85 / 158
気の合う二人
しおりを挟む
夕飯を囲む食卓はいつもと違う緊張感に包まれていた。なんといっても目の前には咲が座っている。これで平常心を保つなんてとてもできないだろう。
母さんはなぜか知らないが異常なくらいにご機嫌で、咲も楽しそうに話をしている。僕はその話の輪に入ることができずに、黙々と肉じゃがを食べながら耳を傾けるのみだ。
「吉田君、肉じゃがおいしくできているかしら?
シャケにはこのアボカドのタルタルを合わせて試してみて」
咲が僕の事を吉田君と呼ぶなんてなんだかむず痒い感じがするけど、ここは僕の家で母さんもいる前では仕方ない。
肉じゃがはこの前よりもまろやかでとてもうまい。アボカドのタルタルなるものはクリームみたいなまろやかさにパセリとお酢の風味が効いていて意外な味だがこちらもうまかった。
「うん、これはうまいね。
アボカドってあんまり食べないけど魚にあうもんなんだなあ。
肉じゃがもうまいよ。
なんというか普通の味って感じでさ」
「カズ、そんな言い方。
まったく褒め方がなってないわよ。
咲ちゃんが初めて作ったんだからもっと気の利いた言い方しなさいよ」
母さんはそう言うが、これが初めてじゃないことを僕は知っている。確かに褒め方はいまいちだったかもしれないが、こないだのようにしょっぱい感じじゃなくて本当に普通の、安心できる味だったのだ。
「カオリ、気にしないで。
私は上手に出来たと思ってるし、おいしくないってことじゃないならひと安心だから」
「あらそう?
でも咲ちゃんは凄く手際がいいわね。
包丁の使い方もきれいで驚いたわ。
お母さんに教わったのかしら?」
「ええ、母はあまり料理はしないけど、するときは結構凝ったものを作るの。
でも父は食べることにそれほど興味を持たない人なので、手をかけるのはもっぱらホームパーティの時くらいかしら」
「ホームパーティ!
なんだか素敵な響きねえ」
そんな感じでまた女子トークに突き進んでいく二人だった。僕はまた食べることしかすることがなくなり、ご飯をおかわりしつつ満腹になるまでほぼ無言で食べ続けた。
夕飯が終わりお茶を飲んでいると、また咲から話しかけてきた。
「吉田君、英語の勉強はどうする?
今日はお休みにするかしら?」
「あ、ああ、僕としてはあまり気が進まないんだけど、やらないと真弓先生がうるさいしなあ。
しかもいつまで経っても幼児教育から進めなそうで気が重いよ」
「あらカズったら勉強まで教わってるの?
咲ちゃんは英語もできるのね、すごいわあ」
まったく、容姿端麗で頭も悪くないようなのになんでナナコーへ入ったのか不思議なくらいだ。自分が通っている高校を悪くいうつもりはないが、お世辞にも学業に力が入っている学校ではない。
家から近いから選んだのか、それともまさか僕がいるから入って来たのか。いや、それは考えすぎだとしても本当に不思議な選択と言えるだろう。
「じゃあこれから家でお勉強する?
カオリ、一時間くらい大丈夫?」
「そうね、カズなら女の子になにかする心配もないし、咲ちゃんがいいならいいんじゃない?
帰りにみりんとお茶を持っていくの忘れないでね」
「ありがとう。
みりんがないとおいしい煮物ができないことがわかったわ。
これからもお願いします」
「もちろんよ、無くなりそうになったら遠慮しないで言ってね。
それと一人の時はうちに来て夕飯一緒に食べていいからね。
どうせうちの人が帰ってくるのは遅いし、めったに夕飯も食べないから作り甲斐もないのよ」
「うふふ、ありがとう。
でもそうしたら毎日来てしまうことになるかもね」
「毎日でもいいわよ。
私も洋風でおしゃれな料理教えてもらえるし大歓迎」
こりゃいつまでたっても話が終わりそうにない。僕は時間が遅くなるからといって口を挟み、まだしゃべり足りなそうな母さんを置いて家を出た。
◇◇◇
咲の家のリビングで改めて紅茶を出された僕は、なんと言ったらいいか考え込みながらカップに口をつけていた。
まったく母さんがやたらめったらに話しかけて咲も大変だっただろう。そう言えば久美義姉さんが家に来た時もあんな感じだったなと思い出し思わず顔がにやけてしまった。
「なあに? へんな笑い方して」
咲が教材をもってリビングへ戻ってきた。
「いやさ、母さんがあんなにしゃべりまくってるのに普通に受け答えしてた咲は凄いなって思ってさ。
迷惑じゃなかったならまあ良かったよ。
意外だったけど結構話好きだったりするの?」
「そんなこと?
私は別に無口なわけじゃないわよ。
学校では話すことも相手もいないだけ、かな」
「そっか、そういや小町とも結構話したみたいじゃん?
ボランティアって言ってたけど、咲もなにかするつもり?」
メールでは何となく聞いていたけど、実際に咲が何か行動するのかには少し興味があった。
「今のところ聞いているのは翻訳のチェックだけよ。
あの子ってすごく真面目な子なのね」
「小町が?
でも聞く話だと繁華街うろついて遊んでることが多いって話だけどな。
人の噂なんてあてにならないもんだね」
「そうよ、私だって周囲からなんて思われているかわからないわよ。
誰とも話をしない近寄りがたい転入生って扱いに感じるわ」
そう言いながら僕のすぐ近くまで近寄ってきた。
「本当は、クラスの中でただ一人とはこんなに近い存在なのにね」
咲の顔が僕にゆっくりと近づいてくる。そして数日の間久しかった咲の唇の柔らかさを改めて感じた。
「少しだけよ。
キミはじっとしているだけでいいの」
いったん唇を離した咲がささやくようにつぶやいた。僕は無言で頷き、咲のするままに身を任せた。
触れたり離れたりを数度繰り返しながら咲の吐息で僕の頭の中が満たされていく。そんな感覚が心地よくてたまらないのだ。
最後に僕の唇を軽く噛み、戸惑う僕の顔を見つめてから少し長いキスをして咲は体を離した。
「はい、今日はこれでおしまい。
明日からも練習あるしね」
「練習? ああ僕の部活の事か。
それって本当に関係あるの?」
そう言いながらも、僕は確かに力のみなぎり方が変わってくることを知っている。一体どういう仕組みでそうなるのかはわからないが、咲とキスをした翌日は調子の良し悪しがはっきりと表れるのだ。
「関係あるかどうか、それはキミが自分の調子を見て信じるかどうか決めたらいいわ。
私はキミから精気を分けてもらって、それをまた戻しているだけよ」
相変わらず訳が分からないが、それが僕自身の調子に影響しているのは事実だし、このことに関しては咲の言う通りにしておこうと思っている。
「でもさ、僕は僕の力で高みを目指したいしそうしているつもりなんだよ。
咲の力を借りないとこの先勝ち進んでいくことができない選手になんてなりたくないんだ」
「それは違うわ。
あくまでキミの力はキミが持っている以上に出せるわけじゃないの。
ただし、いざという時に持っている力のすべてを出し切れるかと言うのは別問題でしょ?」
「う、うん、まあそうだけどさ……
それは前も聞いたからわかってるつもりだよ」
「だからね、キミはいつもと同じかそれ以上に練習に励めばいいの。
その積み重ねがきちんと発揮できるよう、私はほんの少しお手伝いをするだけよ。
君の好きな言葉、自分を知って信じて、そして過信しなければ結果はついてくるんじゃないかしら」
ここで咲の口から僕の座右の銘が出てくるのは意外だった。自分が掲げていること、心に誓っていることを人から言われるとまた違う印象を受けるものなのか、妙に説得力を感じて僕は納得することにした。
真剣に頷いている僕へ咲が再び声をかける。
「さあ、自分を信じてお勉強しましょうか。
積み重ねていけば英語だってきっと簡単よ」
たった今納得し誓いなおしたはずの座右の銘は、英語に関しては僕を苦しめる言葉に変わっていた。
母さんはなぜか知らないが異常なくらいにご機嫌で、咲も楽しそうに話をしている。僕はその話の輪に入ることができずに、黙々と肉じゃがを食べながら耳を傾けるのみだ。
「吉田君、肉じゃがおいしくできているかしら?
シャケにはこのアボカドのタルタルを合わせて試してみて」
咲が僕の事を吉田君と呼ぶなんてなんだかむず痒い感じがするけど、ここは僕の家で母さんもいる前では仕方ない。
肉じゃがはこの前よりもまろやかでとてもうまい。アボカドのタルタルなるものはクリームみたいなまろやかさにパセリとお酢の風味が効いていて意外な味だがこちらもうまかった。
「うん、これはうまいね。
アボカドってあんまり食べないけど魚にあうもんなんだなあ。
肉じゃがもうまいよ。
なんというか普通の味って感じでさ」
「カズ、そんな言い方。
まったく褒め方がなってないわよ。
咲ちゃんが初めて作ったんだからもっと気の利いた言い方しなさいよ」
母さんはそう言うが、これが初めてじゃないことを僕は知っている。確かに褒め方はいまいちだったかもしれないが、こないだのようにしょっぱい感じじゃなくて本当に普通の、安心できる味だったのだ。
「カオリ、気にしないで。
私は上手に出来たと思ってるし、おいしくないってことじゃないならひと安心だから」
「あらそう?
でも咲ちゃんは凄く手際がいいわね。
包丁の使い方もきれいで驚いたわ。
お母さんに教わったのかしら?」
「ええ、母はあまり料理はしないけど、するときは結構凝ったものを作るの。
でも父は食べることにそれほど興味を持たない人なので、手をかけるのはもっぱらホームパーティの時くらいかしら」
「ホームパーティ!
なんだか素敵な響きねえ」
そんな感じでまた女子トークに突き進んでいく二人だった。僕はまた食べることしかすることがなくなり、ご飯をおかわりしつつ満腹になるまでほぼ無言で食べ続けた。
夕飯が終わりお茶を飲んでいると、また咲から話しかけてきた。
「吉田君、英語の勉強はどうする?
今日はお休みにするかしら?」
「あ、ああ、僕としてはあまり気が進まないんだけど、やらないと真弓先生がうるさいしなあ。
しかもいつまで経っても幼児教育から進めなそうで気が重いよ」
「あらカズったら勉強まで教わってるの?
咲ちゃんは英語もできるのね、すごいわあ」
まったく、容姿端麗で頭も悪くないようなのになんでナナコーへ入ったのか不思議なくらいだ。自分が通っている高校を悪くいうつもりはないが、お世辞にも学業に力が入っている学校ではない。
家から近いから選んだのか、それともまさか僕がいるから入って来たのか。いや、それは考えすぎだとしても本当に不思議な選択と言えるだろう。
「じゃあこれから家でお勉強する?
カオリ、一時間くらい大丈夫?」
「そうね、カズなら女の子になにかする心配もないし、咲ちゃんがいいならいいんじゃない?
帰りにみりんとお茶を持っていくの忘れないでね」
「ありがとう。
みりんがないとおいしい煮物ができないことがわかったわ。
これからもお願いします」
「もちろんよ、無くなりそうになったら遠慮しないで言ってね。
それと一人の時はうちに来て夕飯一緒に食べていいからね。
どうせうちの人が帰ってくるのは遅いし、めったに夕飯も食べないから作り甲斐もないのよ」
「うふふ、ありがとう。
でもそうしたら毎日来てしまうことになるかもね」
「毎日でもいいわよ。
私も洋風でおしゃれな料理教えてもらえるし大歓迎」
こりゃいつまでたっても話が終わりそうにない。僕は時間が遅くなるからといって口を挟み、まだしゃべり足りなそうな母さんを置いて家を出た。
◇◇◇
咲の家のリビングで改めて紅茶を出された僕は、なんと言ったらいいか考え込みながらカップに口をつけていた。
まったく母さんがやたらめったらに話しかけて咲も大変だっただろう。そう言えば久美義姉さんが家に来た時もあんな感じだったなと思い出し思わず顔がにやけてしまった。
「なあに? へんな笑い方して」
咲が教材をもってリビングへ戻ってきた。
「いやさ、母さんがあんなにしゃべりまくってるのに普通に受け答えしてた咲は凄いなって思ってさ。
迷惑じゃなかったならまあ良かったよ。
意外だったけど結構話好きだったりするの?」
「そんなこと?
