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最終章:私たちは翼を広げ未来へ羽ばたく

悪意は必ず自分に返ってくる【side:ハイデ】

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――ブラスト侯爵からの返事がない。何か、あったのか……。

 ハイデ伯爵は、ブラスト侯爵からの定期連絡が滞っていることに、焦りを覚えていた。

 嫌な予感がする。

 長年の経験から、己の勘が「逃げろ」と警鐘を鳴らしていた。
 もはや、この国にとどまるのは悪手。
 
 築き上げた地位と名誉を捨てるのは惜しいが、一旦他国に身を潜め、ほとぼりが冷めた頃に再起を図れば良い。
 まずは捕まらないことが第一だ。逃げよう、そうしよう。

「こうしてはおれん」

 ハイデ伯爵は慌てて椅子から立ち上がると、逃亡の準備を始めた。

 途中、部下が『ブリジット様が、亡くなりました』と訃報を伝えてきた。

 食事もろくに取らず、喚き散らしながら狂うように死んだらしい。
 
 ……が、そんなもの、もはや自分にはどうでも良かった。


――ブリジットの奴め、もっと賢い娘だと思っていたが、期待外れだったな。あいつに任せずに、私が直接、ソフィア・クレーベルを死に追いやる策を立てていれば……いいや。もはや考えても、仕方のないこと。


 使えない者は捨てるだけ。
 勝手に記者を呼び『わたしは悪くない!』などと言い張る馬鹿娘に、砕く心も割く時間もなかった。

 勝手に餓死してくれたのなら、好都合だ。
 あの廃れた屋敷とともに、朽ち果てればよい。

 娘の死など、ものの数秒でハイデ伯爵の頭の中から消え去った。



 
 二日後、ハイデ伯爵は、当面の活動資金と必要最低限の貴重品を持ち、夜明け前に馬車に乗り込んだ。

 向かう先は湾岸区だ。
 
 裏ルートでラメール王国の貿易商崩れの海賊と契約を結び、密航船を手配した。

「くくく、そう簡単に終わってたまるか」

 完璧な逃走ルートを辿り、無事湾岸区にある倉庫街の一角に到着した。

 馬車を降り、海賊と打ち合わせをした密航船の停泊場所に歩いて向かう。

 太陽が地平線から顔を出す。

 眩しさに目を細め、うっすら白み始めた黎明れいめい空を眺めながらハイデ伯爵はにやりと笑った。


 黎明とは、すなわち夜明け。転じて、新しい物事の始まりを意味する。


「ははっ、新たな門出にふさわしい美しい光景じゃないか。私は必ずや舞い戻る。それまでさらばだ、リベルタ王国の諸君」

 遠くの方に船が見えてきた。
 あぁ、もうすぐ、この国から逃れられる。

 直接この手でアーサー・オルランドを破滅させられなかったが、どこかで身を潜め、再び動き出す機をうかがおう。


「オルランドめ。なぁにが『ばらまいた悪意は必ず、己の元に返って来ますよ』だ。くそ生意気な小僧めが。私を追い詰められると思ったら、大間違いだぞ! くくくくっ、ははははは」

 独り言を呟き、愉悦と優越感に浸る。朝日を浴びて笑い声を上げた瞬間――。

「終わりなのはお前だよ、ハイデ伯爵」

 どこからともなく、澄んだ冷たい声が聞こえた。

 直後、あたりが昼間のように一気に明るくなった。朝日とは違う、人工的な灯り――照明だ。

 周囲を見渡せば、明かりを持った大勢の騎士が自分を取り囲んでいた。

――くそっ!どこから湧いてきたのだ。

 眩しさに片手で目元を覆いながら、伯爵は思わず「何だこれは!」と悲鳴のような叫びを上げた。

 光の奥から、人が歩み寄ってくる。

 逆光で顔は判別できないが、ズボンのポケットに両手を入れてこちらに近付いてくるシルエットから、細身の男だと分かる。

「尾行にも監視にも気付かない上に、こんなずさんな逃走ルートで僕から逃げようとしていたのか?実におめでたい奴だな」

 目が慣れてきて、おぼろげだった相手の顔が次第に鮮明に視界に映る。

「さて、最後の自由は堪能したか、ハイデ伯爵?」

 首をかしげた拍子に、金糸の髪が白い頬と額をさらりと滑り落ちる。

 ゆるやかに弧を描く形の良い口元。光を受けて鋭い輝きを放つ不気味なほど澄んだ瞳。

 眼前の男はいつも通り美しく……いいや、いつも以上にぞっとするほど綺麗に笑っていた。
 だが、すっと細められた灰色の瞳は全く笑っていない。
 
 よく、美しい花には棘があるというが、この男の場合は『毒がある』という方がしっくりくる。
 

 本能が訴えかけてくる。
 この男は、決してお綺麗なだけの人間じゃない。

 むしろ……己の毒牙を美しい花笑みで隠せる奴だ。逃げろ逃げろ、早く逃げろ!と。


 退路をちらりと確認すると、アーサーがくすっと吐息とともに含み笑いをこぼした。

「まだ逃げられると思っているのか?ここら一体は既に騎士団によって包囲されている」

「お前、まさか……まさか、私をわざと泳がせていたというのか」

「ようやく気付いたのか?ちなみに、お前が契約した海賊も僕が用意したダミーだ」

「はっ、何故こんなふざけたことを?私をめようとしても無駄だぞ。密航船を手配したくらいで私を捕らえられると思ったか、この馬鹿め!はははは」

「密航船の契約なんて生ぬるい罪で裁こうなんて思っていないさ。貴様はもっと罪深い行いをしているだろう?これを見ても、まだ笑えるか?」

 アーサーが突きつけてきた書面を見て、伯爵は一気に血の気が引いた。


 それは、ブラスト侯爵と自分が交した『契約書』だった。


 焦りと恐怖と動揺で、体が勝手に激しく震え出す。歯がガチガチと耳障りな音を立てた。
 
 だが、精一杯の虚勢を張って「何だそれは、知らんな」と嘘を吐く。

「私を陥れようと文書を偽造したのか?ご苦労なことだなオルランド」

「ここに貴様の署名と家紋入りの印が押されている時点で、言い逃れは不可能だ。既に陛下にも報告済みだ。あぁ、陛下は仰っていたぞ――『これは国家への反逆。最も重い罪に問うのが妥当』だと」

「まさか、そんな、待て!私の話を聞いてくれ!私は嵌められたんだ!ブラスト侯爵に脅されて仕方なく――」

「自己弁護ならここじゃなくて法廷でするんだな、悪辣な大罪人。さて、どんな罰が下るか。せいぜい牢獄の中で毎日怯えて震えて生きれば良い。――連れて行け。これは国外逃亡の恐れがある重罪人だ。『丁重に』もてなして差し上げろ」

「ま、待て!やめろ……やめ、来るな!来るなッ!!!」

 大勢の騎士に取り押さえられながら、ハイデ伯爵は必死に叫んで手を伸ばした。

 視線の先にあるのは、どこまでも広がる大海原と太陽が昇る輝く地平線。

 そして、もう二度と手に入らないであろう『自由』だ。

 アーサーがわざわざ、この瞬間、この場で自分を逮捕した意味が分かった。
 

――これは私を絶望させるための舞台だ。


 逃げられると思い込んだ直後、容赦なく自由を奪って奈落の底に突き落とす。
 
 明るい始まりの光景を見せつけながら、輝かしい未来を取り上げる。

 頂点まで持ち上げて、落とす。
 束の間の幸せと自由の味を覚えさせた後、屈辱を与える。

「くくく、アーサー・オルランド。貴様、人間を壊すすべを良く分かっているじゃないか。お前も一皮剥けば私と同じ悪人だ。なのに何故、貴様は綺麗なままなんだ?不公平だろう!!」

 おかしい。こんなの不公平だ、全く平等じゃない。

 自分はこんなに汚れ、ボロボロになるまで懸命に努力したのに、何故、なぜ、なぜッ!

