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Chapter4
カルセドニーに魅せられて
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ある晴れた小春日和。微睡を誘う午後。
大きな装飾窓から差し込む光の粒が、互いに呼応するように、きらきらと煌めいている。
「……できた!」
透明なボーイソプラノを弾ませ、小さな両手を真っ直ぐ翳すと、少年は会心の笑顔でそれを見つめた。
ここは、グランテ邸二階にあるシエルの自室。南向きで、日当たりは良好である。
室内には、ベッドやチェスト、それに本棚や勉強机といった、必要最小限のものしか置かれていない。なんとも淡泊な部屋。けれど、それらすべてが木製のおかげで、部屋全体が柔らかく、温かい。
今、彼が手にしているのは、上品な純白の便箋。半時間ほど奮闘しながら、たった今書き上げたものだ。
少し背伸びをした彼は、覚え立ての表現技法を駆使し、そこへ一文字一文字丁寧に綴った。
ある人物に、想いを馳せながら。
「ねえさま、驚くかな」
喜びに、ほんのわずかな緊張を織り交ぜた声色で呟く。封筒の宛名部分には、あどけない筆跡で『Diana Flame』と書かれてあった。
生まれて初めて手紙を書いた。
周りの大人たちがしていることを、見様見真似で再現しようと試みたが、いまひとつ自信が持てずにいた。相手が姉なので、多少の粗相があったとしても、笑って許してくれることはわかっている。わかってはいるが、それではあまりにもお粗末すぎる。
なにより、自分がちゃんと成長している様を、大好きな姉に見てもらいたいという強い思いがあった。
そこで、つい先日、彼はとある人物に教示を願い出た。その甲斐あって、この日実現することが叶ったのである。
インクが乾いたことを確認し、息を整える。便箋の上の両端に、下の両端をぴたりと合わせて一度だけ折ると、それを封筒の中へそっと入れた。
あとは封蝋を施し、投函すれば完了だ。
コンコン——
「!」
突如部屋に響いたノック音。その瞬間、シエルは持っていた手紙を、押し隠すように机の引き出しへ仕舞い込んだ。
現在シエルは勉強中。これが、屋敷全体の共通認識となっている。
勉強もせずに姉に手紙を書いていたなどと両親に知れれば、また何を言われるかわからない。とくに母親に見つかりでもすれば、検閲は免れないだろう。
とはいえ、これは想定の範囲内。一応準備はしていた。
あたかもずっと勉強していたかのように、教材を数冊引っ張り出し、さっと机上に並べる。そして、適当にページを開くと、行を見定め、字面を追いかける……ふりをした。
実を言うと、このシチュエーションにはもう慣れっこだ。
「はーい」
ノックに対し、返事をする。父か、それとも母か。
心の準備は、できている。
「失礼いたします、ぼっちゃま」
しかし、ドアが開き現れたのは、黒いスーツを身に纏った耳順過ぎの男性だった。
「じいや!」
グランテ家の執事——フィリップ・モラエスだ。
オールバックの白髪と綺麗に整えられた口髭。穏やかな瑠璃色の目は、右側だけ片眼鏡に隔てられている。
スッと伸びた背筋。しなやかな体躯。年齢のわりに、その立ち居振る舞いは実に優雅である。
「ディアナ様へのお手紙はもう書けましたか?」
「うん! じいやに教えてもらったとおりに書いたよ」
人懐こい笑顔でこう答えると、シエルは引き出しから手紙を取り出した。それをフィリップに手渡す。
「これにスタンプ押して出してくれる?」
封蝋印は火を用いるため、幼い彼には少々荷が重い。ここは大人の出番だ。
「ええ。もちろんでございます」
シエルからの申し出に、フィリップが快く頷く。どうやら二人の間で、ここまでの話ができているようだった。
シエルに手紙の書き方を教えたのは、他ならぬフィリップなのだ。
この家に仕えて、早四十年。シエルはもちろん、ディアナが生まれる前から、さらには、ハロルドが幼少期の頃よりずっと。彼は、この家に、身も心も捧げてきた。
「今日中に投函すれば、明日か明後日には、ディアナ様のもとへ届くはずですよ」
フィリップの言葉に、シエルはそのつぶらな蒼い瞳をさらにくりくりとさせた。
