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しおりを挟む王子とお忍び下町観光の日
朝日と一緒に起きた
私は旅行当日の子供か、と自分に突っ込みを入れ天気を確認する為に窓辺に立った
快晴、素晴らしい
前世の記憶が甦っての初めてのお出掛けだけに雨は避けたかったので
待ち合わせの一時間前に王子が来た
私より浮かれてる人がいた
今日の私は街人A、王子はAの姉の設定です
王子ワンピース姿がとてもお似合いでいらっしゃいます。紛れもなく金髪美女、お美しい
だからダサ眼鏡を渡してお下げにしてやった
「これだから美少年は目立つのは困るんだよね」
私がぶつくさ言いながら髪を編んでる間、王子は頬に手を添え喜んでいた
私は勿論瓶底眼鏡で縦ロールは帽子の中へ
風呂上がりでも縦ロールなこの髪型は形状記憶合金かな?自然発生する縦ロールは天パなのかもしれない
街へ出たら色々な店が軒を並べていた
取り敢えずは前菜のチョコバナナからいきますか
私が口に入れたら王子が顔を真っ赤にしてジット見てくる
このムッツリめ、卑猥な想像をするんじゃない
「キャァアアア!!」
私でも王子でもない
悲鳴の方に視線を向ければ水色の髪した女の子が男達に絡まれていた
イベントか?!と思い隣を見たら………あれ?いない
王子は何処へ?
射的してる
いつの間に、狙いは熊の木彫り………いる?
えーっと王子?助けなくていいの?
王子の肩を叩いて水色の髪を指させば
「分かった」
王子が銃を構えて撃った
「ふぎゃっ!」
水色の髪のデコに当たった
泡吹て倒れてる
射的だよね??
「下僕に欲しかったんでしょ」
やめて、あらぬ誤解を生む
「はっ?いりません」
男達が青い顔してこちらを振り返りました
「じゃあ男の方?」
声の温度が下った、王子から冷気が発生してます
「違います。いりません。どちらもいりません」
「そっか。じゃあ何がいい?」
雰囲気が軟らかくなり、ニッコリと聞いてくる
「あ……え……木彫りで…………」
「やっぱり欲しかったんだね」
お父様のお土産が決まりました………
イベントじゃなかったみたいです
……忘れよう。串焼きでも食べようかな
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