樹くんの甘い受難の日々

生梅

文字の大きさ
上 下
13 / 103
第一章

13.奥がさみしい

しおりを挟む
「おはよ…」



寝起きで少し掠れた声で雅樹が言う。



「はよ。今なんじだろ?てか暑い。苦しい」



ん~~と言いながら俺の頭に頬ずりしてどこうとしない。



「あちぃってば!」

「樹が冷たい…」

「いや冷たいとかじゃなくてだな…」



ちぇーと言いながら俺と自分の体にかかっている勝の腕をどかした。



「勝、起きろ。その足をどかせ」

「…」



俺の足に巻きつけている足が重くて邪魔だ。



「こいつ、寝起き悪ぃんだよな~」



雅樹がそう言いながら容赦なく勝をゲシゲシと足蹴にして

俺の体から引きはがす。

けっこう痛いと思うんだが、勝は全然目を覚まさない。



「樹、体どう?辛くない?」



そう言われて、寝る前の雅樹たちの所業を思い出した。



「…体は平気だけど精神がヤバい」

「ごめん。でも、ありがとう」

「八つ当たり入ってる。ごめん」

「うん」



ぎゅっと抱きしめられた。



「やっぱ樹って、なんか甘い香りがする」

「勝もそう言ってたけど、俺自身は分からん」

「樹の体臭好き」



そう言いながらくんくん嗅がれた。



「あんまり嗅ぐなよ」

「だって好きなんだもんさ」

「んっ」



耳の裏を嗅がれてぞくぞくしたものが腰に走る。



「樹、ここ本当に弱いよね」

「分かってるなら、そこ刺激するな…よぉ。ふぅ…ん」

「その甘い声聞いたら無理」



ちゅっちゅっとリップ音が鳴って、その度に腰がびくびくする。そのまま顔にちゅっとされて見つめ合った俺らはキスをした。雅樹のキスは優しくて、でもねっとりとしてて気持ち良い。

