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ジュウニ

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 部屋の中心で優雅にお茶してる相手は先日やり逃げ?やられ逃げ?した相手
 目が飛び出す程に驚いたヘルメスだったが直ぐに視線を反らした
 往生際の悪いヘルメスはばっくれてやり過ごすことは出来ないか模索する 
 名前は知られてるがあの日の人物とは別人だと誤魔化せればそれ良し
 知らぬ存ぜぬで通せば人違いだったと帰してくれるに違いない
 「ひっ…」
 エルネストの視線はヘルメスにロックオンされ冷や汗が噴き出る
 眼光の鋭さにヘルメスは怯えた
 上司の服の裾を掴む程に
 「可愛い……」
 「面白いな」
 「チッ」
 上からエルネスト、殿下、宰相補
 睨まれてると勘違いしたヘルメスは生きた心地がしない
 下手な嘘や言い訳をしたら殺られる
 この場を切り抜ける最良の選択は………ない!
 取り敢えず思い出してみよう
 ………フッあの日の事はアリンコ程の記憶もない
 きっとあの時あの場所で何かやらかした
 男の沽券に関わる侮辱や侮蔑をしたのかもしれない
 じゃなければ探し出して呼び出すなどと無駄な時間を裂く筈がない 
 ハッ!ちょっと待て宰相の向かいで殿下が寛いでいるではないか
 もしや二人は出来ている
 そしてあのモブっぽい人はカモフラージュ要員
 さっきツマだとかコイビトだとかのリア充ワードを言っていではないか
 金と銀の二人を見れば、どっちが上だろう?
 まぁどっちが上でも下でも自分は浮気相手となるなのかとヘルメスの脳内で推測された
 えっもしかして修羅場なの?
 何それ!凄くやばくない!
 既に逃げ道はない
 そうかここに呼ばれたのは不敬罪で牢獄入りさせる為だ
 逃げたい、脱兎の如く逃げたいが家族に迷惑が掛かってしまう
 「すみませんでした」
 スライディング土下座で謝罪するヘルメス
 世の中誠意を持って謝れば何とかなったりする
 兎に角謝ろう、謝り倒して怒りを鎮めてもらわなけらば
 罰は鞭打ち20回位で勘弁してくれないだろうかと密かに思う
 1番いいのは謝罪だけで済ませてくれれば有り難い
 チラッとエルネストを見ればめっちゃ睨んでる~無理だなと諦めた
 「私はどうなってもかまいません。家族には何もしないで下さい。お願いします」
 後で上司がオロオロしているがこの際無視だ
 今はそれどころではない
 オーランド家の存続がかかっている
 「フッアハハハッ……フフッいい!いいよ君!!クククッアハハハ!!……」
 謝るヘルメスに殿下は吹き出し笑いが止まらない
 「殿下失礼ですよ。でも面白過ぎですけどね」
 宰相補は殿下を諌めてはいるが顔がニヤニヤしている
 「君は何か勘違いしているようだな。ふむ…まぁちょうどいいか。ここに座りなさい」
 二人を無視して宰相はヘルメスに隣に座るように促す
 おずおず座るヘルメスの手を取り男は言った
 「君は責任をとって私の妻になりたまえ」
 「はっ?」
 「私は妻になる者以外と体を重ねるつもりはない。よって私の童貞を奪った君は責任をとるのが筋だろう」
 「………へっ?……えっーとぉ俺も処女を奪われたわけですし……その……お互い様と言う形でこのお話は終わりにしませか?」
 
 
 
 
 
 
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