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レイラの考え事 sideアルク
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私のレイラは出会った頃から不思議な子ではあった。
私と話している時、眼が煌めく星々の様にキラキラと輝いたかと思ったら、悲しげな表情を浮かべ何処か遠くへ行ってしまいそうな空気を醸し出す事がある。
その度に私が気を紛らわせてきた。
そして今朝の出来事。
あの非常識の代名詞の様な少女と出会った瞬間だ。
私が彼女を助けに行かなければ良かったのだろうか。
確かに彼女は可愛いらしい容姿をしていたが、それは一般的にはだ。
私にはレイラがいるし、レイラは容姿も中身も素晴らしい。レイラと彼女を比べる事すら愚問だ。
彼女の態度も庶民でも下の下だろう。酷すぎる。
一応、紳士という名目で彼女を助けたが、正直無視したかった。
彼女とは金輪際関わるまいと心に決めながらレイラの元に戻ったが、レイラの顔はまるで美しい夢が醒め、悪夢が始まるかの様な絶望した顔になり何か考え込んでいた。
レイラの気を逸らすために声をかけたが、レイラは彼女の元へと向かってしまった。
どうるす気かとハラハラするのと同時に彼女がレイラに何かしようものならと構えていた。
そしてレイラは彼女に言った。
「私のアルク様を呼び捨てにするなんて!許せませんわ!!」
私の?え?今、私のアルク様と言った?
レイラに悪い虫が付かぬよう、レイラは私の婚約者と知らしめる為と独占欲で私のレイラと常に言っているが、レイラが私のアルク様と言うのは初めて聞いた。
なんだかとてもむず痒く、誕生日プレゼントよりも嬉しいものだと感じた。
しかも私に手を差し伸べられて羨ましいとも言っていた。
なんと!そんな事でレイラが喜ぶならこれからは毎日、この学園内でカップルしか出来ない指を絡ませた恋人繋ぎをしよう。
それに、それは私にとってはご褒美だ。
最後にレイラは、彼女の顔の汚れを優しく取ってやり、気をつけるように言い聞かせてこちらに戻ってきた。
レイラは普段、あんなに声を荒らげることはないから正直驚いたが、愛しいレイラの新たな一面を見れて私は嬉しかった。
何処かやり切った感を出し満足気な顔をしたかかと思いきや、またもや悲痛な顔を変えこちらに戻ってきた。
あんなに悲しい顔をするなんて。
彼女に何か言われたのか?ここからでは見えないが何かされたのだろうか?
レイラに聞いても緊張しただけと誤魔化されてしまった。
何か隠していると直ぐにわかったが、レイラが言いたくないことは無理に聞くことは出来ない。
だから今は誤魔化されてあげるよ。
レイラへのご褒美として手を繋げば、レイラは恥ずかしがりながら気を遠くへやっていた。器用だな。
レイラの手は私の様にゴツゴツはしていなく、柔らかくて細く、小さかった。私はこの手を離すまいと指をしっかりと絡めた。
教室に着きレイラの友人リゼル・スフレ嬢に会うと、レイラは元の気に戻った。
しかし、私と席に着くなりまたもや考え事をし、何かを閃いていた。
気になって聞いてみると旅をするなら何処へ行くかと聞かれた。
私から離れる気なのか?
そんな事は許さないよ。
レイラは私の唯一。私の婚約者。私のレイラ。
逃がすなんてことはしないよ。
君が何を考え、何処へ行こうと。
私と話している時、眼が煌めく星々の様にキラキラと輝いたかと思ったら、悲しげな表情を浮かべ何処か遠くへ行ってしまいそうな空気を醸し出す事がある。
その度に私が気を紛らわせてきた。
そして今朝の出来事。
あの非常識の代名詞の様な少女と出会った瞬間だ。
私が彼女を助けに行かなければ良かったのだろうか。
確かに彼女は可愛いらしい容姿をしていたが、それは一般的にはだ。
私にはレイラがいるし、レイラは容姿も中身も素晴らしい。レイラと彼女を比べる事すら愚問だ。
彼女の態度も庶民でも下の下だろう。酷すぎる。
一応、紳士という名目で彼女を助けたが、正直無視したかった。
彼女とは金輪際関わるまいと心に決めながらレイラの元に戻ったが、レイラの顔はまるで美しい夢が醒め、悪夢が始まるかの様な絶望した顔になり何か考え込んでいた。
レイラの気を逸らすために声をかけたが、レイラは彼女の元へと向かってしまった。
どうるす気かとハラハラするのと同時に彼女がレイラに何かしようものならと構えていた。
そしてレイラは彼女に言った。
「私のアルク様を呼び捨てにするなんて!許せませんわ!!」
私の?え?今、私のアルク様と言った?
レイラに悪い虫が付かぬよう、レイラは私の婚約者と知らしめる為と独占欲で私のレイラと常に言っているが、レイラが私のアルク様と言うのは初めて聞いた。
なんだかとてもむず痒く、誕生日プレゼントよりも嬉しいものだと感じた。
しかも私に手を差し伸べられて羨ましいとも言っていた。
なんと!そんな事でレイラが喜ぶならこれからは毎日、この学園内でカップルしか出来ない指を絡ませた恋人繋ぎをしよう。
それに、それは私にとってはご褒美だ。
最後にレイラは、彼女の顔の汚れを優しく取ってやり、気をつけるように言い聞かせてこちらに戻ってきた。
レイラは普段、あんなに声を荒らげることはないから正直驚いたが、愛しいレイラの新たな一面を見れて私は嬉しかった。
何処かやり切った感を出し満足気な顔をしたかかと思いきや、またもや悲痛な顔を変えこちらに戻ってきた。
あんなに悲しい顔をするなんて。
彼女に何か言われたのか?ここからでは見えないが何かされたのだろうか?
レイラに聞いても緊張しただけと誤魔化されてしまった。
何か隠していると直ぐにわかったが、レイラが言いたくないことは無理に聞くことは出来ない。
だから今は誤魔化されてあげるよ。
レイラへのご褒美として手を繋げば、レイラは恥ずかしがりながら気を遠くへやっていた。器用だな。
レイラの手は私の様にゴツゴツはしていなく、柔らかくて細く、小さかった。私はこの手を離すまいと指をしっかりと絡めた。
教室に着きレイラの友人リゼル・スフレ嬢に会うと、レイラは元の気に戻った。
しかし、私と席に着くなりまたもや考え事をし、何かを閃いていた。
気になって聞いてみると旅をするなら何処へ行くかと聞かれた。
私から離れる気なのか?
そんな事は許さないよ。
レイラは私の唯一。私の婚約者。私のレイラ。
逃がすなんてことはしないよ。
君が何を考え、何処へ行こうと。
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