23 / 51
① 茶番の終わりそして真の罪人は...
しおりを挟む「マリールイーズ!お前何を言っている!?」
ウスターシュは怒声を浴びせるが、この断罪が始まってから今まで一切の感情も表にしてこなかったマリールイーズが今、全身で怒りを露わにしていた。
「あなたとわたくしは赤の他人、さらに平民に過ぎないお前がわたくしの名を呼び捨てにするなど無礼ですわ。
そもそも、貴方のような罪人に名前を呼ばれるなど怖気が走る。二度と口にしないでくださいませ。」
露わにしている怒りに比べあまりにも冷静な声色は、マリールイーズの怒りの深さを表しているようだった。
ウスターシュもその気迫に飲まれてか、口を何度も開け閉めするものの声を出せずにいた。
「姉さん、何を言っているの??なんでそんなひどいことを父さんに言えるの?
父さんが平民?姉さんが平民の間違いでしょ?
それになんで父さんが捕まっているのに助けてあげないの?」
困惑からだんだん詰問するような口調になっていくセシルをマリールイーズはじっと見つめていた。
「はあ・・・、貴女ももう平民なのですからあまり余計なことは言わない方がいいわ。
陛下、わたくしから説明してよろしいでしょうか?」
「ああ、良い。他にも分かっていないものがいるから詳細に語ってくれて構わん。
時間ならたっぷりあるしな。」
「ありがとうございます。
セシル、そもそもドーリッシュ公爵家の血筋なのはわたくしのお母さまの方なの。ウスターシュにドーリッシュ公爵家を継ぐ権利はないのよ。」
「で、でも、父さんはずっとドーリッシュ公爵だって・・・。」
「それはね、わたくしのお母さまの結婚相手であったから、現公爵であるわたくしの後見として着いて公爵を名乗ることを許されていたの。
だから正式にはウスターシュはドーリッシュ公爵代理だった。慣例として、成人などしてわたくしが正式に公爵としてお披露目されるまでは後見人で代理のウスターシュが公爵を名乗ることを許されていたに過ぎないわ。」
「そんなっ、嘘よ!父さんは公爵家の人間だわ!」
10
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
転生したら捨てられたが、拾われて楽しく生きています。
トロ猫
ファンタジー
2024.7月下旬5巻刊行予定
2024.6月下旬コミックス1巻刊行
2024.1月下旬4巻刊行
2023.12.19 コミカライズ連載スタート
2023.9月下旬三巻刊行
2023.3月30日二巻刊行
2022.11月30日一巻刊行
寺崎美里亜は転生するが、5ヶ月で教会の前に捨てられる。
しかも誰も通らないところに。
あー詰んだ
と思っていたら後に宿屋を営む夫婦に拾われ大好きなお菓子や食べ物のために奮闘する話。
コメント欄を解放しました。
誤字脱字のコメントも受け付けておりますが、必要箇所の修正後コメントは非表示とさせていただきます。また、ストーリーや今後の展開に迫る質問等は返信を控えさせていただきます。
書籍の誤字脱字につきましては近況ボードの『書籍の誤字脱字はここに』にてお願いいたします。
出版社との規約に触れる質問等も基本お答えできない内容が多いですので、ノーコメントまたは非表示にさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?
naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。
私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。
しかし、イレギュラーが起きた。
何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。
ヒーローだって思春期だもんね!なんて思った私がお願いしたことは・・・
かぜかおる
恋愛
ネット小説の世界に転生していた私、ありがちな悪役令嬢ってやつでした。
これからネット小説の舞台の学校が始まるって時に呼び出された私がお願いしたことは・・・
・・・おばちゃん、まさかこんなことになるだなんて思わなかったよorz
設定ゆるゆる頭を空っぽにして読みましょう
ちょいゲスいかなってセリフがあるのでR15、まあ保険です
4話完結
もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~
鐘ケ江 しのぶ
ファンタジー
第15回ファンタジー大賞、奨励賞頂きました。
投票していただいた皆さん、ありがとうございます。
励みになりましたので、感想欄は受け付けのままにします。基本的には返信しませんので、ご了承ください。
「あんたいいかげんにせんねっ」
異世界にある大国ディレナスの王子が聖女召喚を行った。呼ばれたのは聖女の称号をもつ華憐と、派手な母親と、華憐の弟と妹。テンプレートのように巻き込まれたのは、聖女華憐に散々迷惑をかけられてきた、水澤一家。
ディレナスの大臣の1人が申し訳ないからと、世話をしてくれるが、絶対にあの華憐が何かやらかすに決まっている。一番の被害者である水澤家長女優衣には、新種のスキルが異世界転移特典のようにあった。『ルーム』だ。
一緒に巻き込まれた両親と弟にもそれぞれスキルがあるが、優衣のスキルだけ異質に思えた。だが、当人はこれでどうにかして、家族と溺愛している愛犬花を守れないかと思う。
まずは、聖女となった華憐から逃げることだ。
聖女召喚に巻き込まれた4人家族+愛犬の、のんびりで、もふもふな生活のつもりが……………
ゆるっと設定、方言がちらほら出ますので、読みにくい解釈しにくい箇所があるかと思いますが、ご了承頂けたら幸いです。
どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。
kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。
前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。
やばい!やばい!やばい!
確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。
だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。
前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね!
うんうん!
要らない!要らない!
さっさと婚約解消して2人を応援するよ!
だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。
※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる