからないところがあって、言い方は悪いけど不気味さを感じてしまう。まあ飼い犬と似ていて小さくてかわいいとは思うけど。
亜美と別れた僕は、余計なことを考えつつ小走りで家へ向かった。母さんはもう帰ってきてるって言ってたし、これから考えることもあるし、咲と二人きりになるチャンスはなさそうだ。
そんな心配をよそに、家に帰りついたら台所で咲と母さんが仲良くお茶を飲んでいて、思わず僕はずっこけそうになった。人がどれだけ心配していると思っているのか…… この二人が余裕でいる理由がわからない。
「あら、お帰りなさい。
部活なかった割に遅かったのね。
どこか寄り道でもしてたのかしら?」
「そうよ? カズ。
可愛い彼女を待たせたらだめじゃないの。
お披露目会が楽しみだわ」
「いやいやいや、木戸だけならともかく、丸山も来るんだし真弓先生がいるんでしょ?
まずいよ…… 咲はまずいと思わない?」
どう考えても約束の件とかその他もろもろ、まずいことだらけだ。かといって咲を置いていくというのは考えたくないし、僕は一体どうしたらいいのかと頭を働かせようと頑張っていた。
「私は問題ないわよ?
だっておめでたい席なんだし、きっと面白おかしく騒ぎ立てる人なんていないわよ。
何をそんなに心配しているのかしら」
「あれ? いや、咲が問題ないなら別に構わないんだけど……
他の生徒や教師に知られると困るかなあって思っただけだからさ」
咲はなぜか余裕綽々で微笑んでいる。本当に問題ないのか、それとも何か策があるのかはわからないが、僕にとって困るのは、必要以上に冷やかされることくらいだし、まあ何とかなるのかもしれない。というよりそう思いたかった。
それはそうと、なんといっても今日の咲はいつもとさらに雰囲気が違っていてステキだ。これから起こることへの心配をしつつ、目の前にいる咲を見ているうちに、さっき亜美と会ったことなんてすっかり忘れていた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
青春
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
漫才部っ!!
育九
青春
漫才部、それは私立木芽高校に存在しない部活である。
正しく言えば、存在はしているけど学校側から認められていない部活だ。
部員数は二名。
部長
超絶美少女系ぼっち、南郷楓
副部長
超絶美少年系ぼっち、北城多々良
これは、ちょっと元ヤンの入っている漫才部メンバーとその回りが織り成す日常を描いただけの物語。
俺に婚約者?!
ながしょー
青春
今年の春、高校生になった優希はある一人の美少女に出会う。その娘はなんと自分の婚約者といった。だが、優希には今好きな子がいるため、婚約は無効だ!そんなの子どものころの口約束だろ!というが彼女が差し出してきたのは自分の名前が書かれた婚姻届。よくよく見ると、筆跡が自分のとそっくり!このことがきっかけに、次々と自分の婚約者という女の子が出てくるハーレム系ラブコメ!…になるかも?
【完結】箱根戦士にラブコメ要素はいらない ~こんな大学、入るんじゃなかったぁ!~
テツみン
青春
高校陸上長距離部門で輝かしい成績を残してきた米原ハルトは、有力大学で箱根駅伝を走ると確信していた。
なのに、志望校の推薦入試が不合格となってしまう。疑心暗鬼になるハルトのもとに届いた一通の受験票。それは超エリート校、『ルドルフ学園大学』のモノだった――
学園理事長でもある学生会長の『思い付き』で箱根駅伝を目指すことになった寄せ集めの駅伝部員。『葛藤』、『反発』、『挫折』、『友情』、そして、ほのかな『恋心』を経験しながら、彼らが成長していく青春コメディ!
*この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件・他の作品も含めて、一切、全く、これっぽっちも関係ありません。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない
七星点灯
青春
雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。
彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。
しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。
彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる