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8章:沈黙のらせんと黄昏の帝国男児

黄昏の先に往く、お疲れロイド、不穏な影【side:テオ】

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 【ハンナ、俺は進むべき道が分かったぞ】――テオは目元を乱暴に拭うと、勢いよく顔を上げる。


 憂いの消えた自分の表情を見て、彼女はほっと安堵したように胸をなで下ろした。


 話題は尽きることなく、会えなかった時間を埋めるように二人は話し続ける。
 
 途中から、離れた席にいたソフィアとアーサー、厨房でもらい泣きしていたハンナのご主人を交えて、食卓を囲んで楽しいひとときを過ごした。

 テーブルに並べられたのは、珍しい香辛料で味付けした肉料理を中心に、旬の食材をふんだんに使い帝国風にアレンジしたスープ、かぼちゃや栗のパイなどテオの大好物ばかり。


 ハンナのご主人は元貿易商にしては無口な人だったが、たまに紡ぐ言葉は穏やかさと誠実さに溢れており、好感の持てる紳士だった。

 東の空が茜色に染まる頃――時間を確認したアーサーが「そろそろ……」とこちらに声をかけてきた。


 テオは再び七三に髪型を整え、眼鏡をかけた。


【坊ちゃん、どうか、どうか……お元気で!】

【ハンナも、元気で幸せに暮らしてくれ】


 ハンナとハンナのご主人と固く握手を交し、仲睦まじい夫妻に見送られながら、三人は店を後にした。




 家路につく様々な人が自分の横を足早に通り過ぎてゆく。

 七三髪の眼鏡姿に戻ったテオは、前を並んで歩くソフィアとアーサーの背中を見つめ、黄昏に彩られた街を歩きながら物思いにふけった。


 考えているのは、ハンナが言った言葉――テオの母親のことだ。

【奥様はテオ様を心から愛していますよ。乳母の私でさえ貴方を愛おしく思うのです。自分がお腹を痛めて産んだ息子が可愛くないはずありません】

 ハンナの言葉にテオがすかさず反論した。

 【だが、母上は俺を遠ざけている。『テオ様』とよそよそしく呼んで、目も合わせようとしない。正直、愛されている実感がない】――と眉間にしわを寄せて言えば、彼女は言葉を続けた。

【奥様が距離を置いているのは、他でもない坊ちゃんを守るためなのです。旦那様は、幼い貴方が奥様を恋しがるたび殴りました。奥様は我が子を傷つけないため、遠くから見守り、陰日向に支える決心をしたのです。大切だからこそ近づけないという気持ちは、テオ坊ちゃんにも覚えがあるでしょう?】

 確かに、大事な相手だからこそ側に行けないという気持ちは痛いほど良く分かった。


 大人になったテオは人を使ってハンナを探し出すことも出来た。

 ソフィアについてもそうだ。人を派遣して無理矢理にでも帝国に連れ去ることだって、しようと思えば出来たのだ。

 だが、しなかった。いや、……出来なかった。

 ソフィアのことも、ハンナのことも、形は違えどもそれぞれ愛しているからこそ、傷つけ嫌われる事はしたくなかった。

【あのかぼちゃのパイは、もともと奥様が徹夜で作り、レシピを私に教えて下さったものなのですよ。そして、旦那様が仕事で遅くなる日は、あなたが眠ったあと、奥様は必ずあなたの顔を見に来て、頭を撫でていました。旦那様にもテオ坊ちゃんにも気付かれない方法で、奥様はずっと我が子を慈しみ、守ってきたのです】

