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しおりを挟む魔王様専属のお世話係のオレ
フフンッ最高権力者の専属って響きはちょっとカッコイイよね
ちょっと偉くなった気がするし
実際は底辺の雑魚ですけどね
お世話係って言ってますけどただの下僕ですけど
昔母が言っていた「志だけは大きく持ちなさい」と
ムリムリ
オレに出来るのは『虎の威を借る狐』だけです
後で何されるかわからないのでしませんけど
ちょう腰低くして生きてます
魔界は力時々頭脳が全てだから
魔力なんて魔王様の爪の先程もありませんので何時でも消される存在です
だからですね、魔王様が黒と言えば白くても黒です
ですが……時々逆らいたくなるのは何故でしょう
宰相と側近の方々は魔王様が黒って言っても白は白と鼻で笑います
カッコイイよね
白って言えちゃうんだから
でもね……魔王様を誂うのは辞めて下さい
あんなでも魔王様繊細なんですから
第一オレが迷惑なので
今日なんてお茶を持って扉を開けたら、突然魔王様が飛び付いて来た
「うわっ!?」
透かさず右へ体重移動
壁が破壊された音がしたけど気にしたら負けだ
振り向いてはいけない
危なかったオレ、物理的に
お茶も無事だ
危ない危ない
「こらぁ~テメェェ俺を慰めろぉおぉぉ!!」
え~っ面倒くさ~い………と心の中でだけ呟きます
仕方がないので魔王様の頭をヨシヨシしときます
「い~子、い~子?」
あっコンクリートの欠片が頭に付いてましたよ
魔王様は顔をニヤニヤさせてオレを抱き上げそのまま自分の椅子に戻り、オレのペラペラの胸に顔をスリスリギュウギュウ圧縮されて危うく中身が出そうになりました
あ~今日も仕事が出来ません
ティーセットは側近の方に丸投げしときました
時々魔王様が幼児化してウザいッス
オレ下級悪魔らしくひ弱なのであっさりあの世へ旅立てる自信があります
まだまだ生きたいので双方お手柔らかにお願いします
部署移動お願いします
宰相が「上司を慰めるのも仕事です」とオレに言いますが……貴方の上司でもあると思うんです
宰相が「私は鞭としての役割です。第一嫌ですよ」後者が本音ではないでしょうか?
言いませんけどね
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