上 下
9 / 13

しおりを挟む
 
 
 サクサクモグモグ只今3時のおやつタイム中
 何時も通りオレは魔王様の膝の上で魔王様に食べさせて貰っています
 慣れってこわい
 最近気にならなくなった
 「魔王様ぁ1つお聞きしたいのですがよいですか?」
 「かまわん、申せ」
 「今日人間界から特使が来るのですよね?」
 「ああ。そろそろ来るぞ」
 「はぁっ?えっ?ええ??そろそろ?」
 来るぞって貴方!魔王様!!いやいやいや今の状況可笑しいでしょ
 絶対権力者の膝の上にオレがいるよ
 魔王様をチラリと見たら、ニコニコしながらクッキーをオレの口に入れてきます
 「どうした?口に合わないか?」
 モグモグとっても美味しいですよ
 「味良し匂い良し歯触り良しで丼ぶり三杯はいけますよこのクッキー、ではなくて特使には誰が来るんですか?」
 「勇者パーティーだ」
 ん?んん??勇者パーティー?
 特使が勇者パーティー
 勇者パーティーって魔王討伐の為のパーティーだよね
 あれ?人間界に喧嘩売られてませんか?
 「殺るんですか?」
 「特使殺してどうする」
 さっぱりしますよ
 「料理するんですか?」
 「不味いだろ」
 人間食べませんけど
 「片付けるんですか?」
 「場所がない」
 確かに
 「始末するんですか?」 
 「お前それ全部殺ると同じだろうが。可愛い顔して物騒な奴だな」
 ふふっあわよくば殺れたらいいかな、なんて
 
 
 勇者との謁見の時間です
 宰相が勇者来たから来てーて呼びに来た
 「よくぞ来た。勇者諸君よ」
 王座に足組んで格好良く座って偉そうに魔王様が勇者達に挨拶したけど、オレを膝に乗せてたら台無しよ
 メッチャ勇者達がオレ見てるし
 見るよね~
 堅苦しい恒常を述べなが魔王様の膝が気になってしょうがない感じがヒシヒシ伝わって来る 
 勇者達が困ってますよ魔王様
 「ぁっあのう……そちらの方は?」
 訪ねちゃいましたか
 スルーしきれませんでしたか……残念です
 まだまだ青いですね
 側近の方々は御使いを頼んで来ますよ
 「んッ?」
 んッ?じゃないです
 「私は魔王様の下僕Aです。膝を温めておりました。今日は冷えますから。お邪魔みたいななので失礼いたします」
 オレは立ち上がり謁見の間を後に、出来なかった
 腰に腕をガッツリ回されて動けない
 『魔王離せや!オレを巻き込むな!』とは命が惜しいので言えません
 「……離して下さい」
 勇者達から見えない位置で魔王様の手を抓れば魔王様は嬉しそうです………何故
 足を踏めばニヤニヤされた
 イラッとします
 側近と宰相は笑うのを耐えています
 勇者がオレを殺す勢いで睨んで来る
 オレ何かしたっけ?
 初対面のはずですが……ぁあオレの人差し指と薬指が勇者の目に狙いを定めて動き出しそうだ……
 オレの意思じゃないよ
 あの目がそうさせるんだ

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

悪役令息は、王太子の股間に顔面ダイブしてしまった!

ミクリ21
BL
悪役令息になる前に、王太子の股間に顔面でダイブしてしまい王太子から「責任取ってね♪」と言われてしまう。

魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。

柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。 そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。 すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。 「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」 そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。 魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。 甘々ハピエン。

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】

瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。 そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた! ……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。 ウィル様のおまけにて完結致しました。 長い間お付き合い頂きありがとうございました!

勇者よ、わしの尻より魔王を倒せ………「魔王なんかより陛下の尻だ!」

ミクリ21
BL
変態勇者に陛下は困ります。

婚約破棄されたオメガは隣国の王子に求婚される。

香田
BL
「オメガバース」「婚約破棄」をお題にしたBLの短編小説。 この後、ハンスのことを憎み切れないトーリにリチャードは嫉妬するし、ハンスは手放してしまったことを酷く後悔をする。

【完結】役立たずの僕は王子に婚約破棄され…にゃ。でも猫好きの王子が溺愛してくれたのにゃ

鏑木 うりこ
BL
僕は王宮で能無しの役立たずと全員から疎まれていた。そしてとうとう大失敗をやらかす。 「カイ!お前とは婚約破棄だ!二度と顔を出すんじゃない!」  ビクビクと小さくなる僕に手を差し伸べてくれたのは隣の隣の国の王子様だった。 「では、私がいただいても?」  僕はどうしたら良いんだろう?え?僕は一体?!  役立たずの僕がとても可愛がられています!  BLですが、R指定がありません! 色々緩いです。 1万字程度の短編です。若干のざまぁ要素がありますが、令嬢ものではございせん。 本編は完結済みです。 小話も完結致しました。  土日のお供になれば嬉しいです(*'▽'*)  小話の方もこれで完結となります。お読みいただき誠にありがとうございました! アンダルシュ様Twitter企画 お月見《うちの子》推し会で小話を書いています。 お題・お月見⇒https://www.alphapolis.co.jp/novel/804656690/606544354

悪役王子の取り巻きに転生したようですが、破滅は嫌なので全力で足掻いていたら、王子は思いのほか優秀だったようです

魚谷
BL
ジェレミーは自分が転生者であることを思い出す。 ここは、BLマンガ『誓いは星の如くきらめく』の中。 そしてジェレミーは物語の主人公カップルに手を出そうとして破滅する、悪役王子の取り巻き。 このままいけば、王子ともども断罪の未来が待っている。 前世の知識を活かし、破滅確定の未来を回避するため、奮闘する。 ※微BL(手を握ったりするくらいで、キス描写はありません)

処理中です...