私は別に無口なわけじゃないわよ。
学校では話すことも相手もいないだけ、かな」
「そっか、そういや小町とも結構話したみたいじゃん?
ボランティアって言ってたけど、咲もなにかするつもり?」
メールでは何となく聞いていたけど、実際に咲が何か行動するのかには少し興味があった。
「今のところ聞いているのは翻訳のチェックだけよ。
あの子ってすごく真面目な子なのね」
「小町が?
でも聞く話だと繁華街うろついて遊んでることが多いって話だけどな。
人の噂なんてあてにならないもんだね」
「そうよ、私だって周囲からなんて思われているかわからないわよ。
誰とも話をしない近寄りがたい転入生って扱いに感じるわ」
そう言いながら僕のすぐ近くまで近寄ってきた。
「本当は、クラスの中でただ一人とはこんなに近い存在なのにね」
咲の顔が僕にゆっくりと近づいてくる。そして数日の間久しかった咲の唇の柔らかさを改めて感じた。
「少しだけよ。
キミはじっとしているだけでいいの」
いったん唇を離した咲がささやくようにつぶやいた。僕は無言で頷き、咲のするままに身を任せた。
触れたり離れたりを数度繰り返しながら咲の吐息で僕の頭の中が満たされていく。そんな感覚が心地よくてたまらないのだ。
最後に僕の唇を軽く噛み、戸惑う僕の顔を見つめてから少し長いキスをして咲は体を離した。
「はい、今日はこれでおしまい。
明日からも練習あるしね」
「練習? ああ僕の部活の事か。
それって本当に関係あるの?」
そう言いながらも、僕は確かに力のみなぎり方が変わってくることを知っている。一体どういう仕組みでそうなるのかはわからないが、咲とキスをした翌日は調子の良し悪しがはっきりと表れるのだ。
「関係あるかどうか、それはキミが自分の調子を見て信じるかどうか決めたらいいわ。
私はキミから精気を分けてもらって、それをまた戻しているだけよ」
相変わらず訳が分からないが、それが僕自身の調子に影響しているのは事実だし、このことに関しては咲の言う通りにしておこうと思っている。
「でもさ、僕は僕の力で高みを目指したいしそうしているつもりなんだよ。
咲の力を借りないとこの先勝ち進んでいくことができない選手になんてなりたくないんだ」
「それは違うわ。
あくまでキミの力はキミが持っている以上に出せるわけじゃないの。
ただし、いざという時に持っている力のすべてを出し切れるかと言うのは別問題でしょ?」
「う、うん、まあそうだけどさ……
それは前も聞いたからわかってるつもりだよ」
「だからね、キミはいつもと同じかそれ以上に練習に励めばいいの。
その積み重ねがきちんと発揮できるよう、私はほんの少しお手伝いをするだけよ。
君の好きな言葉、自分を知って信じて、そして過信しなければ結果はついてくるんじゃないかしら」
ここで咲の口から僕の座右の銘が出てくるのは意外だった。自分が掲げていること、心に誓っていることを人から言われるとまた違う印象を受けるものなのか、妙に説得力を感じて僕は納得することにした。
真剣に頷いている僕へ咲が再び声をかける。
「さあ、自分を信じてお勉強しましょうか。
積み重ねていけば英語だってきっと簡単よ」
たった今納得し誓いなおしたはずの座右の銘は、英語に関しては僕を苦しめる言葉に変わっていた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない
七星点灯
青春
雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。
彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。
しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。
彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる