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【喪女歴ウン十年編】
002 喪女と呼ばれて
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黒田は三ヶ月程前中途採用で入ってきた男だった。
仕事はまぁ、そこそこ出来るが抜けているところも多くあり、会社の数少ない女性社員の中ではアイドル的存在で可愛がられていた。
浅井も黒田を可愛がっているその一人。
千代が知ることはないだろうが、浅井と黒田はつい一月程前にいい仲になっていた。
というのも、この浅井、既婚者ながらにそこそこの美人。
性格も悪くなく、千代にも優しい。
なぜかはわからないが、他の女社員が千代を遠ざける中、千代に自ら寄っていく程の奇特な人物だった。
『――というのが喪女というんですね』
不意にお昼の時間だけついている社内のテレビから声が聞こえてくる。
「喪女だって。誰にも告白されたことのない……経験がない、モテない女のことをいうんだ~、いい年した大人の女が誰とも付き合ってないとかありえなーい。ね、竹さん」
「……そ、そうだね……」
浅井の言葉に千代は下を向いて小さく相槌を打った。
「だってさ、いまどきブス専だってデブ専だっているし、モテないとかないと思うんだけどなー。モテてないって思い込みなんじゃないの?」
浅井は千代をじっと見ながら告げる。
「えっ!? 思い込み?!」
千代は顔を上げて浅井を見つめる。
浅井から見れば鋭い眼光で射抜かれたように見えるわけだが。
「っ、そうそう。だって、人って顔じゃないじゃん」
「そ、そう?」
「そうそう、竹さんこんな美味しい玉子焼き焼けるんだよ? 私が男だったら毎日焼いて欲しくなっちゃうね」
若干口角を引き攣らせた浅井は千代に少しオーバーに笑ってみせた。
(そ、そうなんだ~。黒田くんも、毎日玉子焼き焼いてくれって言ってくれるかなぁ?)
黒田が千代にプロポーズしている、そんなしょうもない妄想が浅井の一言だけで千代の脳内に駆け巡る。良く考えろ、千代。浅井は千代を見ながら喪女の話をしたんぞ。
そんなことに千代が気がつくことはなかった。
「ごちそうさま」
お昼が終わり、午後の業務が始まる。それはあっという間に過ぎて、金曜日の退社時刻となった。
「お疲れ様でした、お先に失礼します」
「おー、千代ちゃんお疲れー」
小太りのうすら禿げの社長が遠くの席から大きな声で手を振る。
千代は仕事を定時に終わらせることが出来る人間で、それは量が増えても変わらない。
顔はともかく仕事は速く、正確。
勤続年数も長いため、他の人間から多くの仕事を押し付けられることも少なくなった(入社したての頃は毎日残業だった)。
その結果、定時上がりが当たり前となっていた(但し月末は除く)。
事務員は三人居るが、定時で上がれるのは千代だけ。あとは別部署の数名の人間が定時で今日は終わり。
残りの者は残業だ。
「あ、竹さん」
「はい?」
千代が帰ろうと会社のドアに手を掛けたとき、浅井が後ろから声を掛けてきた。
「今日の夜、私と一緒に居たことにしてもらっていいですか?」
「あー……また、ですか? いいですよ、別に」
よくはわからないが、いつも一緒にお弁当を食べている仲だし、時々お菓子くれるし、まぁいいかと、深くは考えずに千代は快く返事をする。
「わー、ありがとう、やっぱ竹さん最高~! また美味しいお菓子買ってくるね」
浅井が笑顔で千代に背を向けそう言いつつ、手元でスマホを弄りながら一度だけ千代をちらりと見やって去っていった。
「……あ、うんー……」
千代の返事を浅井が聞くことはなかった。
「ふぅ……さて、帰るか」
千代はいつもの電車に乗るべく、駅へと向かう。金曜の夜でも、どこにも寄らない。真っ直ぐに家へと向かう。
だが、今日は少し違った。
「……あ、可愛い……」
駅までの道すがら、いつも通る道が工事中で、迂回せざるを得なくなった千代は、一本奥の道を歩く。
そこはいつも歩く裏通りとは違う大きな表通りで、セレクトショップがいくつも並んでいる。
千代はいつもこの通りを歩くのを自分には似合わないからと避けていたのだった。
その数ある店の内、一つの店舗。
お洒落な外装のショーウィンドウ越しにある一品を見つけ、千代は目を奪われる。
そこには赤い合成ルビーを散りばめた金の蝶が模られたバレッタが飾られていた。
それは三十六歳の千代がしてもおかしくはないが、千代に似合うとは到底思えない。
だが、上品な中にも可愛らしさが溢れたそのバレッタに千代は一目惚れしてしまった。
「いらっしゃいませ、良かったら中へどうぞ」
「……っ、えっ、あっ……」
ショーウィンドウを覗いていた千代に店の中から女性店員が現れて、千代に声を掛ける。
モデルのような体型と、清楚な初夏らしい白い半袖シャツと淡いグリーンのサマーカーディガンに濃紺のサブリナパンツ。
化粧や髪型はやや派手な気もするが、品良く纏められていて店に来る客が不快な思いをせず気持ちよく買い物が出来そうな雰囲気を醸し出している。
千代は店員を見て、自分が場違いだとすぐに悟ってしまった。
「っ、いえ、あ、見てただけで……」
「この合成ルビーのバレッタ、私が買い付けたんですよ。良かったら付けてみてください」
店内に連れて行かれた千代は店員に言われるままにバレッタを髪に付けて貰う。
「よくお似合いですよ、これ、ちょうど30%OFFなんですよ、いかがですか?」
千代を鏡の前に立たせて、付けたバレッタに視線を送りながら店員は購入を勧めてくる。
「……」
(似合っているとは……思えないんだが……)
千代は鏡を見ながら全く似合っていないバレッタと自分の顔を交互に見る。
「夏のボーナス使っちゃいました? こんなに似合っているんですもの、普段頑張っているご自分のご褒美にいかがですか?」
店員は千代に買わせる気満々なのか、是非にと勧める。
確かに、夏のボーナスは少ないが貰ったし、使う宛てもないから残っている、 それにこのバレッタ超可愛い。
自分には似合わないかもしれないが、これを付けるとちょっと美人になった気分になれるような気がして、
「じゃ、じゃー、く、ください」
「ありがとうございまーす!」
千代は30%OFFでも一万七千円するバレッタを買うことになった。
そして、せっかく買ったのだから、そのまま付けて行ったらと、店員に言われそのまま帰宅することになる。
そして、駅に向かう途中。
「お姉さーん、僕とちょっとお話しませんかー?」
「え?」
背後から声を掛けられ、千代はまさか、バレッタ効果か!? と、振り返る。
「げ、喪女じゃん」
「え……喪女?」
「おたくみたいなおばさん、モテないっしょー、SNSで言ってたんだよねー、モテない女で、も・じょ。そんな可愛い髪飾り付けてたって、顔見たら凹むわー」
振り返った千代に声を掛けてきた男は不愉快そうにそう吐き捨てて去っていく。
金髪のロン毛に虎の刺繍が入った腕部分は黒く、白銀に煌めくスカジャン、インナーのTシャツは真っ赤。
ボトムは所々草臥れたジーンズをだらしなく腰パンにして穿いている。
足元はビーチサンダルのような履物、眼には青いカラーコンタクトを入れて、耳にはいくつもピアスをしている。
肌は焼け、黒い。
見ただけでちゃらそうだった。
しかも確実に十歳は千代よりも若い。
それに加えてさしてイケメンでもなく、低い鼻と高い声にどちらかと言えば不細工の部類に入るのでは?
そんな男に千代は喪女と呼ばれてしまった。
「……喪女か……っあ!」
千代が項垂れて俯いた拍子に、買ったばかりのバレッタがその反動で地面に落ちてしまう。
そして、そのバレッタは後ろから歩いて来た人に踏まれ、壊れてしまった。
「……」
それ以上千代が何か言うことはなく、形が歪になったバレッタを拾って、家路についた。
その顔は哀しみに歪んでいた……。
仕事はまぁ、そこそこ出来るが抜けているところも多くあり、会社の数少ない女性社員の中ではアイドル的存在で可愛がられていた。
浅井も黒田を可愛がっているその一人。
千代が知ることはないだろうが、浅井と黒田はつい一月程前にいい仲になっていた。
というのも、この浅井、既婚者ながらにそこそこの美人。
性格も悪くなく、千代にも優しい。
なぜかはわからないが、他の女社員が千代を遠ざける中、千代に自ら寄っていく程の奇特な人物だった。
『――というのが喪女というんですね』
不意にお昼の時間だけついている社内のテレビから声が聞こえてくる。
「喪女だって。誰にも告白されたことのない……経験がない、モテない女のことをいうんだ~、いい年した大人の女が誰とも付き合ってないとかありえなーい。ね、竹さん」
「……そ、そうだね……」
浅井の言葉に千代は下を向いて小さく相槌を打った。
「だってさ、いまどきブス専だってデブ専だっているし、モテないとかないと思うんだけどなー。モテてないって思い込みなんじゃないの?」
浅井は千代をじっと見ながら告げる。
「えっ!? 思い込み?!」
千代は顔を上げて浅井を見つめる。
浅井から見れば鋭い眼光で射抜かれたように見えるわけだが。
「っ、そうそう。だって、人って顔じゃないじゃん」
「そ、そう?」
「そうそう、竹さんこんな美味しい玉子焼き焼けるんだよ? 私が男だったら毎日焼いて欲しくなっちゃうね」
若干口角を引き攣らせた浅井は千代に少しオーバーに笑ってみせた。
(そ、そうなんだ~。黒田くんも、毎日玉子焼き焼いてくれって言ってくれるかなぁ?)
黒田が千代にプロポーズしている、そんなしょうもない妄想が浅井の一言だけで千代の脳内に駆け巡る。良く考えろ、千代。浅井は千代を見ながら喪女の話をしたんぞ。
そんなことに千代が気がつくことはなかった。
「ごちそうさま」
お昼が終わり、午後の業務が始まる。それはあっという間に過ぎて、金曜日の退社時刻となった。
「お疲れ様でした、お先に失礼します」
「おー、千代ちゃんお疲れー」
小太りのうすら禿げの社長が遠くの席から大きな声で手を振る。
千代は仕事を定時に終わらせることが出来る人間で、それは量が増えても変わらない。
顔はともかく仕事は速く、正確。
勤続年数も長いため、他の人間から多くの仕事を押し付けられることも少なくなった(入社したての頃は毎日残業だった)。
その結果、定時上がりが当たり前となっていた(但し月末は除く)。
事務員は三人居るが、定時で上がれるのは千代だけ。あとは別部署の数名の人間が定時で今日は終わり。
残りの者は残業だ。
「あ、竹さん」
「はい?」
千代が帰ろうと会社のドアに手を掛けたとき、浅井が後ろから声を掛けてきた。
「今日の夜、私と一緒に居たことにしてもらっていいですか?」
「あー……また、ですか? いいですよ、別に」
よくはわからないが、いつも一緒にお弁当を食べている仲だし、時々お菓子くれるし、まぁいいかと、深くは考えずに千代は快く返事をする。
「わー、ありがとう、やっぱ竹さん最高~! また美味しいお菓子買ってくるね」
浅井が笑顔で千代に背を向けそう言いつつ、手元でスマホを弄りながら一度だけ千代をちらりと見やって去っていった。
「……あ、うんー……」
千代の返事を浅井が聞くことはなかった。
「ふぅ……さて、帰るか」
千代はいつもの電車に乗るべく、駅へと向かう。金曜の夜でも、どこにも寄らない。真っ直ぐに家へと向かう。
だが、今日は少し違った。
「……あ、可愛い……」
