さくらんぼ

〜episode記憶⑦〜

最後の体育祭前の事。
私は自分の組のリーダーをやっていた為、放課後も練習があり、いつも部活動生と同じ時刻が下校時間だった。
そんなある日友達には先に帰っててもらい、いつものように遅い時間に1人で帰っていた。
すると何メートルか先には私の大好きな人が。
そう、葵だ。
葵も1人で帰っていたようだ。
当然私は近寄って一緒に帰ろうと誘う。
葵は「うん｣とも言わず頷きもしなかったが、私の歩幅に合わせて車道側を歩いてくれた。
そういう所だよ。
私が好きなのは。
私が1人でふふっと笑っていると
「どうかした？｣
と真顔で聞いてきた。
「私の歩幅に合わせてくれるしさりげなく車道側を歩いてくれてるから優しいなって｣
と返すと
「当たり前じゃん？一応ヒナは女の子なんだし｣
「一応が余計なんですけど？｣
「えっまさかの男のk…｣
「んなわけあるかっっ！（怒）｣
そんなバカみたいな話をしながら2人で笑いながら帰った。

見られているともしらずに…