自分が試行錯誤し、ようやく形にできたものが、姉の手元に届く——想像するだけで、なんだかワクワクした。
しかし、その直後。
「ねえさまから、お返事は来ない……よね」
彼の表情は、見る見るうちに翳ってしまった。ぽつりと言葉を落とす。
もし、ディアナからシエル宛に手紙が届いたりすれば、このやり取りが両親にバレる可能性がある。ディアナはもうグランテ家の人間ではない。ゆえに、シエル一人が咎められることになる。ディアナも、そのリスクは心得ているだろう。
順序立てて説明することはできないが、シエルはこれらを漠然と見越していた。目を伏せ、項垂れる。
だが。
「諦められるのは、まだ早いと思いますよ」
目尻に皺を溜め、フィリップはにこりと微笑んだ。顔を上げたシエルが、「え?」と短く聞き返す。
中身を言及するまでには至らなかったが、有能なベテラン執事には何やら腹案があるらしかった。
彼の雇い主は、現当主であるハロルドだ。普通ならば、ハロルドの命令及び主張を最優先すべきなのだろう。その点を考慮すると、フィリップのしていることは、自身の職務に反することなのかもしれない。
けれども、そうとわかっていても、目の前にいるもう一人の主の健気な思いを汲んであげたかったのだ。
姉弟がどれほど厳しく育てられてきたか、どれほど仲が良かったか、もちろん彼は知っている。この家族を、誰よりも近くでずっと見てきたから。
前妻のセレネが亡くなったときも、シエルが生まれたときも、ディアナが嫁いだときも。
すべて、昨日のことのように、克明に覚えている。
ディアナが心を閉ざした瞬間も。
ハロルドが、心を隠した瞬間も。
「では、わたくしは旦那様をお見送りしたあと、こちらを投函してまいりますので、ぼっちゃまはお勉強をなさっていてくださいね」
気持ちを刷新し、シエルにこう釘を刺すと、フィリップは先ほどよりも清々しい笑みを浮かべた。「それはそれ、これはこれ」と言わんばかりの笑みだ。
これに対し、シエルは「はーい」と口を尖らせるも、素直に勉強する体勢に入った。心配していた姉への手紙が無事に完成し、とりあえず満足できたようだ。
その姿に安心した様子のフィリップ。部屋をあとにしようと、シエルに一礼して踵を返した。
そのとき、
「ねえ、じいや」
幼い彼に呼び止められた。
「……なんでございましょう?」
再度向き直り、不思議そうに尋ねる。
憂色を帯びた声。表情もけっして明るいとは言えなかった。
いったいどうしてしまったのか。この時点での一連の出来事を総括してみても、珍しくシエルの心境がフィリップには読めなかった。
少し間を置いた後。
シエルは、ゆっくりと、その小さな口をこじ開けた。
「……とうさま、また今日もお出かけするの?」
そうして問うたのは父の予定。『また今日も』という部分に込められているのは、呆れや怒りではなく、虞だ。
ここのところ、ハロルドは連日のように外出している。それ自体は、とくに問題ない。
「そのようですね。夕食は必要ないと、おっしゃっておりました」
だが、夕食を自宅で摂れないほど遅い時間まで出歩くことなど、滅多になかった。
母と囲む二人だけの食卓は、今日で十日目になる。
「そう、なんだ」
何か異様な雰囲気を、シエルは幼心に感じ取っているらしかった。
もちろん、フィリップはとっくに異変とも呼べるこの事態を察知していたし、危惧していた。
自分は屋敷の中のことを司る身。よって、ハロルドの仕事如何については、自身の関知するところではない。
けれど、ここ最近の主の様子には何か引っかかる。以前は、良くも悪くも、息子のシエルのことを傍に置いてちゃんと見ていた。出席する会合すべてではないにしろ、頻繁に同行させていたのに。
ところが、先月ぐらいから、その機会はぴたりとやんでしまった。外に出る際はほとんど一人。秘書でさえも、詳細等は何一つ知らされていなかったらしい。「こんなことは初めてだ」と、困惑気味に漏らしていたことを思い出す。
そう。それはちょうど、娘夫婦と街中で会ったという、あの日あたりから。
「……」
何もなければいいが——。
長く生きてきた。それゆえ、酷い現実を幾度となく目の当たりにしてきたし、働きたくない勘まで働くようになってしまった。
もう、セレネのときのような思いをするのはたくさんだ。あんな惨いこと、そうそうあってはならない。あってたまるものか。
祈るような気持ちでぐっと拳に力を込めたフィリップは、シエルの不安を拭うため、もう一度目尻に皺を溜めて見せた。
大きな装飾窓から差し込む光の粒が、互いに呼応するように、きらきらと煌めいている。
「……できた!」
透明なボーイソプラノを弾ませ、小さな両手を真っ直ぐ翳すと、少年は会心の笑顔でそれを見つめた。
ここは、グランテ邸二階にあるシエルの自室。南向きで、日当たりは良好である。
室内には、ベッドやチェスト、それに本棚や勉強机といった、必要最小限のものしか置かれていない。なんとも淡泊な部屋。けれど、それらすべてが木製のおかげで、部屋全体が柔らかく、温かい。
今、彼が手にしているのは、上品な純白の便箋。半時間ほど奮闘しながら、たった今書き上げたものだ。
少し背伸びをした彼は、覚え立ての表現技法を駆使し、そこへ一文字一文字丁寧に綴った。
ある人物に、想いを馳せながら。
「ねえさま、驚くかな」
喜びに、ほんのわずかな緊張を織り交ぜた声色で呟く。封筒の宛名部分には、あどけない筆跡で『Diana Flame』と書かれてあった。
生まれて初めて手紙を書いた。
周りの大人たちがしていることを、見様見真似で再現しようと試みたが、いまひとつ自信が持てずにいた。相手が姉なので、多少の粗相があったとしても、笑って許してくれることはわかっている。わかってはいるが、それではあまりにもお粗末すぎる。
なにより、自分がちゃんと成長している様を、大好きな姉に見てもらいたいという強い思いがあった。
そこで、つい先日、彼はとある人物に教示を願い出た。その甲斐あって、この日実現することが叶ったのである。
インクが乾いたことを確認し、息を整える。便箋の上の両端に、下の両端をぴたりと合わせて一度だけ折ると、それを封筒の中へそっと入れた。
あとは封蝋を施し、投函すれば完了だ。
コンコン——
「!」
突如部屋に響いたノック音。その瞬間、シエルは持っていた手紙を、押し隠すように机の引き出しへ仕舞い込んだ。
現在シエルは勉強中。これが、屋敷全体の共通認識となっている。
勉強もせずに姉に手紙を書いていたなどと両親に知れれば、また何を言われるかわからない。とくに母親に見つかりでもすれば、検閲は免れないだろう。
とはいえ、これは想定の範囲内。一応準備はしていた。
あたかもずっと勉強していたかのように、教材を数冊引っ張り出し、さっと机上に並べる。そして、適当にページを開くと、行を見定め、字面を追いかける……ふりをした。
実を言うと、このシチュエーションにはもう慣れっこだ。
「はーい」
ノックに対し、返事をする。父か、それとも母か。
心の準備は、できている。
「失礼いたします、ぼっちゃま」
しかし、ドアが開き現れたのは、黒いスーツを身に纏った耳順過ぎの男性だった。
「じいや!」
グランテ家の執事——フィリップ・モラエスだ。
オールバックの白髪と綺麗に整えられた口髭。穏やかな瑠璃色の目は、右側だけ片眼鏡に隔てられている。
スッと伸びた背筋。しなやかな体躯。年齢のわりに、その立ち居振る舞いは実に優雅である。
「ディアナ様へのお手紙はもう書けましたか?」
「うん! じいやに教えてもらったとおりに書いたよ」
人懐こい笑顔でこう答えると、シエルは引き出しから手紙を取り出した。それをフィリップに手渡す。
「これにスタンプ押して出してくれる?」
封蝋印は火を用いるため、幼い彼には少々荷が重い。ここは大人の出番だ。
「ええ。もちろんでございます」
シエルからの申し出に、フィリップが快く頷く。どうやら二人の間で、ここまでの話ができているようだった。
シエルに手紙の書き方を教えたのは、他ならぬフィリップなのだ。
この家に仕えて、早四十年。シエルはもちろん、ディアナが生まれる前から、さらには、ハロルドが幼少期の頃よりずっと。彼は、この家に、身も心も捧げてきた。
「今日中に投函すれば、明日か明後日には、ディアナ様のもとへ届くはずですよ」
フィリップの言葉に、シエルはそのつぶらな蒼い瞳をさらにくりくりとさせた。
自分が試行錯誤し、ようやく形にできたものが、姉の手元に届く——想像するだけで、なんだかワクワクした。
しかし、その直後。
「ねえさまから、お返事は来ない……よね」
彼の表情は、見る見るうちに翳ってしまった。ぽつりと言葉を落とす。
