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〜episode47〜
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かずside
ヒナが、僕といたいって、これからは僕だけを見てる、って言ってくれた。
これ以上に嬉しいことなんてない。
だけど僕は気づいてる。
ヒナの『本当の』気持ちを押し殺させてしまっていることに。
でも、でも…。
一生に一度の僕のわがまま。
せめて僕がここに、この世界に居られるまでは…偽りでもいいから、この夢の続きを見させて欲しい。
神様というものがいるのなら、同情でもなんでもいいから…叶えてみせてくれないか?
「ヒナ、調子が良くなってきたんだ。一緒に庭へ行かない?」
「うん、もちろんだよ!ここに来た時から見たいと思ってたんだ~!」
「ふふ、楽しみにしてくれてたのなら良かった」
ヒナはすでに泣き止んでいる。
暗い雰囲気を明るくしたかったのだろう。
彼女自身も明るく振舞っている気がする。
「それじゃあ…ヒナ、お手をどうぞ」
僕はにっこりと微笑みながらヒナに手を差し出す。
「えへへ…ちょっと恥ずかしいね」
少し照れながら言う君の手を握る。
あと何回僕はこの手を握れるのかな。
僕の部屋を出て、庭へと進む。
今はちょうど雨が降っている。
僕は雨が好きだ。
雨が落ちた時何かに当たる音。
何よりも…
「わ、雨の匂いがする~!私この匂い好きなんだよね」
「そうなんだ…ふふっ」
「あれ?急に笑って…どうしたの?」
「僕もちょうど同じこと考えててね。この匂いの良さが分かる人…あんまりいないからさ」
「確かに!私の友達もみんな分からないって言うし…」
「じゃあ…この匂いの良さは僕とヒナだけの秘密だね」
「ふふ、なにそれー!」
こんなにも楽しい時間が…どうか、ずっと続きますように。
ヒナが、僕といたいって、これからは僕だけを見てる、って言ってくれた。
これ以上に嬉しいことなんてない。
だけど僕は気づいてる。
ヒナの『本当の』気持ちを押し殺させてしまっていることに。
でも、でも…。
一生に一度の僕のわがまま。
せめて僕がここに、この世界に居られるまでは…偽りでもいいから、この夢の続きを見させて欲しい。
神様というものがいるのなら、同情でもなんでもいいから…叶えてみせてくれないか?
「ヒナ、調子が良くなってきたんだ。一緒に庭へ行かない?」
「うん、もちろんだよ!ここに来た時から見たいと思ってたんだ~!」
「ふふ、楽しみにしてくれてたのなら良かった」
ヒナはすでに泣き止んでいる。
暗い雰囲気を明るくしたかったのだろう。
彼女自身も明るく振舞っている気がする。
「それじゃあ…ヒナ、お手をどうぞ」
僕はにっこりと微笑みながらヒナに手を差し出す。
「えへへ…ちょっと恥ずかしいね」
少し照れながら言う君の手を握る。
あと何回僕はこの手を握れるのかな。
僕の部屋を出て、庭へと進む。
今はちょうど雨が降っている。
僕は雨が好きだ。
雨が落ちた時何かに当たる音。
何よりも…
「わ、雨の匂いがする~!私この匂い好きなんだよね」
「そうなんだ…ふふっ」
「あれ?急に笑って…どうしたの?」
「僕もちょうど同じこと考えててね。この匂いの良さが分かる人…あんまりいないからさ」
「確かに!私の友達もみんな分からないって言うし…」
「じゃあ…この匂いの良さは僕とヒナだけの秘密だね」
「ふふ、なにそれー!」
こんなにも楽しい時間が…どうか、ずっと続きますように。
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