19 / 40
これから
しおりを挟む
これからどうしよう····。
生徒会室に行けばアレクと顔を合わせるかもしれない。
今は彼も一人になって考える時間が必要だろう。
私も少しの間、一人になりたい。
今のこの時間、授業時間の為に外を歩いている生徒はあまりいない。
私は学園のカフェへ行くことにした。
今日のランチをカフェでと約束していたことを思い出しながら、私はいつものお気に入りの席についた。
ここでミントティーを注文し、窓際から外の景色を眺める。
風がそよぎミモザの黄色い花びらが庭園に舞うのを見て、一口ミントティーを飲み込む。
ミントティーは少し熱めで、冷えた心を温めてくれる気がした。
ふうっとため息を吐いてから、背筋を伸ばした。
いつまでもメソメソするのは止めよう。
まるで自分らしくない。
私はアレクに元気をたくさん貰ったんだから、こんな顔をしてちゃダメだ。
ミントティーを飲んで、元気を出して、いつもの私に戻ろう。
もう大丈夫。
そう思うと本当に元気が出てきた。
今の私なら、アレクに会っても緊張せずに自分らしく接する事ができる。
【媚薬】のことはもちろん伝えなければならないけど、それだけじゃない。
アレクの中の悲しみや怖れ。
何が原因で、本来の明るさを押し込めてしまっているのか。
知らない事はたくさんある。
私が役に立つのかなんてわからないけど、でも。
何か出来ることがあるのかもしれない。
私は今のアレクに向き合おうと思う。
私の大好きなアレクにまた会うために。
色々吹っ切れた私は、生徒会室に、アレクに会いに行くことに決めた。
私はミントティーを飲み干して席を立とうとした時、後ろから声をかけられた。
「これをお預かりしました」
カフェのメイドがメモを手渡してきたので、お礼を言って受け取った。
なんだろう?
メモにはとても短い一文が記されていた。
『時計塔で待つ アレク』
えっ?アレクから·····。
その文章を見た途端、私の中から喜びが溢れ出した。
私、凄く嬉しいんだ。すぐにでもアレクに会いたいと思う。
でも、アレクは生徒会室にいるとばかり思っていたけど。
時計塔か。
確かにあそこも一人になれるよね。
···あれ、でも今日は閉め切るんじゃなかったかのかな?
もう入れないはずだったような···。
疑問に思いつつも私は足早に時計塔へ向かった。
生徒会室に行けばアレクと顔を合わせるかもしれない。
今は彼も一人になって考える時間が必要だろう。
私も少しの間、一人になりたい。
今のこの時間、授業時間の為に外を歩いている生徒はあまりいない。
私は学園のカフェへ行くことにした。
今日のランチをカフェでと約束していたことを思い出しながら、私はいつものお気に入りの席についた。
ここでミントティーを注文し、窓際から外の景色を眺める。
風がそよぎミモザの黄色い花びらが庭園に舞うのを見て、一口ミントティーを飲み込む。
ミントティーは少し熱めで、冷えた心を温めてくれる気がした。
ふうっとため息を吐いてから、背筋を伸ばした。
いつまでもメソメソするのは止めよう。
まるで自分らしくない。
私はアレクに元気をたくさん貰ったんだから、こんな顔をしてちゃダメだ。
ミントティーを飲んで、元気を出して、いつもの私に戻ろう。
もう大丈夫。
そう思うと本当に元気が出てきた。
今の私なら、アレクに会っても緊張せずに自分らしく接する事ができる。
【媚薬】のことはもちろん伝えなければならないけど、それだけじゃない。
アレクの中の悲しみや怖れ。
何が原因で、本来の明るさを押し込めてしまっているのか。
知らない事はたくさんある。
私が役に立つのかなんてわからないけど、でも。
何か出来ることがあるのかもしれない。
私は今のアレクに向き合おうと思う。
私の大好きなアレクにまた会うために。
色々吹っ切れた私は、生徒会室に、アレクに会いに行くことに決めた。
私はミントティーを飲み干して席を立とうとした時、後ろから声をかけられた。
「これをお預かりしました」
カフェのメイドがメモを手渡してきたので、お礼を言って受け取った。
なんだろう?
メモにはとても短い一文が記されていた。
『時計塔で待つ アレク』
えっ?アレクから·····。
その文章を見た途端、私の中から喜びが溢れ出した。
私、凄く嬉しいんだ。すぐにでもアレクに会いたいと思う。
でも、アレクは生徒会室にいるとばかり思っていたけど。
時計塔か。
確かにあそこも一人になれるよね。
···あれ、でも今日は閉め切るんじゃなかったかのかな?
もう入れないはずだったような···。
疑問に思いつつも私は足早に時計塔へ向かった。
0
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説
冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています
朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。
颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。
結婚してみると超一方的な溺愛が始まり……
「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」
冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。
別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)
結婚までの120日~結婚式が決まっているのに前途は見えない~【完結】
まぁ
恋愛
イケメン好き&イケオジ好き集まれ~♡
泣いたあとには愛されましょう☆*: .。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
優しさと思いやりは異なるもの…とても深い、大人の心の奥に響く読み物。
6月の結婚式を予約した私たちはバレンタインデーに喧嘩した
今までなら喧嘩になんてならなかったようなことだよ…
結婚式はキャンセル?予定通り?それとも…彼が私以外の誰かと結婚したり
逆に私が彼以外の誰かと結婚する…そんな可能性もあるのかな…
バレンタインデーから結婚式まで120日…どうなっちゃうの??
お話はフィクションであり作者の妄想です。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし旦那様は、冷酷陛下です!?)
夕立悠理
恋愛
伯爵令嬢ミレシアは、恐れ多すぎる婚約に震えていた。
父が結んできた婚約の相手は、なんと冷酷と謳われている隣国の皇帝陛下だったのだ。
何かやらかして、殺されてしまう未来しか見えない……。
不安に思いながらも、隣国へ嫁ぐミレシア。
そこで待っていたのは、麗しの冷酷皇帝陛下。
ぞっとするほど美しい顔で、彼はミレシアに言った。
「あなたをずっと待っていました」
「……え?」
「だって、下僕が主を待つのは当然でしょう?」
下僕。誰が、誰の。
「過去も未来も。永久に俺の主はあなただけ」
「!?!?!?!?!?!?」
そういって、本当にミレシアの前では冷酷どころか、甘すぎるふるまいをする皇帝ルクシナード。
果たして、ルクシナードがミレシアを溺愛する理由は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる