ダンジョン階層主の日常

研究28 酒の魔力

　ゴブリン視点

　ゴブ（どうする。）
　
　階層主は悩んでいた。
　1週間後の階層戦でどうすれば勝てるのかと。

　ゴブ（そもそも、相手が分からない。）
　ゴブ（不確定要素が多すぎる。）

　周りに集めていたゴブリンたちにも意見を募る。
　一体で考えても限界がある、かなりの数がいるので、少しぐらいはいい意見が出るだろう。
　ということで意見を募ってみた。

　ゴブ（倒す！）
　ゴブ（皆殺しだ。）
　ゴブ（よし、ならとっておきの物がある。）

　やる気があるのはいいことなんだが、ろくな意見が出ない。
　殺る気満々で目をらんらんと輝かせている。
　というかとっておきの物って何なんだろうか、後ろにひっそりと準備して何かをしている。

　ゴブ（そんなやる気あったけ？）
　ゴブ（まあいいや。）

　勝てるかどうかはわからないのに皮算用で勝った後の話をしだした。

　ゴブ（飯、飯、、飯、、飯、、飯、、飯、）
　ゴブ（魔力、肉）

　高い魔力が宿った空間では高純度の魔力を空気中から取り込むことができる。
　それを吸収すればより早く強くなれる。

　ゴブ（行くぞ！）
　ゴブ（おー）

　複数のゴブリンは気合が入りすぎて、どこかへ行ってしまった。
　今から気合入れてもあと１週間後なんだがな。

　ゴブ（いや、水を差すようで悪いんだが、勝てるかどうかはわからない。）

　今からここまでの気合いだと、勝負の時に燃え尽きる可能性があるので、とりあえず止める。
　すると、ゴブリンたちからの反応が返ってきた。
　何か様子がおかしい。

　ゴブ（何言ってんだよ、俺たちは最強だぜ。）
　ゴブ（世界最強は俺たちだ。）
　ゴブ（俺たちこそが至高のゴブリンだろ。）　
　ゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブ（（（（（（（（最強）））））））））

　だんだんと様子がおかしくなってきた。
　あたりの匂いがおかしい、なんか酒臭い。

　酒を飲んだ状態で騒いでいるだけのようだ。
　こうなってはどうしようもない、意見を聞くのはあきらめて取りあえず簡単にできることから始める。

　ゴブ（酒なんてどこから持ってきた。）
　ゴブ（とりあえず水でも飲んで来い！）
　
　とりあえず酒を飲んだ連中を放り出した。

　ゴブ（よーし皆準備だ。）

　とりあえず、武器等の準備から始めることにした。
　
　ゴブ（寝みい）
　
　大量に飲んだゴブリンが寝だした。

　ゴブ（これで大丈夫なのだろうか。）