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〜episode12〜
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葵とギクシャクしたまま約束の土曜日になった。
私は待ち合わせ時間の30分前に着いていた。
今日は…少し私なりのオシャレをしてみた。
いつもは着ないようなフワフワとしたスカート、髪も高い位置で結んでポニーテール、更にそのポニーテールはシュシュで結んだ。
葵に可愛いって思ってもらえるかな…
淡い期待を胸に寄せつつベンチに座って皆を待っていた。
すると私の頭上に影が重なった。
誰か来たのかな、と思い顔をあげてみた。
「ねぇねぇ君、1人?良かったら俺と遊ばない?」
視界に入ってきたのは知らない男の人。
「いえ、もうすぐ友達が来ますので」
声が震えながらもなんとか答える。
「その友達も一緒に、さ」
言葉を発しながらニヤリと笑っている姿が怖くて怖くて…
私は何も言えなくなってしまった。
するとそれを見計らっていたかのように男の人は私の手を掴んだ。
「ほら、早く」
「や、やめてください」
掴まれている手が痛い。
これからどうなってしまうんだろうという考えが脳内を駆け巡る。
どうしよう…
ガッ
「おい、何してる」
急に手の痛みがなくなったかと思えば耳に低い声が響いた。
その声は私がよく知る声よりとても低くて、すぐに怒っているのだと分かる。
それでも私には一番安心感があって大好きな人の声だ。
「葵!」
「俺の大事な奴に手出すなよ?誰であろうと許さねぇ」
「ハッ。彼氏いんのかよ。せっかく俺が優しくしてやろうと思ったのに…。まぁいい。俺に恥じかかせやがって覚えてろよお前ら」
葵の迫力に負けたのか、その男の人は逃げるように去って行った。
「葵、ありがとう…!」
「いや、別に。早く助けられなくて悪かったな。」
「ううん、大丈夫だよ。本当にありがとう」
「手、握られてたとこに赤くなってる」
「あ、ほんとだ。でももうそんなに痛くないから大丈夫!」
「そっ…か。」
「うん」
「ヒナならあの男ボコボコに出来そう笑」
「なんだとコラ」
「嘘だって笑笑」
「もう!」
あ…。
自然といつもの葵に戻ってる。
良かった…。
「てか葵早いね」
「ヒナの方が早いだろ」
そうそう、この感じ。
私が一番自然体でいられるこの感じが私は大好きなんだ…。
「…」
私は待ち合わせ時間の30分前に着いていた。
今日は…少し私なりのオシャレをしてみた。
いつもは着ないようなフワフワとしたスカート、髪も高い位置で結んでポニーテール、更にそのポニーテールはシュシュで結んだ。
葵に可愛いって思ってもらえるかな…
淡い期待を胸に寄せつつベンチに座って皆を待っていた。
すると私の頭上に影が重なった。
誰か来たのかな、と思い顔をあげてみた。
「ねぇねぇ君、1人?良かったら俺と遊ばない?」
視界に入ってきたのは知らない男の人。
「いえ、もうすぐ友達が来ますので」
声が震えながらもなんとか答える。
「その友達も一緒に、さ」
言葉を発しながらニヤリと笑っている姿が怖くて怖くて…
私は何も言えなくなってしまった。
するとそれを見計らっていたかのように男の人は私の手を掴んだ。
「ほら、早く」
「や、やめてください」
掴まれている手が痛い。
これからどうなってしまうんだろうという考えが脳内を駆け巡る。
どうしよう…
ガッ
「おい、何してる」
急に手の痛みがなくなったかと思えば耳に低い声が響いた。
その声は私がよく知る声よりとても低くて、すぐに怒っているのだと分かる。
それでも私には一番安心感があって大好きな人の声だ。
「葵!」
「俺の大事な奴に手出すなよ?誰であろうと許さねぇ」
「ハッ。彼氏いんのかよ。せっかく俺が優しくしてやろうと思ったのに…。まぁいい。俺に恥じかかせやがって覚えてろよお前ら」
葵の迫力に負けたのか、その男の人は逃げるように去って行った。
「葵、ありがとう…!」
「いや、別に。早く助けられなくて悪かったな。」
「ううん、大丈夫だよ。本当にありがとう」
「手、握られてたとこに赤くなってる」
「あ、ほんとだ。でももうそんなに痛くないから大丈夫!」
「そっ…か。」
「うん」
「ヒナならあの男ボコボコに出来そう笑」
「なんだとコラ」
「嘘だって笑笑」
「もう!」
あ…。
自然といつもの葵に戻ってる。
良かった…。
「てか葵早いね」
「ヒナの方が早いだろ」
そうそう、この感じ。
私が一番自然体でいられるこの感じが私は大好きなんだ…。
「…」
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