 
 まどろみの中で心地よさを感じた優しい魔法の手の主は、母だった。

 大好物の料理のレシピはみんな、もともと母が寝ずに作ったものだったのだ。
 

――そうか。ずっと気付かなかっただけで、俺はちゃんと母に愛されていたんだな。

 
 再び広場の側を通りかかったテオは、中心にそびえ立つツリーを仰ぎ見る。

 寒々とした空に、針葉樹の緑と色とりどりの飾りが映える。

 木のてっぺんには、東方の『シュリケン』のような形をした物が付いていた。

――非効率で不経済で、不思議な祭りだな。

 テオは、もう一度活気あるリベルタの街の風景を目に焼き付けると……。

 足を止め、「オルランド」と名を呼んだ。

 すぐさま前を歩いていたアーサーとソフィアが振り返る。

「明日の会談の際、お前が信頼できる一部のメディアを会場に入れろ。そして内容を余すところなく、国中に、いや世界中に発信してくれ」

「リベルタ側は良いが、帝国側は情報統制が厳しいだろう? 新聞記者を入れてもいいのかい?」

「帝国の責任者は俺だ。俺が良いと言ったら、良いのだ。それに、会談の内容は公式記録として歴史に残るが、人々の元には届きにくい。明日の内容は多くの人の目に触れ、世界中に知ってもらいたい事柄なのだ。――頼んだぞ」