じゅるっ…ちゅぱっ…て音が聞こえてどんどん体が熱くなってきたのが分かった。



「はん…あっ…ん…んんんっ。あぁ…」



断続的に甘い声が聞こえるなと思ったら俺の声だった。

自覚したら、体がカッと燃えるように熱くなって、頭がぼうっとしてきた。



「樹、腰が動いてるよ」



いつの間にか雅樹の膝の上に乗せられていて、

自分のケツを雅樹の膝にすりすりしていた。



「樹…お尻触って欲しい?」

「うん…」

「いい子」



くにくにと雅樹の指が俺の肛門を触りだすと、

甘い刺激が走って、もっともっと触って欲しくなった。



「まさきぃ…もっとぉ」

「ん?中がいいの?」

「うん。中いっぱい触って?」

「…くぅぅ!小首を傾げるとか可愛すぎかよ」



俺はもう、雅樹にもっと奥を触って欲しくてたまらない。

雅樹がベッドボードに置いてあるローションの蓋をキュポッと開けて手に取った。俺はそれだけでこの後の快感を想像してめちゃくちゃ感じて腰がぶるっと震えた。



「感じちゃったの?顔がすっごい蕩けてて可愛い」



優しい声とは裏腹に雅樹の目がギラギラとして雄を感じさせる。

それを見て更に感じてしまう。

くるりと入口を撫でられて高い声が出た。

ぬくっと指が入ってきて中を撫でる。



「あっあっあっ…やぁん!」

「ここ、好きでしょ?」

「あぁぁ!やっ!あぁ!」

「もう指3本も入っちゃったよ」



欲と嬉しさを滲ませた声が耳元で囁く。

最初の頃は違和感しかなかったヶ所が、今はそこを撫でられたり押されたりすると気持ち良くて思わず雅樹の指をきゅっと締めた。



「樹…樹…可愛い。すごい可愛い」



男が可愛いって言われても全然嬉しくないし、

それを言っているのが男とか更に嬉しくない…んだけど、

雅樹と勝に言われると、なんだかじわーっと満たされるものがある。



「樹、お尻をこっちに向けて俺に跨って」

「ん…」



所謂69の体勢にモソモソと移動する。



「うわー…エロ。

ローションが垂れててお尻の穴がヒクヒクしてる」

「言わないでよぅ…」

「しまった。樹の可愛いココ、舐めたかったのに…」

「あぁっ!」



ココ、と言いながら穴に指をぬぷっと入れた。

そのまま指をぐちゃぐちゃと出し入れしながら俺のちんこを器用に扱いている。



「やら!やら!あぁぁぁん!」

「もっと声聞かせて?」



雅紀の指が、ググッと1番感じるポイントを押した。



「はぁん!あっあうっ!ああっ!きもちいい…もっとしてぇ」

「これ、好きだよね?」



トントントン



「とんとんしちゃやぁ!」

「好きでしょ」

「あっあっあっ…あんっ!はっ」



目の前に、カチンコチンになった雅紀のちんこがあった。

俺は、気持ち良いのと口寂しくて雅紀のちんこを頬張った。



「樹…!あぁぁぁ…もう!すぐ入れたくなっちゃうでしょ!」

「じゅぼっぞぶっじゅっぽ…ん…ふ…これ好きなの」

「あかん…樹のエロさが暴力的」



しばらくしゃぶっていて、ふと

指だけでも気持ち良いけど、もっと奥を満たすには足りない。もっと奥に欲しい。

これ、入れたらどうなるんだろう?



と思ってしまった。

そう、思ってしまったのだ。俺は。

脳みそが快楽に支配されて、完全にバカになっていたのだ。

だから、俺は言ってしまった…。



「まさきぃ…これ、奥に欲しい」

「たっ…たつ…」



雅樹は一瞬呆けた顔をして俺の言葉を理解したあと

顔を真っ赤にして口をパクパクした。



「らって、奥がさみしいんらもん…」



雅樹のちんこをむちゅむちゅと舐めながら言った。



「これ、欲しいんらもん…」

「がはぁっ!まさかの展開!こんな展開予想してなかった…!」



雅樹が何やらぶつぶつ言っているが、これが中に入ったらどれだけ気持ち良いのか考えながら夢中で舐めた。

そして、これが入るのだと思うとぞくぞくして頭が痺れるような酩酊感に酔った。



そう。俺は、完全に頭がイってしまっていたのだ。

この時の俺は、雅樹ので埋めてもらう事しか考えてなかった。

バカになっていたのだ。

大事な事なので2回いった。



「あぁぁ。ヤバい。興奮しすぎてイきそう」



雅樹があたふたと俺の下から這い出て俺をころんとひっくり返す。



「樹、本当に本当にいいの?俺、入れちゃうよ?

絶対やめないよ?」

「ん。欲しいの」

「ふんぐっ!」



雅樹が胸を抑えてはぁはぁと苦しそうに息をしている。



「エロスイッチの入った樹、すげぇ破壊力…殺される」

「まさき、やら?入れてくれないの?」

「入れるいれる!何としてでも入れるっ!!」



「…おい」



低い声が聞こえた。



「お前ら、俺をすっかり忘れているだろ」

「あ。ごめん。忘れてた」



雅樹が即答した。



「だよな。2人の世界になってたもんな。

…まぁ、でもいいぜ。樹の処女はお前にやる」

「え!いいの?!言質を取ったからもうダメだよ?」

「秒かよ。いいよ。今回の功労者は雅樹だしな」

「勝…お前、たまにイイ奴になるな」

「たまには余計だ」

「…樹、俺のこれ入れるね?痛かったら言うんだよ?」

「あっ」



これ、と言いながら俺の肛門にちんこをちゅっとした。

それだけで期待で腰が震えて思わず甘い声が出た。



「樹可愛い。感じちゃったの?」



にゅぷにゅぷとローションを馴染ませながら亀頭を少しだけ出し入れする。

ぐぐっと圧倒的な質量の物が入ってきて、あまりの圧迫感と排泄感に息がつまる。



「樹、ゆっくり呼吸して?止めちゃだめ」

「ふぐっ…苦しいよぉ」

「うん。苦しいね?でも頑張ろ?きっと気持ち良くなるから」

「んっ」



萎れてしまった俺のちんこを勝がかぽっと咥えた。

じゅるじゅるじゅぽじゅぽと音を立てて舐める。



「はっ。あっあっああ」



圧迫感はあるものの、馴染ませるためか雅樹が先に進まずいてくれるからフェラの気持ち良さに意識が向いて、またかちかちに勃った。

それを見た勝はちんこを扱きながら、乳首を舐め始めた。



「きもち…気持ちいい。ん…ふっ」



ぐぐぐっとまた奥に進む。

これを何度も何度も繰り返した。

そして、雅樹の腰が俺のケツにくっ付いた。



「はぁ…全部入った」



汗をたらしながら雅樹が嬉しそうに言った。

その笑顔を見たら、キューンとして同時に雅樹のちんこをぎゅっと締めてしまった。



「樹…締まったよ。きもちい?」

「まさきにキュンとした」

「「はっ?!」」

「樹…俺は樹に転がされてる…胸が苦しい」

「俺は?!樹、俺にはキュンとしないの?!」



脱・処女もやっぱり騒がしい俺らだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生皇太子は、虐待され生命力を奪われた聖女を救い溺愛する。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

結婚10年目で今更旦那に惚れたので国出したら何故か他国の王太子に求婚された件。~星の夢2~

愛早さくら
BL
結婚して10年……初めは好きではなかったはずの旦那に今さら惚れてしまっていたたまれなくなってきたので、子供たちも大きくなってきたことだしと、俺は留学する長女(養子)に護衛として着いていって……――つまり国出することにした。もちろん、旦那には内緒で! 主人公のティアリィが、今更な恋心耐えきれなくなってきた頃、養子にした長女のピオラが嫁ぐ予定の国へと留学することになった。 心配でもあるしちょうどいいと旦那に内緒で護衛に扮して着いていくことにして……――何故か年甲斐もなく学生生活を送る羽目に! その上、他国人でありながら国を揺るがす陰謀に巻き込まれていって?! 果たしてティアリィは無事に旦那の元へ帰れるのか? また、ピオラの婚姻は? ・過去作「婚約破棄された婚約者を妹に譲ったら何故か幼なじみの皇太子に溺愛されることになったのだが。」及び「悪役令息?だったらしい初恋の幼なじみをせっかく絡めとったのに何故か殺しかけてしまった僕の話。」の10年後の話です。※この2本は視点が違うだけで同じお話。 ・上記2本と違い、今回は視点がころころ変わる予定です。 ・本文も一人称と三人称が混在するかも。 ・他国に嫁ぐ前提で嫁ぎ先の国へ留学するピオラに黙って無許可に着いていったティアリィが他国で無双する話。になる予定。 ・もちろん殿下に了承なんて得てない。 ・何故かピオラの婚約者予定の留学先の王太子に惚れられる。 ・男性妊娠も可能な魔力とか魔術とか魔法とかがある世界です。 ・主人公のティアリィは養子含めて5人の子持ち。 ・相変わらずのありがちな異世界学園悪役令嬢婚約破棄モノ(?)になります。 ・微ざまぁ的な展開も無くはないですが、そこまで心底悪い悪人なんて出てこない平和な世界で固定CP、モブレ等の痛い展開もほとんどない、頭の中お花畑、ご都合主義万歳☆なハッピーハッピー☆☆☆で、ハピエン確定のお話なので安心してお楽しみください。 ・プロポーズしてくる王太子は当て馬で旦那とは別れません、固定CPです。 ・R18描写があるお話にはタイトルの頭に*を付けます。

よくある婚約破棄なので

おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。 その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。 言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。 「よくある婚約破棄なので」 ・すれ違う二人をめぐる短い話 ・前編は各自の証言になります ・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド ・全25話完結

義兄に告白されて、承諾したらトロ甘な生活が待ってました。

アタナシア
恋愛
母の再婚をきっかけにできたイケメンで完璧な義兄、海斗。ひょんなことから、そんな海斗に告白をされる真名。 捨てられた子犬みたいな目で告白されたら断れないじゃん・・・!! 承諾してしまった真名に 「ーいいの・・・?ー ほんとに?ありがとう真名。大事にするね、ずっと・・・♡」熱い眼差を向けられて、そのままーーーー・・・♡。

ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)

三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。 各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。 第?章は前知識不要。 基本的にエロエロ。 本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。 一旦中断!詳細は近況を!

夢だと思ってたよ・・・・・

ぴよ
BL
夢だと思っていたら、実は転生していたアーシェ 超絶美形の家族に溺愛され成長していく。 ・・・溺愛っぷり、何かおかしくないですかね? この世界も何でしょうか? ってか自分、養子の上、どー見てもモブだよね。 実は乙女ゲームの世界で、スチルの片隅の通行人モブ?そんなの気付かないよ!

乙女ゲームの攻略対象者から悪役令息堕ちポジの俺は、魂の番と幸せになります

生梅
BL
前世ヤリチンの俺が転生したのはハマっていた乙女ゲームの世界だった。 記憶を取り戻す前の俺は1周目で最推しにサックリ斬られて殺された。 2周目で魂の番と出会って、乙女ゲームのシナリオから外れて番と共に幸せになる事をモットーに 日々精進するも、幼き頃に生き別れた番はヒロインの傍に侍っていた……! しかも互いに「初恋の君」として。 遠くから幸せを願う———なんてそんなの無理! 「ねぇ、俺だよ!俺!君の運命は俺だってばーー!」 つれない番を相手に日々奮闘する悪役令息の運命やいかに。 ※濡れ場はガッツリめですが、中盤以降になる予定

処理中です...