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戦闘35 交渉(物理)と決着

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 ゴブリン視点

 ブモーーー(さて、話がある。)

 こちらに話がしっかりと通じていることが分かると、オークは話しかけてきた。
 こちらとしてもどうなるかわからないこの状況では答えるしかなさそうだ。

 ブモーーー(俺は、話をこねくり回すのはあんまり得意じゃねえ。)
 ブモーーー(だから素直に言うぞ。)

 そういうと、オークはこちらの顔を覗き込みこちらと目をしっかりと合わせてこう言った。

 ブモーーー(お前は、第4階層の階層主だよな、てことは強いんだろ。)
 ブモーーー(戦おうぜ。)
 
 オークはそう言うと、武器を振り下ろした。

 ゴブ(へっ)

 私は、想定とは違う質問につい動きが遅れてしまった。
 わざわざここまで連れてきたのだから、何か交渉でもするのかと思っていた。

 しかし、それでも一応の回避は成功した。

 しかし、当たらなかったわけではない。
 大急ぎで後ろに飛んだが、それでも先端がかすって吹き飛ばされた。

 吹き飛ばされた先で、大急ぎで武器を呼び出した。
 つかまっている最中は持つこともできないし、呼んでおいても意味がなかったのでしまっていたのだ。

 ゴブ(何するんですか。)

 私はつい取り乱して、声を上げた。
 しかし、そんなことはお構いなしに追撃が降ってきた。

 勢い良く降ってきたそれを根性で受け止める。
 だが、元の能力では受け止めるのは厳しいらしい、しかし同じように吹き飛ばされるわけにはいかない。

 〈魔石開放〉

 スキルも発動させて、能力を向上させる。
 それによって、何とか受け止めることに成功した。

 今度はこちらの番だ。
 身長差を逆に利用して相手の懐に飛び込む。

 そして、奴の足に全力で剣を突き刺す。
 本当だったら、胴体を狙いたいところだが奴の脂肪の鎧のせいでろくなダメージが望めないだろう。

 そのため、足を狙い少しでもダメージを与えることを優先した。
 スピード自体は最初からこちらが上回っていると思われる。

 種族としての進化をしても、もともと低かった能力はそこまでは上がらない。
 なので、ある程度までは戦える。

 しかし、攻撃する事ができても元の能力の差は大きいらしい。

 だんだんと、押されてきたのはこちらだった。
 こうなったら、もう後のことなんか考える余裕はない。

 〈魔石暴走〉

 スキルの発動により後で死ぬことは確定したが、先に奴を倒せば問題ない。

 ゴブ(必ず勝つ。)

 こちらが逆に、向こうを押し返してきた。
 能力の向上により、胴体に剣でごくわずかだが切ることができるようになったからだ。

 そうして、どんどん押していったが、大事なことを忘れていた。
 肉体の限界は刻一刻と近づいていたのだ。

 しかし、相手への足への攻撃と胴体への攻撃により相手もそろそろきつそうだ。
 
 そうして、その時が来た。
 足の痛みからか、オークが両膝をついたのだ。

 その時に、最後の力を振り絞って全力で相手の首に剣を振り下ろした。

 ドシャ

 重たいものが落ちたような音と同時に、オークは倒れて消滅した。

 ≪階層戦終了≫
 ≪勝利したのは、第4階層です。≫
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