もし、ディアナからシエル宛に手紙が届いたりすれば、このやり取りが両親にバレる可能性がある。ディアナはもうグランテ家の人間ではない。ゆえに、シエル一人が咎められることになる。ディアナも、そのリスクは心得ているだろう。
順序立てて説明することはできないが、シエルはこれらを漠然と見越していた。目を伏せ、項垂れる。
だが。
「諦められるのは、まだ早いと思いますよ」
目尻に皺を溜め、フィリップはにこりと微笑んだ。顔を上げたシエルが、「え?」と短く聞き返す。
中身を言及するまでには至らなかったが、有能なベテラン執事には何やら腹案があるらしかった。
彼の雇い主は、現当主であるハロルドだ。普通ならば、ハロルドの命令及び主張を最優先すべきなのだろう。その点を考慮すると、フィリップのしていることは、自身の職務に反することなのかもしれない。
けれども、そうとわかっていても、目の前にいるもう一人の主の健気な思いを汲んであげたかったのだ。
姉弟がどれほど厳しく育てられてきたか、どれほど仲が良かったか、もちろん彼は知っている。この家族を、誰よりも近くでずっと見てきたから。
前妻のセレネが亡くなったときも、シエルが生まれたときも、ディアナが嫁いだときも。
すべて、昨日のことのように、克明に覚えている。
ディアナが心を閉ざした瞬間も。
ハロルドが、心を隠した瞬間も。
「では、わたくしは旦那様をお見送りしたあと、こちらを投函してまいりますので、ぼっちゃまはお勉強をなさっていてくださいね」
気持ちを刷新し、シエルにこう釘を刺すと、フィリップは先ほどよりも清々しい笑みを浮かべた。「それはそれ、これはこれ」と言わんばかりの笑みだ。
これに対し、シエルは「はーい」と口を尖らせるも、素直に勉強する体勢に入った。心配していた姉への手紙が無事に完成し、とりあえず満足できたようだ。
その姿に安心した様子のフィリップ。部屋をあとにしようと、シエルに一礼して踵を返した。
そのとき、
「ねえ、じいや」
幼い彼に呼び止められた。
「……なんでございましょう?」
再度向き直り、不思議そうに尋ねる。
憂色を帯びた声。表情もけっして明るいとは言えなかった。
いったいどうしてしまったのか。この時点での一連の出来事を総括してみても、珍しくシエルの心境がフィリップには読めなかった。
少し間を置いた後。
シエルは、ゆっくりと、その小さな口をこじ開けた。
「……とうさま、また今日もお出かけするの?」
そうして問うたのは父の予定。『また今日も』という部分に込められているのは、呆れや怒りではなく、虞だ。
ここのところ、ハロルドは連日のように外出している。それ自体は、とくに問題ない。
「そのようですね。夕食は必要ないと、おっしゃっておりました」
だが、夕食を自宅で摂れないほど遅い時間まで出歩くことなど、滅多になかった。
母と囲む二人だけの食卓は、今日で十日目になる。
「そう、なんだ」
何か異様な雰囲気を、シエルは幼心に感じ取っているらしかった。
もちろん、フィリップはとっくに異変とも呼べるこの事態を察知していたし、危惧していた。
自分は屋敷の中のことを司る身。よって、ハロルドの仕事如何については、自身の関知するところではない。
けれど、ここ最近の主の様子には何か引っかかる。以前は、良くも悪くも、息子のシエルのことを傍に置いてちゃんと見ていた。出席する会合すべてではないにしろ、頻繁に同行させていたのに。
ところが、先月ぐらいから、その機会はぴたりとやんでしまった。外に出る際はほとんど一人。秘書でさえも、詳細等は何一つ知らされていなかったらしい。「こんなことは初めてだ」と、困惑気味に漏らしていたことを思い出す。
そう。それはちょうど、娘夫婦と街中で会ったという、あの日あたりから。
「……」
何もなければいいが——。
長く生きてきた。それゆえ、酷い現実を幾度となく目の当たりにしてきたし、働きたくない勘まで働くようになってしまった。
もう、セレネのときのような思いをするのはたくさんだ。あんな惨いこと、そうそうあってはならない。あってたまるものか。
祈るような気持ちでぐっと拳に力を込めたフィリップは、シエルの不安を拭うため、もう一度目尻に皺を溜めて見せた。
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