3 / 40
第1章 始まり
3話 この世界
しおりを挟む
気がつくとリュウジンは噴水のある街中の大きな広間にいた。
(ここが帝国ってことか。たしか凛の奴、まずは冒険者ギルドと武器屋に行けって言ってたな。
場所がわからんがとりあえずそこらへんの奴に聞くか。)
大きな広間だけあってNPCもプレイヤーも数多く存在した。
「そこのご婦人、すまんが冒険者ギルドの場所を教えてくれんか?」
適当に前を通った女性に声をかけた。
突然話しかけられた女性は驚きつつも、質問の内容を理解すると教えてくれた。
「え? えっと、この道をまっすぐいってあそこに見える緑色の看板を左に曲がってまっすぐ行けばおそらくわかると思います。」
「ありがとう。助かった」
「い、いえ」
お礼を言うと即座に冒険者ギルドに向かっていった。
すると
――きゃああああああああ
と女性の悲鳴が聞こえてきたので、そちらを向くと今にも街中を爆走している馬車に跳ねられそうな小さな子供が道の真ん中にいた。
リュウジンは考えるよりも前に駆け出し、間一髪のところで子供を救うことができた。
「な、何だあの馬車は」
怒りの表情でリュウジンが呟いていると
一人の女性が走ってきて
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
と何度もお礼を言いながら子供を抱きしめている。
「あまり子供から目を離さんことだな」
と言いその親子への興味は既になくなっていた。
「ありゃ、アファルド侯爵家の馬車だな」
と見知らぬおっさんが話しかけてきた。
「街中であのような運転をしても咎められんのか?」
「ふん、お貴族様が平民を1人轢き殺したところで俺らは何も出来やしねぇからな。」
「だが、この中に貴族がいる可能性もあるだろ?」
「お貴族様は基本貴族街から出てこねぇからな。平民の店なんぞに用なんざ無いからこんなところに貴族がいることなんて滅多にねぇよ」
「なるほど」
そうしてこのゲームの設定について考えていると
「それより、さっきの動き見ていたがなかなかやるじゃねぇか兄ちゃん。今度どこかで一杯どうだ?その気になったら俺は大抵この先の『ウォッカムの酒場』にいるから声かけてくれや」
そう言っておっさんは去っていった。
すると視界の端にアイコンが出てきたのでタップしてみると
――ロデムを訪ねようーー
内容:ロデムを訪ねる
頻出場所:ウォッカムの酒場
報酬:ドリンク1杯、依頼
期限:無期限
―――――――――
「なるほど。こういった感じでクエストが生まれるのか、相当自由度が高いんだな。それにぱっと見じゃNPCかプレイヤーなのかわからんな。」
(本当に1つの世界にいるようだな。たしかNPCは一度死んだら蘇らんと言っていたな。あの時子供が轢かれていたらあの子供は2度と蘇らなくてあの母親は子供を失った状態でこれから生活していくわけか・・・。なるほど、決まった未来ではなくプレイヤーとNPCの選択で世界が作られていくわけか。ん?・・・となると、モンスターも一度殺すと2度と蘇らん可能性もあるのか?そうなると強敵には早めに挑まんといかんな。)
そう思いながら当初の予定通り冒険者ギルドに向かって歩き出した。
(ここが帝国ってことか。たしか凛の奴、まずは冒険者ギルドと武器屋に行けって言ってたな。
場所がわからんがとりあえずそこらへんの奴に聞くか。)
大きな広間だけあってNPCもプレイヤーも数多く存在した。
「そこのご婦人、すまんが冒険者ギルドの場所を教えてくれんか?」
適当に前を通った女性に声をかけた。
突然話しかけられた女性は驚きつつも、質問の内容を理解すると教えてくれた。
「え? えっと、この道をまっすぐいってあそこに見える緑色の看板を左に曲がってまっすぐ行けばおそらくわかると思います。」
「ありがとう。助かった」
「い、いえ」
お礼を言うと即座に冒険者ギルドに向かっていった。
すると
――きゃああああああああ
と女性の悲鳴が聞こえてきたので、そちらを向くと今にも街中を爆走している馬車に跳ねられそうな小さな子供が道の真ん中にいた。
リュウジンは考えるよりも前に駆け出し、間一髪のところで子供を救うことができた。
「な、何だあの馬車は」
怒りの表情でリュウジンが呟いていると
一人の女性が走ってきて
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
と何度もお礼を言いながら子供を抱きしめている。
「あまり子供から目を離さんことだな」
と言いその親子への興味は既になくなっていた。
「ありゃ、アファルド侯爵家の馬車だな」
と見知らぬおっさんが話しかけてきた。
「街中であのような運転をしても咎められんのか?」
「ふん、お貴族様が平民を1人轢き殺したところで俺らは何も出来やしねぇからな。」
「だが、この中に貴族がいる可能性もあるだろ?」
「お貴族様は基本貴族街から出てこねぇからな。平民の店なんぞに用なんざ無いからこんなところに貴族がいることなんて滅多にねぇよ」
「なるほど」
そうしてこのゲームの設定について考えていると
「それより、さっきの動き見ていたがなかなかやるじゃねぇか兄ちゃん。今度どこかで一杯どうだ?その気になったら俺は大抵この先の『ウォッカムの酒場』にいるから声かけてくれや」
そう言っておっさんは去っていった。
すると視界の端にアイコンが出てきたのでタップしてみると
――ロデムを訪ねようーー
内容:ロデムを訪ねる
頻出場所:ウォッカムの酒場
報酬:ドリンク1杯、依頼
期限:無期限
―――――――――
「なるほど。こういった感じでクエストが生まれるのか、相当自由度が高いんだな。それにぱっと見じゃNPCかプレイヤーなのかわからんな。」
(本当に1つの世界にいるようだな。たしかNPCは一度死んだら蘇らんと言っていたな。あの時子供が轢かれていたらあの子供は2度と蘇らなくてあの母親は子供を失った状態でこれから生活していくわけか・・・。なるほど、決まった未来ではなくプレイヤーとNPCの選択で世界が作られていくわけか。ん?・・・となると、モンスターも一度殺すと2度と蘇らん可能性もあるのか?そうなると強敵には早めに挑まんといかんな。)
そう思いながら当初の予定通り冒険者ギルドに向かって歩き出した。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
仮想空間のなかだけでもモフモフと戯れたかった
夏男
SF
動物から嫌われる体質のヒロインがモフモフを求めて剣と魔法のVRオンラインゲームでテイマーを目指す話です。(なれるとは言っていない)
※R-15は保険です。
※小説家になろう様、カクヨム様でも同タイトルで投稿しております。
VRMMOで遊んでみた記録
緑窓六角祭
SF
私は普通の女子高生であんまりゲームをしないタイプだけど、遠くに行った友達といっしょに遊べるということで、VRRMMOを始めることになった。そんな不慣れな少女の記録。
※カクヨム・アルファポリス重複投稿
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
スタートレック クロノ・コルセアーズ
阿部敏丈
SF
第一次ボーグ侵攻、ウルフ359の戦いの直前、アルベルト・フォン・ハイゼンベルク中佐率いるクロノ・コルセアーズはハンソン提督に秘密任務を与えられる。
これはスタートレックの二次作品です。
今でも新作が続いている歴史の深いSFシリーズですが、自分のオリジナルキャラクターで話を作り本家で出てくるキャラクターを使わせて頂いています。
新版はモリソンというキャラクターをもう少し踏み込んで書きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる