かぶる猫の大きさは

yumemidori

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side会長 (青石柘榴 aoishi zakuro)

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いつもとは違い大人しく後ろからついてきた奴をリビングへと通しソファに待たせて腕に抱えてきた存在を丁寧に寝室のベットへと下ろして寝かしつけようとするとガチガチに固まった前髪が目に入る
じっと見ていたからかはわからないが回ってない呂律で
「にいちゃふろぉはいるぅ」
とその場で脱ぎ出そうとするのを慌ててとめて風呂場へと直行する
こいつは昔からほんとにタチが悪い
熱がでると頭がポヤポヤになってこうやって甘えてくる
治るとケロッとしてあんまりその間のことを覚えてないらしくこっちが苦労させられた
脱衣所から出ようとするものの結局俺も巻き込まれてシャワーを浴びることになった
隅々まで綺麗さっぱりとなって満足したのか眠そうに目を擦って今にも寝そうだ
致し方ない
バスローブを着せて俺は適当に着替えて急いでまた寝室へと舞い戻る
絶対に羽紅には後ろへは振り向くなと釘をさし振り向けば未来はないと思えと脅しもした
すやすやと寝入ったのを見てバスローブから俺の服へと着替えさせる
いくら小さいとはいえこいつを抱えながら着替えさせるのは流石に苦労するからな
そうしてトータル30分くらい待たせた羽紅がいるリビングへと向かうこととなった

何故あの部屋に緑がいたのかの経緯を聞いた
「俺昨日生徒会室行こうとしたんだけど、その、ちょっとだけ、そう、ほんのちょっとだけねー?昼寝しようと旧校舎裏の少し奥まったとこにある中庭にいたのね~」
ビクビクとしながら話し出すコイツは俺が昼寝のことを怒ると思っているのかしどろもどろだ
目で続けろと促すとまた話し出す
「そこで足音がしたから親衛隊の子かな~とか思ったりしたんだけどね~なんとりょっくんでした、ハハハ」
俺が緑の名前に反応したからだろうが見え見えの愛想笑いをしている
「そんでちょっとお話しして~、そう!だるかったんだけど俺熱あると思ってなくてりょっくんが気づいてくれた~みたいな?」
『ほう、それで何故お前の部屋にいたんだ』
「んーと、えと、俺動けなくてそのままりょっくんに運んでもらったわけですよ」
遂には下を向いて顔面蒼白といった表情でどんどんと声が小さくなる
『そうか、それであの変装ってわけか、パッと見じゃ誰か判別は出来ないだろうな』
「ん、そう!、っで、熱出たら人肌恋しくなるっていうかなんていうか、1人じゃ寂しいじゃん?ってあれだよ?かいちょーがきた時にあの子と鉢合わせたら大変だと思ったからそのベットに引きずりこんだだけであってそれまではベットの横に座ってたからね!?」
部屋の空気が冷たくなって俺の表情がどんどん怖くなっていったのを感じ取ったのか凄い勢いで捲し立てるように喋り出すコイツ
「俺2人が兄弟だだなんて知らなかったしそれにいつも険悪ムードだったじゃん?だから病み上がりじゃ対応できないなーって、それで、、でもごめんりょっくんに熱うつっちゃうなんて全然配慮できてなかったや」
『はぁ』
ため息を吐くと大袈裟にビクッとなった
『怒ってねえっつったら嘘になるがまあ俺も悪かったしな、それに意外と緑は世話焼きだからしゃあねー病人のことほっとけなかったんだろ
お前が体調崩すくらいには限界きてたこと気づいてやれなかった
熱はもう下がったのか?』
努めて優しく言ったつもりだったが目の前の奴の様子がおかしく見える
何か変なこと言ったか?
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