夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

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2024年9月

9月5日

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長男は幼稚園に麦わら帽子を被り、虫アミを持って行くとのことだった。
時間がなかったので、軽く説得してすぐに諦めてそのまま送った。
担任の先生は困惑した顔だったが、園長先生はかっこいいなと褒めていた。
アミは持ち込めないからと言われたが、褒められて上機嫌だったのですぐに諦めてくれた。
こういう時にプロの技を感じる。
俺の説得じゃダメだったので、憧れると言うと、おそらく担任の先生も同じことを考えているようで頷いていた。
園長先生はダメもとで言っただけでたまたまよと笑っていたが、俺にはその日が来ない。
きっと一生来ない気がする。

工房で確認しなければならないことあったので、会社には寄らずにまっすぐに向かった。
欲しかった物の在庫はあったので、納品先のメモを貼り付け大輔さんと少し話した。
エアコンの室外機を盗まれないようにするための工事で、俺たち世代が腰を壊しているそうだ。
元々夏はエアコンの設置で腰を壊す人は多かったが、最近は増えているので忙しいと整骨院の先生がぼやいているそうだ。
俺が行った時はそんなことは話していなかったが、次の予約を取るのが大変だったのはそのせいだろうか。

このあとどこかに行くのかと聞かれ、会社に戻ると答えると、近くのお菓子屋さんに社長夫人を送って欲しいと頼まれた。
帰りはバスに乗れると思うと話していたので特に何も考えないで了承したが、ドアを開けてから虫アミのことを思い出した。
隠そうにも他に場所がなく諦めた。
虫アミをみた一恵さんはふふふと笑いながらどこかにに虫を取りに行ったのかと聞かれ、朝のことを話すとすごく驚いた顔をしていた。
変なことを言ったつもりはなかったが、なにか問題があるのかと思い聞くと、大輔さんが子供の頃は決まりが非常に厳しく持ち込みの禁止されていたそうだ。
「だからね、家を出る前に大ちゃんのこと諭したり、お願いしたり、すごく怒鳴ったりして朝から大変だったのよ。」と、いつものほわっとした話し方で教えてくれた。
朝はそんなに時間はないと言うと、いつその日が来ても良いように毎日早くから家を出ていたそうだ。
朝は早く行っても開けてもらえないと言うと、これも驚いていた。
朝早いと先生たちの労働時間はタイムカードで管理しているので、残業代をつけなければならないからだとは思うと説明すると、こんなに違うのねと納得した用だった。
最近は共働きが多いので、親が遅刻しないように考えてくれているのだと思う。
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