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〜episode33〜
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それから、かずは休み時間の度に私の元へ来るようになった。
正直多いのではないかとも思うけど、私はつきあった経験がないから、普通の恋人はこんなものなのかと思うことにした。
かずが私の元へ来る度に、私と話していた葵はどこかへ行くようになった。
何故か葵とかずの仲は険悪なようだ。
私の知らない所で二人の間に何かあったのだろうか。
疑問に思った私はたまにかずに聞いてみた。
葵と何かあったの、って。
そしたらかずはいつも
「何でもないよ、ヒナが気にすることじゃないから」
と言って困ったように笑う。
次第に私はそんな笑い方をするかずに惹かれていくのに気づいた。
普段人前では絶対に見せないような、笑っているのにその目の奥では泣いているような、そんな笑顔だったから。
私がその目の奥の涙を止める存在になりたい、そんな風に考えるようになった。
ある日の朝、家のピンポンが鳴った。
かずかな、いつもより少し早いな、と思いつつスクールバッグを持って外に出た。
「はーい!…え?」
「はよ。久しぶりに一緒学校行こうぜ」
ドアを開けた所に立っていたのは紛れもなく葵だった。
「いや、待って私かずと一緒に行く約束が…」
「もう準備出来てんじゃん。さ、行くか」
私の話を聞け!とか思っていると葵の手が私の腕に伸びてきてしっかりと掴んだ。
そのまま、歩き出した私達。
「ね、ねぇ葵!一緒に行くにしてもかずには連絡しなきゃだから!!」
そう言って私は携帯を出してかずに電話した。
三コール目でかずの優しい声が聞こえた。
「はい、ヒナ?珍しいね電話なんて。もうすぐ家着くけど…どうかしたの?」
「えっと、実は…」
言いかけた所で葵の、腕を掴んでない方の手が私の携帯を奪い取った。
「ヒナは今俺と一緒に学校行ってるから、心配しなくていいよ」
そう発した後のかずの言葉は、私には分からなかった。
正直多いのではないかとも思うけど、私はつきあった経験がないから、普通の恋人はこんなものなのかと思うことにした。
かずが私の元へ来る度に、私と話していた葵はどこかへ行くようになった。
何故か葵とかずの仲は険悪なようだ。
私の知らない所で二人の間に何かあったのだろうか。
疑問に思った私はたまにかずに聞いてみた。
葵と何かあったの、って。
そしたらかずはいつも
「何でもないよ、ヒナが気にすることじゃないから」
と言って困ったように笑う。
次第に私はそんな笑い方をするかずに惹かれていくのに気づいた。
普段人前では絶対に見せないような、笑っているのにその目の奥では泣いているような、そんな笑顔だったから。
私がその目の奥の涙を止める存在になりたい、そんな風に考えるようになった。
ある日の朝、家のピンポンが鳴った。
かずかな、いつもより少し早いな、と思いつつスクールバッグを持って外に出た。
「はーい!…え?」
「はよ。久しぶりに一緒学校行こうぜ」
ドアを開けた所に立っていたのは紛れもなく葵だった。
「いや、待って私かずと一緒に行く約束が…」
「もう準備出来てんじゃん。さ、行くか」
私の話を聞け!とか思っていると葵の手が私の腕に伸びてきてしっかりと掴んだ。
そのまま、歩き出した私達。
「ね、ねぇ葵!一緒に行くにしてもかずには連絡しなきゃだから!!」
そう言って私は携帯を出してかずに電話した。
三コール目でかずの優しい声が聞こえた。
「はい、ヒナ?珍しいね電話なんて。もうすぐ家着くけど…どうかしたの?」
「えっと、実は…」
言いかけた所で葵の、腕を掴んでない方の手が私の携帯を奪い取った。
「ヒナは今俺と一緒に学校行ってるから、心配しなくていいよ」
そう発した後のかずの言葉は、私には分からなかった。
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