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yumemidori

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side ストーカーキャスト

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何回も求められるがままに奥へと放ったオレの精を受け止めてくれた身体の意識が落ちた
すごく幸せな時間だった
途中で外したのだが君の肌に残る拘束具の赤く擦れた傷跡を痛々しく思いながら慎重に風呂へと連れていく
身体を清め、さっぱりした君を綺麗に整え直したベッドに寝かせて冷静さを取り戻した思考で色々考えた
やはりこちらが全面的に分が悪くあんなことをしておいてだが、謝って許してもらおう
そして常連さんにしっかりケジメをつけて、ストーカーのレンタルサービスからは引退しようと決めた


起きた様子の鈴宮様に冷静を装って声をかけた
水を飲んでもらって話をする
『まだ混乱してますよね、ごめんなさい。オレここまでするつもりなかったんですが、って言い訳ですね。本当に申し訳ございませんでした、重ねて不躾なお願いではありますがどうか店には報告しないでいただけると…』
『えっと、店?』
何故か困惑した表情の鈴宮様
『はい。鈴宮すずみや様、どうかお願いできませんでしょうか』
「…あの、えっと俺鈴宮ではないです。」
その瞬間オレの方が困惑した
そして会社の携帯を確認しようと離れようとしたら腕を掴まれ声をかけられた
「あ、ちょっと待ってください!確認だけさせてもらいたいのですが」
どうやら都合のいい夢だと思っていたらしい
あんなにエロいのが夢だったらオレは毎日でも見たいんだが。

「うそ。えっ?じゃあ貴方は?……神宮寺さん」
偽名といえど名前を呼んでもらえて嬉しい
余計に困惑してしまったが、どうかオレに君の名前も教えて欲しい。なるほど、東雲様と言うのか
許可をとってから仕事用の端末を確認する
すると未読のメッセージがマネージャーから届いていた
くる前に確認した時にはなかったはずのそれを焦る指でタップして読み進めると今日の予約がキャンセルになったこと。事前登録されていた住所とは違っていたのを伝えていなかったこと。
そしてその予約にはオレとは違うキャストが派遣されることになったと書かれていた
そして今日は詫びではないが道具は返さず、そのまま直帰していいとも書かれている

だんだんと悪くなっていく顔色
だって、もしそうならオレはとんでもない犯罪を犯したことにならないか?不法侵入、強姦とレンタルサービス内のルールがどうとかの前に警察案件だ
そんなことがぐるぐると脳内を駆け巡った時大きな音が横から聞こえた
その正体は何故か恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせた東雲様が床にへたり込んだ姿だった
『東雲さま!?』
「えと、俺は大丈夫デス。神宮寺さんこそ何かありましたか?」
急いで駆け寄ると大丈夫だと言う
だが次の問いかけに先ほどより、一層顔色が悪くなってしまったのが自分でもわかった
それから、きちんとベッドへと戻し真実を告げた



「神宮寺さん、やっぱり俺にも勘違いを加速させた原因があります。玄関の件もそうだし、名前は偶然だけど気づかなかったわけだし。」
優しい君は何故かそんなことを言う
「そんなことあるんです!それであの。…今回の件はお互い水に流しませんか?このままじゃ埒があかないですし、神宮寺さんはお仕事とは全く別で支障ありませんよね?プライベートとしてだったら問題ないでしょう?それに俺も…その気持ち良かった、ですし。」
オレの犯罪行為を無かったことにしてくれるだけではなく、行為が気持ちよかっただなんて。
そんなの反則だ

そしてまたオレは罪を犯そうとしていた
恥ずかしそうにする君に口付けを。
「あッ、まって」
『今のオレはプライベートでいいんでしょう?
それに仕事でないのならばもう我慢をしなくて済む
凛さんもそれを望んでいるでしょう?』
相手にも同意をさせるような拒む隙を与えないように深く深く口付けた

「ッ…はァ、♡」
『東雲さま、いや、りん。オレを恋人にして?』
ぽわぽわしているところにズルいオレは甘く囁く。
多分、りんはオレのこの顔に弱いと思う
だからそれを利用してまず既成事実から
呆けたままのりんにもう一度くちづけを落とす
『りん、おねがい』
もうひと押しとばかりに甘えてみるとボンッと音がしそうなくらい赤くなった顔を手で隠してコクリと頷いてくれた
『ありがと、好きだよ。りん』
ここで手放したくないから追い討ちをかけるようにきちんと言葉で伝える
物理的にも逃げられないようにすっぽりと抱き込んで伝えると呻き始めた
「うぅ、ぁ…」
『一目惚れだった。白い肌もくびれた腰も泣きぼくろだってエロい。触れるたびに可愛い反応を見せてくれてオレがどれだけ理性を保つのに大変だったか。
お客様じゃ無かったらどれだけよかっただろうって思うほどに。まぁ、理性なんか吹き飛んで結局思いっきり抱いたから説得力ないけど。
重いと思うけどオレ、この仕事辞めようと思う』
「ぇ、」
『りん以外とこういうこと出来ないと思えたから
りんのせいじゃなくオレの問題。だからケジメはちゃんとつけようと思う。常連さんとかにはあと一回だけは会うよ、お別れのためだけに。』
「……。」
『いや、か?』
「ううん、。」
『りん、聞きたい』

「…。会ったばかりの俺が言うことじゃない、、。けど、俺にしたみたいな事してたその人達に会うんだろ?
…夢だと思ってた理想を具現化した人とヤレて起きたらその人が実在して俺のこと好きで俺も好きで恋人になって。理解が追いつかないけど、その人達の方が俺より長く貴方とはいて。わかってるけど嫌だ」
『そっか、わかった。言ってくれてありがとう、りん。それならオレの恋人としてオレと一緒にその人達に会って?もちろん身バレしないように最新の注意も払うし危害を加えられないように配慮する。おねがい』
「そ、れならわかった」
『ありがとう、あー、可愛すぎて好き』
「なッ?!!」
『嫉妬してくれたってことだろ?嬉しい♡』
「ッ!そんなことねーし!!」
『そう?オレは嫉妬したぜ??』
「はっ?」

『さっきのプレイが好きってことは過去に相手がいたんだろう、とかその相手に色々仕込まれたのか?とか過去の男の影がチラついてまだ恋人でも無かったのに勝手に嫉妬して許可なくぶち込むくらいにはな
それになんか慣れてるっぽかったから、オレの方が満足させてやれるとか対抗心燃やした』
「ッ!ぃ..ょ」
声が小さくて聞こえなかったから耳を傾けてみると顔を真っ赤にして叫ばれた
「だから!!そんなやついねぇよ、。」
『え』
「くそッ」
反抗的なそんな口調もイイと思いながら今の言葉をもう一度振り返って考えてみる
ソンナヤツイネェヨ
そんなやついねぇよ
そ ん な や つ い ね ぇ よ 、、?
『嘘だ』
「嘘じゃねぇ、くそッ、お前が素直に言ったから俺も言ったのに俺だけ恥さらしじゃねぇかよ」

マジかよ、オレを⚪︎す気か?可愛すぎて悶えるわ
しかも言ってくれた理由が愛しすぎ
じゃあ何?オレが最初の男?は?意味わからん
『さっきのが初?』
「そうだって言ってんだろーが!!」
『マジかよ』
「…やだったか?」
急に不安そうに聞いてくるりんは確実にオレを仕留めようとしているに違いない

こんなに人を好きになるなんて思わなかった
『なにそれ、最高じゃん。』
そのままりんを押し倒して愛でることに決めた
1回目がアブノーマルすぎて2回目は仕切り直しをさせてほしい
それでもりんがいたずらっ子の顔をしてオレのことをご主人様?なんて言って翻弄してくるから限界までイジめ抜いてノーマルプレイなんてできなかった







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