「何の苦労も努力もせず、家と領地に恵まれただけの貴様に、どうして私が負けねばならんのだ!!私が今までどれほどの泥水をすすり、何度他人に頭を下げ、道ばたの草のように踏みつけられる屈辱的な人生を送ってきたか。私は努力した!汚し汚れてきたのに……こんなのは……あまりにもむごい話じゃないかッ!!!」

 喚き散らすと、こちらを冷ややかな目で見下ろしていたアーサーが「話は終わりか?」と、至極どうでも良さそうに尋ねてきた。
 

 奴の顔と表情に宿るのは、怒りや憎しみといった感情を超越した、もはや『無』。

 無関心、無反応、無価値、無慈悲――。
 
 相手にするのも、言葉を交すのにも嫌気がさす。
 視界にも入れたくないといった様子で、侮蔑の眼差しを向けてくる。


「綺麗なままで生きるのは楽だなんて、本気で思っているのか?逆だ。墜ちようと思えば人間はどこまでもおちていける。一回禁忌を犯せば、二回目は何も感じなくなる。手を汚す方が簡単なんだよ」

 アーサーは光を背負い、にっこりと微笑んだ。

 そして、天使のような顔からは予想もつかないぞんざいな口調で告げる。


「綺麗なまま生きる辛さが分からない貴様には、一生汚れきった人生がお似合いだ」

 清らかな花笑みで毒々しい内面を覆い隠した男は、壮絶な微笑みを浮かべて言った。

「ざまぁみろ。貴様に待つのは自由でも幸せでもない、地獄だ。楽に逝けると思うなよ」




 アーサーの言葉どおり、ハイデのその後の人生はまさに『生き地獄』。

 領地と爵位はもちろん、財産、屋敷、使用人、人間としての尊厳。ありとあらゆる権利と所有物が剥奪された。

 人殺しを企て、国を売ろうとした大罪人を最初に待っていたのは、想像を絶する過酷な取り調べ。

 その次は、ドブネズミが這い回る臭くて汚くて寒い、最低最悪な牢獄。

 『こんな場所で一生暮らせない。気が狂ってしまう。終身禁固刑は嫌だ……』

 頭を抱えながら、これからの絶望的な未来を考えて気が触れそうになっていたハイデに下されたのは、終身禁固ではなかった。

「被告人を無期懲役に処す。厳重な監視および管理体制の下、コンフィーネ地方の山岳地帯にある危険区域での発掘作業に生涯従事することを命じる。残りの人生、少しでもリベルタ国のために役に立ち、罪を悔い改めなさい」

 裁判長の述べる判決文を、ハイデは呆然と聞いていた。
 
 あまりにも予想外かつ衝撃的な内容に、理解も心の準備も、何もかもが追いつかない。
 
 しかし、ついて行けない本人を置き去りに時間と物事は淡々と進んでゆく。

 ハイデは罪人を乗せた馬車に押し込められ、国民から憎悪と恐怖の込められた石を投げられながら、北方の山岳地帯に強制送致された。

 そこで待っていたのは、生涯で最も辛く、苦しく、救いのない日々だった。

 掘っても掘っても、一向に先が見えない狭くて暗い道を掘り進める毎日。
 
 手も顔も肺の中も――綺麗な所なんてないくらい、内も外も真っ黒に汚れきった体。
 
 徹底的に管理され、狂ったり死ぬ寸前でギリギリ意識を保ったまま生かされる。

 いっそ殺してくれ!と絶叫するほどの苦痛と屈辱に満ちた毎日に、何度脱走や自死を試みたことだろうか。

 だが、完璧な監視の下では、自ら命を絶つことすら許されない。

 命の一滴すら搾り取って生かし、国と国民のための労働力として利用する。
 国を売って利益を得ようとしたハイデには、何よりふさわしい罰だった。

 楽に生かさず、逃がさず、狂わせず、さりとて殺すこともしない。

 死より辛い人生。

 今日もハイデはむち打たれながら、「殺してくれ……早く、ころしてくれぇ」と泣き叫びながら石をどけ、出口の見えない道を掘り進める。

 鉱石を砕く音に紛れて、ハイデの耳には繰り返し、アーサーの言葉が鳴り響いていた。



『ばらまいた悪意は必ず、己の元に返って来ますよ』


 
 地獄は続く、まだまだ続く。死ぬまで続く。
 
 出口はどこだ?すぐそこか。それとも、ずっとずっと先か?何日、何ヶ月、何年、何十年先??

 ハイデは知らない。他の誰にも分からない。

 答えは、神のみぞ知る――。

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