駅までの道すがら、いつも通る道が工事中で、迂回せざるを得なくなった千代は、一本奥の道を歩く。
そこはいつも歩く裏通りとは違う大きな表通りで、セレクトショップがいくつも並んでいる。
千代はいつもこの通りを歩くのを自分には似合わないからと避けていたのだった。
その数ある店の内、一つの店舗。
お洒落な外装のショーウィンドウ越しにある一品を見つけ、千代は目を奪われる。
そこには赤い合成ルビーを散りばめた金の蝶が模られたバレッタが飾られていた。
それは三十六歳の千代がしてもおかしくはないが、千代に似合うとは到底思えない。
だが、上品な中にも可愛らしさが溢れたそのバレッタに千代は一目惚れしてしまった。
「いらっしゃいませ、良かったら中へどうぞ」
「……っ、えっ、あっ……」
ショーウィンドウを覗いていた千代に店の中から女性店員が現れて、千代に声を掛ける。
モデルのような体型と、清楚な初夏らしい白い半袖シャツと淡いグリーンのサマーカーディガンに濃紺のサブリナパンツ。
化粧や髪型はやや派手な気もするが、品良く纏められていて店に来る客が不快な思いをせず気持ちよく買い物が出来そうな雰囲気を醸し出している。
千代は店員を見て、自分が場違いだとすぐに悟ってしまった。
「っ、いえ、あ、見てただけで……」
「この合成ルビーのバレッタ、私が買い付けたんですよ。良かったら付けてみてください」
店内に連れて行かれた千代は店員に言われるままにバレッタを髪に付けて貰う。
「よくお似合いですよ、これ、ちょうど30%OFFなんですよ、いかがですか?」
千代を鏡の前に立たせて、付けたバレッタに視線を送りながら店員は購入を勧めてくる。
「……」
(似合っているとは……思えないんだが……)
千代は鏡を見ながら全く似合っていないバレッタと自分の顔を交互に見る。
「夏のボーナス使っちゃいました? こんなに似合っているんですもの、普段頑張っているご自分のご褒美にいかがですか?」
店員は千代に買わせる気満々なのか、是非にと勧める。
確かに、夏のボーナスは少ないが貰ったし、使う宛てもないから残っている、 それにこのバレッタ超可愛い。
自分には似合わないかもしれないが、これを付けるとちょっと美人になった気分になれるような気がして、
「じゃ、じゃー、く、ください」
「ありがとうございまーす!」
千代は30%OFFでも一万七千円するバレッタを買うことになった。
そして、せっかく買ったのだから、そのまま付けて行ったらと、店員に言われそのまま帰宅することになる。
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「え?」
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「げ、喪女じゃん」
「え……喪女?」
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振り返った千代に声を掛けてきた男は不愉快そうにそう吐き捨てて去っていく。
金髪のロン毛に虎の刺繍が入った腕部分は黒く、白銀に煌めくスカジャン、インナーのTシャツは真っ赤。
ボトムは所々草臥れたジーンズをだらしなく腰パンにして穿いている。
足元はビーチサンダルのような履物、眼には青いカラーコンタクトを入れて、耳にはいくつもピアスをしている。
肌は焼け、黒い。
見ただけでちゃらそうだった。
しかも確実に十歳は千代よりも若い。
それに加えてさしてイケメンでもなく、低い鼻と高い声にどちらかと言えば不細工の部類に入るのでは?
そんな男に千代は喪女と呼ばれてしまった。
「……喪女か……っあ!」
千代が項垂れて俯いた拍子に、買ったばかりのバレッタがその反動で地面に落ちてしまう。
そして、そのバレッタは後ろから歩いて来た人に踏まれ、壊れてしまった。
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