 アーサーは『君は何をしようとしているんだ?』という目線を向けてきたが、こちらの真剣な様子を見て、何も言わずに頷いた。

 テオは「ありがとう」と言うと、両手を広げてソフィアとアーサーの間に割って入った。

 二人の肩を抱きしめて、明るく前を向いて清々しく笑う。


「よし!レーゲルが待っているからな!帰るか!!」


 広場の中央にそびえ立つツリーの後ろで、橙色の太陽が沈んでゆく――。
 

 茜さす一日の終わりは、いつだって物悲しくて寂しい。
 
 太陽が登っている間は不思議と孤独感が薄れるのに、あたりが夜闇に包まれた途端、自分がどうしようもなく独りぼっちに思え、寂しい気持ちになってしまう。
 
 だから、感傷的な気分になる夕焼け空は大嫌いだった。

 自分自身の弱さの象徴みたいで、いつも忌々しく睨んでいたものだ。


 なのに、不思議なものだ……。

 今日はとても……。

「綺麗な空だな。悪くない」

 そう言えば、すぐさま両隣から応えが返ってくる。

「はい、とても綺麗です。ふふっ、目玉焼きの黄身みたいで美味しそうですね」

「ソフィアは食いしん坊だね。でも確かに、塩をかけて食べたら美味しそうな色だ」

「はぁ!? お前、目玉焼きはソースだろうが」

「私は何もかけずに、素材の味をそのまま頂くのが好きです」

「全員、好みが違うとはね……。これは、第一次目玉焼き戦争勃発だな」

 
 他愛ない会話が楽しい。
 
 なんてことない日常が愛おしい。

 大切な人たちが幸せに生きていることが嬉しい。

 今の自分の夢は、父の望んだ偉大な貴族になることでも、帝国で名誉と地位を得ることでもない。


 名を呼べば振り返ってくれる。
 
 大切な者達を守ることだ。


――俺は、真に強い帝国男児になる。


 黄昏の空を見つめ、テオは己のくべき道を決めた――。





 その後、無事に宿泊離宮に戻ったテオたちは、扉をコンコンとノックした。

 すぐさま中から、精一杯テオのふりをしたロイドの意外にも流暢な帝国語が返ってきた。

【俺は今就寝中だ。『帝国男児』たるもの、眠るのは『強さ』を維持するために必要なのであるのだ。要件ならば明日、うけたまわる……ではない……聞くぞ!】
 
 一生懸命テオの振りをしようと頑張っているものの、所々ロイドの生真面目さがうかがえる言葉に、扉の前に立った三人は思わず顔を見合わせた。

 くすくすと悪戯な笑みを浮かべたアーサーが【僕だよ。開けておくれ♪】と声をかけると、すぐさまドアが開き、三人は部屋に無理矢理引き込まれる。

 ロイドはげっそりやつれた表情をしていた。

「お前たち、帰ってくるのが遅い!!一体どこをほっつき歩いていたんだ!はぁ……緊張の連続で胃が持たん……」

「お疲れ、ロイド。何か問題はあったかい?」

「何人か訪ねて来たが、『就寝中』という無理矢理な言い訳で回避した。恐らく気付かれてはいないだろう」

 疲れた様子のロイドを含め、その場にいる全員に向けて、テオはもう一度深々と頭を下げた。

「協力に感謝する。おかげで俺は自分の夢を思い出せた。お前たちに出会えて、本当に良かった」

 顔を上げると、そこにあるのは三人の優しい笑顔で……。
  
 テオは強さもやせ我慢も何一つしない、ただ心に浮かんだ感情のまま、思いっきり豪快に笑みを返した。




 翌日の午前――。

 会談前にテオは新聞を読みながら、一人渋い顔をしていた。

 自分たち帝国使節団の第二陣が来てから、リベルタ王都の治安は急激に悪くなった。
 
 やたらと目につくのが、セヴィル帝国からの不法越境者による犯罪だ。
 
 彼らは夜ごと、貴族宅や市街地でボヤ騒ぎを起こしたり強盗未遂を行ったりなどやりたい放題で、王都市民は怯えながら日々を送っているらしい。

 帝国に対するリベルタ市民の悪感情は日に日に強まるばかり。
 
 昨日街を歩いている時にも、多くのリベルタ市民がセヴィル帝国に対して不平不満を口にしていた。

 例えば……。

『何故俺達リベルタ人がセヴィル人に怯えなきゃいけないんだ?』

『ここは俺達の国だ! さっさと不法越境の問題も片付けて安全な街を取り戻してくれないと、怖くて飲みにも行けやしない!』

『悪いことしているのは全部セヴィル人でしょう? なのに、どうして国は動かないのかしら。和平なんて本当に実現するの? 不安だわ』

『セヴィルの奴め。数十年前も戦争をしかけて来やがって。今度こそ絶対に許せない。我々リベルタ王国の力を見せつけてやるべきなんじゃないのか? 』

 市民が帝国に抱いているのは恐怖心や不信感、そして敵対心。
 
 リベルタ世論も確実に、帝国との衝突の道へと突き進もうとしていた。
 
 両国で開戦の機運が高まっている。
 
 テオは紙面に目を走らせながら【妙だな】とうなった。

――ここ数日の事件は明らかにおかしい。
 
 特に、頻発するセヴィル人による軽犯罪の数々。 

 不法に国境を渡るセヴィル人の多くは貧しい庶民だ。
 彼らは、越冬のため南下する渡り鳥のように、救いを求めてリベルタ王国にやってくる。

 貧しさ故、生きるために異国で犯罪をおかす……それは理解出来るが、こんなに頻発するものだろうか?

――これは仮定の話だが……。

 もし、わざと不法越境者に王都各地で騒ぎを起こさせ、市民の恐怖心をあおることで、リベルタ世論を帝国との全面戦争へと持ち込もうとしている者がいるとしたら……。

【つじつまは合う】

 帝国側に強硬派がいるように、リベルタ側にも戦争によって利益を得るやからがいるのだろう。

【まったく、人はなぜ平穏に生きられないのだろうな……】

 恐らくオルランドあたりは既にこの事に気が付き、対処に乗り出しているとは思うが、あの男がいかにやり手でも、このままでは確実に両国に血の雨が降る。

 テオは新聞をたたむと、音もなくため息をついた。

 そもそもの不法越境問題は、帝国が民の生活を軽んじていたことが原因だ。
 
 貧しさも戦争も、全ては身から出たさび。

 であれば、責任ある立場の自分がすべきことは一つしかない。

【貴族である限り、俺には命をかけて皆を守るべき義務と責任がある。帝国男児たるもの、今こそ強さを、見せる時だ】

 
 テオはデスクの上に置いてある、いくつかの『物』を見つめ、引き出しの中に大切に入れた。

 
 【よし!】――意を決して声を出す。


 椅子から立ち上がると、全てに決着をつけるため、重たい扉を勢いよく開け放って外に出た。迷いのない足取りで、会議場に向かって歩き出した。


 凜と胸を張って前を向き、漆黒のマントをなびかせて。

 金色の瞳は遙か先――守りたい人々の笑顔を思い浮かべ。
 
 不敵に笑った帝国男児は高らかに軍靴を響かせ、自らが進むべき道に一歩足を踏み出した。

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