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ヒロインちゃんとエンカウント

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アルク様は現在15歳。3年後には卒業され、アルク様の兄のローラン様の側近として城務めになるとのこと。
因みにローラン様は裏ルートになります。アルク様と仲良くなり、城へ出入り出来る様になる事が条件。
ローラン様の誕生日パーティにローラン様が暗殺されそうになる所を防げればローラン様ルートに入る。
私はアルク様が慕っているローラン様を助けたい。直接助けるのは無理そうなので、そこはおいおい考えましょう。

アルク様と一緒に過ごせるのは残りこの3年間のみ。
7歳からこの8年間、アルク様と仲良く平和に過ごして参りました。
アルク様をお慕いしておりますが、ヒロインちゃんの為。私は心を鬼にして悪役令嬢になりきります。
みんなハッピーで終わればそれで良い。

婚約破棄は私達のの卒業パーティーで。
アルク様の婚約者でいられる最後の瞬間です。

馬車の中でつらつらと考えていたからか、いつの間にか学園に到着していました。

馬車を出ると8年間の習慣であったアルク様がお出迎えしてくれるイベントが待っていた。

「おはよう。私のレイラ。今日も美しいね。」

もう!もう!朝からなんて口説き文句!!
毎朝言われているセリフでも全然慣れず、真っ赤に染まった顔が恥ずかしくていつも俯いてしまうのです。

「·····あ、ありがとう·····ございます。·····ア、アルク様もとても素敵ですわ。」

恥ずかしくて俯いてしまうけど、アルク様が素敵な事を伝えたいので、もごもごしながらも頑張って伝えます。最後の方は早口になってしまうのは許して欲しいです。

「ふふ。8年も経っているのにレイラは初心なままだね。そんな君が愛らしいよ。」

もうダメ!甘い笑顔でお色気ムンムンな声で言わないでくださいませ!!
私の心臓が持ちません!!
あ、遠巻きに見てるご令嬢達までも真っ赤なっております。きっとアルク様のお色気に当てられたのですね。
でも、ダメです!この瞬間だけは私だけのものなのです!!
取り乱してすみません。でもアルク様が素敵過ぎるのがいけませんね。

「さあ、そろそろ移動しようか。遅刻になってしまうからね。」

アルク様が差し出してくださった腕に自分の手を添えて歩き初めました。
その時、

「きゃっ!!」

と、後方から女子生徒の声が聞こえました。
その声に釣られ、私とアルク様は振り返りました。

そこには、地面に膝と手を付き俯いた少女がいました。

あぁ。ついに来てしまったのね。
ヒロインちゃん。。
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