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※たのしい休日9

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重なる唇と絡み合う素肌に、汗ばむ肌。時間が過ぎるのを忘れる程に、まるで二人が溶け合って離れなくなってしまいそうだった。愛しているよ、と囁くと「私もです」と蕩けんばかりの瞳で返される。
今までのフェロモンを収める為の行為とは違う、お互いに愛を確かめ合う物だった。

「…ん、アル…フレッド、さ…まあ…そ、ろそろ…はあ、ん…イッてしまい、ま…す…あっ…」
「うん…大丈夫、一緒にイこう?」

身体を仰け反らせ喉仏をさらけ出すファビアンと共に、アルフレッドも果てる。アルフレッドの白濁がファビアンの中に注がれて、ファビアンの物が自身の腹を汚す様はなんとも扇情的であった。

ベッドに倒れ込み、ゆっくりと後孔から自身を抜き出す。ぶるりと身震いしながら小さく声を上げる相手は正直言ってエロい。
何となしにお互いに笑みを交わせば、荒い呼吸を整えながらも色香を振り撒く正室つまに、高まりそうな欲を何とか振り払う。

いやいや、流石に今日が初めてのファビを俺の性欲に付き合わせちゃ駄目だろ。断れない相手に無理を強いたくない。

「…よし、お風呂に行こうか。」
「はい…少々お待ち下さい。…あっ!」

事後の身体を清めようと立ち上がる俺に続き、ベッドから起き上がるファビアンはふらりと体勢を崩してしまう。素早く身体を支えたことで怪我は無いようだが、こんな状態で歩かせることは難しそうだ。
うん…よし、それじゃあ。

「!え、あ、アルフレッド様…!?」
「うんうん、しっかりつかまっててねー。」

首と膝裏に手を差し込み、軽々と横抱きにしてみた。驚き慌てたと思えば、恐縮するファビアンには気にしなくて良いと伝えておく。
まず、ネコの方が身体に負荷がかかるんだよ?労るのは当たり前だし。それにファビって軽いから全然平気なのと、単に触れていたいから。

ファビと過ごす時間て、他のネコと居る時とは少し違うんだよな。

部屋に隣接された浴場に入り、簡単にお湯で身体を流すと浴槽のお湯に浸かり一息吐いた。本当はファビアンの身体も流してあげようとした所、それだけはとハッキリ断られたりする。

お湯で身体が温まり仄かに赤く染まる肌は、行為中を思い出させる。この世界のネコは女性とは勿論別物だが、肌を多く露出しないのは共通していた。タオルで自然と胸元を隠す相手を眺めていると、ふと目が合い微笑まれる。

「……幸せです。」
「え…?」
「今日は私にとって、本当に幸せな時間でした。一生の思い出となる程に。」

瞳を潤ませるその表情から、心からの言葉なのだと察した。いつも優しさに甘えてしまっていた。それでも、だからこそ日頃の疑念が沸き起こる。

「…いつもありがとう。」

しっかりと瞳を捉えて静かに告げる。一瞬目を見開く相手の表情が、泣きそうに眉が下がった。「私こそ…」と唇を震わせるファビアンを抱き締める。
浴槽にたっぷりと注がれた湯が、盛大な水音と共に水面を揺らす。先程まで身体を重ね合ったというのに、恥じらいに頬を染めるファビアン。「此処は灯りが点いていますので…」とうつむき落ち着かない様子だ。

「…嫌なことは無い?」
「え…?」
「いつも俺の言うことを、何でも素直に聞いてくれるからさ。嫌だと思ったことは無いのかなーと心配で。」

それは全く無い、と断言される。アルフレッド様と居る時が、一番幸せだと、貴方様の声を聞いていたい、頼られることが嬉しい、と。

うん、なんて出来た正室だよ!いや、うん、それは良いとして。相手を更に強く抱き締め、体温の上昇と首筋に浮かぶ汗に気付く。

「…いや、良いんだよ。人間て負の感情が有るのは当たり前じゃん。だから、もし悲しいことやムカついたことがあったら、教えて欲しい。…これから一生側に居るんだから。」

暫くの沈黙がその場に訪れる。たっぷりと時間をかけて返されたのは、小さな頷きと堪えた涙だ。
俺って、ネコを泣かせてばかりだな。

















言える筈ありません。
本当は、貴方を独占したいなんて。

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