とある国の第2王子

菜河童

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異世界には天使がいます

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高校の帰りのバスの中での出来事、いつもの様に席に座って寝ていた。
そして、目が覚めたら異世界にいた。

大きい城の中庭で大の字になっている 

「ふふふ、この俺を退屈な日常から抜け出させてくれたやつに感謝だ…って…え?夢だよね!?」
 
俺は、何度も頬をつねって見るけど景色は変わらない。

「えーっと…」

そうこうして困っているうちに、城の中から中庭に向けて誰か歩いてくる!

「うぉ!」
現実逃避しても仕方がない、此処はいったん隠れ…

「おい!誰だそこに居るのは」

「うぎゃっ…はいっ?」

うわぁ、ばれたよ
このパターンは、異世界に来た途端凄い事に巻き込まれるっていう王道だよ

恐る恐る顔を上げてみると、そこには…

「うわっ、黒い翼!?」

そう、そこには黒い翼をもった男が立っていた。
 
しかし、相手はそう言われるのが不服らしく
「何か文句があるのか?」
と、静かに距離を詰めていく。

こ、怖い…
「も、文句なんて無いですよ、ただ良いなぁと思って…」

「ふぁ?」
と、相手は凄く間抜けな顔をした

「いやいや、格好いいじゃないですかー黒い翼、憧れますよ!」

「……ありがとう。小さい時もそうだったよな、誉めてくれるのはお前だけだった」

「え?」
ん?急に何を言っているのだろうかこの人は…
そして、今更気付いたけれど何このイケメン!学校にいたら間違いなくモテてるやつだわぁ

「ん?さっきから何言っているだ?」

しまった、自分の世界に入りかけてた!
「うわぁ、ごめんなさい!」

困った顔で相手が口を開きかけた時

「シオン様ー!」
っと猛烈にこちらに向けて走ってくる


すると、相手が今までとは違い凄い疲れた顔になった。

「うぉ、こっちは白い翼っ!?」
びっくりして固まっていると

あっという間に白い翼をもった人が走って来た!
「シオン様ー!中々部屋から出られないから心配しました!遂に第2王子の自覚をもたれたとかっ!…あれこのお方は?」

「え?シオン様?第2王子?」  
うーん、要するに…王子様!?

こうして考えている間に話が進んでいき…

「あー客人だ、急いで部屋をとってくれ、もう俺は疲れたから部屋で休む」

「はいっ!了解しました」

ん?今客人って言ったよね。少ししか話してないのに泊めてくれるのか…
ちょっと楽しみーって勝手に喜んでいる場合じゃなかった、とにかく礼を言わなければ…

「ありがとうございます。シオン様」  

すると、シオン様はびっくりした顔で
「いや、大したことはない」
と言った後にずかずかこちらまで歩いてきた。

そして、
「…後、シオンで良い」
と呟かれた。

「あ、はいっ」
いやいや、王族の人を呼び捨てになんて…
でも本人が良いって言うんだったら良いか……

って、大切なこと忘れているよ

「俺の名前はー」

「カケルだろう?」

「え?」
何で俺の名前を知っている?

「当然だろう?」
と呆れられた。

やだ怖い、最近の天使様はみんな透視能力が備わっているのかなぁ?それとも…


「カケル様ー行きましょう!」

うわ、また自分の世界に入りかけてたよ
気付いた時にはシオンはいなかった
「お願いします」
ってこっちも今さらながら凄くイケメン…

此処は、イケメンしかおらんのかぁ!

「カ、カケル様っ?」

おっと、取り乱した
「いやいや、ここの国の天使は皆格好いいなぁと思ってさ」

「カケル様は可愛いじゃないですか」

え?可愛い?うわぁ、この人ヤバい人だ…
男子高校生に可愛いという人は、大体ヤバい人しかいないんですよー

何て雑談しながら、城の中を歩いていたが青いドアの前で止まった

「ここがカケル様のお部屋です。好きに使って下さいね」
   
「わざわざありがとう。それと、わざわざ様をつけなくても良いよ」

「え?良いんですか?」

「全然良いよ、で遅くなったけど君の名前は…?」

「ルイです。その…呼び捨てはどうしても出来ないのでさん付けでどうですか?」

「良いよ、ルイ君これからも宜しくね」

「はいっ、では失礼します」

「ありがとう」

こうして、俺は青いドアに手をかけた。
さぁ、新しい物語の始まりだ!何てね
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