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2024年7月

7月23日 1/2

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朝、家を出る時に妻から礼服をクリーニングに出してきてほしいと頼まれた。
葬儀がら戻ってきてから直ぐに出そうと思っていたが、ずるずると先延ばしになっていたそうだ。
俺も妻と同じように考えていたが何も言われないので妻が持って行ったのだと思っていた。
今日は真っ直ぐ現場に行くので帰ってきてから出しに行くと話した。
いつもより早く帰れる予定だから大丈夫だろう。

今日は市内だが距離的には隣の市のほうが近いくらいの現場だった。
廃業して取り壊すとのことで、買い取ってくれるものがあったらお金にしたいとのことだった。
昔お世話になったからという理由で連絡をくれたらしい。
ほとんどは中古には回せないものだったが、いくつか残った回収するものを整理して持ち帰った。
おそらく使われることはないが、一時期に流行ったサイズの物がメインだった。
納品には東と一緒に行ったのを覚えている。
元気に出迎えてくれた店主は5年前に体を壊し、去年一緒に店を営んでた息子さんを亡くしたと話していた。
「なんとかだましだましやってきたけど、もう終わりにするしかない。」と寂しそうにしていた。
当時の流行りのデザインを勧めたのも息子さんだったと思う。
あの時も今みたいな蝉の声が聞こえる季節だった。
東と大変だけどやっときた仕事だから頑張ろうと話していた。
あの頃は今くらいの歳の頃には、もっとがむしゃらに働いていると思っていたが、今は出来れば定時に帰りたい。
仕事よりも家にいた方が楽しくなるとは思わなかった。
 
帰りはいつもより1時間早く家に着いた。
家について着替えてからクリーニング店に行こうと準備をしていると長女が暇そうに妻の周りをうろついていた。
長女に出かけてくるからと言うと、妻が暇なら着いていったらと俺を指さした。
暇な子供は面倒くさいと思いながら、そこまでだけだよというと、良い暇つぶしだと思ったのかバタバタと準備をしだした。

準備が終わるまで10分もかかった。
すぐに出るつもりだったのにと思いながら家を出た。
クリーニング店の前に車を止めて降りると大きな布団とカーペットを持ち込む女性がいた。
時間がかかりそうだと思ったので、クーラーの効いた車の中で待機した。
部活帰りの中学生が車の前を通り過ぎたのを見てアイツのことのを思い出した。
昔は暗くなるまでやったのにと漏らすと、「最近は先生のために早く終わるってお昼にテレビでやってたよ。」と教えてくれた。
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