夫の親友〜西本匡臣の日記〜

2024年9月

9月4日

また、アイツの夢を見た。
今回も箱を指さして何か話していた。
いつもと違ったのは今回は白黒の昔の映画でも見ているようだった。
いつもは声も聞こえていたのに、必死に口をパクパクさせて何かを訴えているようだった。
用事があるならはっきりと話せ。
あと、お前のお母さんが亡くなった時にでてこいよ。
俺と一緒に悲しめよ。
お前の妻も泣いてたぞ。
そんな事を考えて気がつくと朝になっていた。
最後に時計を見たのは、12時を過ぎた頃だったのでいつもより早く寝付けたようだった。
あの箱のある場所も知っていいるが、もちろん今回も開けるつもりはない。何が入っているかわからないし、予想もつかないからだ。
妻に聞けばすぐに分かることくらい知っているが、聞くこともないだろう。
パンドラの箱かもしれないし。

一昨日行ったお宅からの電話はなかったが、知り合いの同業者からの様子伺いと思われる電話が来た。
俺のことを悪く言ってたのでトラブルかと思いとのことだった。
お客様のことなので詳しくは説明できなかったが、作業にも入れなかったと言うと、「訳ありかぁ。」とのため息混じり声が聞こえてきた。
やたらと悪く言っていたので、忙しいと言って断ったそうだ。
関係のないやつにペラペラと他人の悪口を言うやつは信用ならないと少し怒っていた。
困った時は融通を効かせてくれたりして助けてくれるので、問題を起こす可能性は低いが一応の確認だそうだ。
俺の会社に対してのこの信用は東と早瀬さんによって作られたものだが嬉しく思った。
もしかしたら他のとこからも確認の連絡があるかもしれないから頑張れよと励まされた。
もし自分に連絡があったらきちんと説明しておくからなと言って電話が切れた。
俺より長く働いている人なので信頼も厚く頼りになりそうだ。
他人にまで悪口を言いふらす程昨日の対応が嫌だったのだろうか？
特別おかしなことは言わなかったと思ったが。

いつもお世話になっている工務店からも電話が来た。
ここまで悪評が広がったのかと思っていたが、先日の手違いでご迷惑をおかけしましたとの謝罪の連絡だった。
担当者が失念しておりましてと話していた。
本人でないのなら担当者はどうしたのかと聞くと、上司にこっぴどく叱られてと口ごもっていた。
もしかしたら出社拒否かと思い聞くと、そんな感じでと恐縮していた。
あっちでも気を利かせてくれてなんとかなったので、担当の方にも大丈夫だったので気にしないでと伝言を頼んだ。
俺の若い頃からそういうやつはいたので、がんばってほしい。