魔王が生まれ変わったら父が勇者で母が聖女だった

14（勇者の仲間がやって来た）

　
　何ということだ………
　今日は勇者パーティの1人銀髪姫？魔物界隈では銀髪鬼の呼び名の剣士が親子でやって来る
　独り善がりの銀髪小僧の親でもある
　家に……えっ？どうやって
　我が家は山２軒先の頂上ですけど、馬車なら一日半、徒歩なら３日、勇者なら４時間、聖女なら……勇者に乗って２時間……かな………フフッ…………全力疾走させられて、大丈夫途中でヘバッてもヒール掛けてくれる
　聖女だから、何度でもヒール掛けてくれる
　あら、まぁ、そうですか、そうなんですか、瞬きしてる間に着くのですか
　父親が高位の魔術師なので転移してくるのですね
　転移魔法を使える魔道士は国に５人しか居なかったかと存じ上げますが、フフッ心配は無用でしたね
　じゃあ一歩敷居を跨いだらお帰り下さい
　今まで村人1人来なかったじゃない
　何故に来る………勇者の仲間って我詰んでる


　「シェルちゃ～ん」
　ぅうわ！っ来た、来ちゃったよ
　銀髪２人に怪しいおっさん1人
　普通にお互い挨拶し合ってる
　我にも挨拶しろと聖女が我を前に出す
　えっ生贄？
　家に勇者パーティ増々
　我は元魔王なり
　今は脆弱な幼女なり
　死ぬ、死ぬ死ぬ、我の命もここまでか………
　ぁあ胃がチクチクしてきた
　気を失っちゃおうかな
　気絶してる間にさくっとサクサクと殺してくれるといいな、痛いのやだな
　目を瞑ってみたが簡単に気絶って、しないもんだな
　令嬢の必殺技なのに
　我は可憐な美幼女なので同じカテゴリーでいいと思うんだ

　銀髪が我に抱きつこうとしたら、出来る弟が我の前に立ち塞がり銀髪から我を隠す
　「ネネに抱きついていいのはボクだけです」
　違うよ
　「シェルちゃんにキスしていいのは俺だけだ」　
　銀髪の頭が湧いたみたいだ
　「シェルたんは将来パパのお嫁さんになるんだ」
　口を開けば願望しか口にしないなあの勇者
　「シェルに害なす者はもぐわよ」
　どこを？首ですか？胴体ですか？
　「キャハハハハハハッ！！何それおもしろ～い！わたしももぐぅう」　
　聖女と同じカテゴリーのかたですか？
　「皆んな元気だねアハハハハ」
　おっさん呑気だな
　大人が四人居て何故まともな奴がいない
　もう帰って……