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しおりを挟むオレは今ショックを受けてブロークン・ハートだ
と言っても恋には全く関係してない
ある意味破れましたけど
敢えて表現するならそんな感じってだけです
宰相が酷いんです
ようやく手に入れて大切にしまってたのに
久し振りに頑張ったのに
オレ傷付いちゃたんですからね
魔王様に言い付けてやる!
「魔王様ぁあぁあああああ!!宰相がオレのプリン食べたんですうぅうう!!!」
ボキッ!
ドゴォオオオオ
「ゴフゥゥウウ?!!」
オレは勢いよく扉を開けて魔王様に抱き付いた
魔王様が何故か壁に減り込んでる
何故?趣味?
「ゲフッ!!」
へっ?大変魔王様が吐血した
えっ何処か悪いの?
「………ゥゥッ……どうした?抱き着かれるのは嬉しいが。俺じゃなければ死んでるぞ」
「フフッ。オレそんな強くないですよ」
「イヤイヤ力だけはあるから」
「…………そんなことよりも」
「俺の肋骨何本かいったぞ……」
「些細なことです」
「プリンよりもか?」
「助骨は自動回復しますが、失われたプリンは戻ってこないんですよ!」
「………そうか……」
オレの熱い思いとは反対に魔王様の目が冷たい
「そうです!宰相に食べられたプリンはただのプリンではないんです」
オレの睡眠と布団から出た努力の結晶のプリンなのです
「このオレが態々早起きして、人間界まで行って、買ったプリンです。しかも一時間も並んだんですよ」
限定150個のお一人様5個のとろけたプリン
「タイヘンダッタナ」
「魔王様と一緒に食べようと思ってたのに」
3つは食べましたけど、次の日に食べようと残しておいた2個なのに宰相が「食べときました」って、偶には労おうと魔王様にあげるつもりだったのに
「何だとぉおおお!宰相めえ!!」
魔王様……そんなにプリン食べたかったんですか
分かります
人の奢りで食べるのは格別ですからね
「よし!人間界に行くぞ!」
あっなんか気持ち冷めてきた
熱くなってる人見ると自分が冷静になれますね
「今からですか?」
「そうだ」
「とろけたプリンは火曜日限定商品です。今日は水曜日なので売ってません」
どんだけプリン食べたかったんですか魔王様
「プリンが食べたいならオレ作りますけど。お店程上手くはないですが」
「お前作れるのか?」
「ええ偶には作りますよ」
「そ、そうか……」
えっ魔王様何故そこで顔を赤らめる
「フンッ仕方ない食べてやる」
オレ、ツンデレ属性に興味ないです
「では15時のおやつにお持ちしますね」
宰相にはムカついたけど魔王様に怒ってもらう程のことでもなかったかな
宰相が「貴方の物は私の物、私の物は私の物。何てのは冗談ですが、名前がなかったら皆んなの物です。私はパンツにも名前を記入してますよ。嘘ですけどね」
すみません。オレ性格の捻れすぎてる方のことが理解出来ない真っ直ぐな性格なので
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