夫の親友〜西本匡臣の日記〜

2024年5月

5月17日

昼休みに文乃から電話があった。
出先だったので、詳しくは聞けなかったがお母さんが病院に行こうとしないと話していた。
どうしたらいいと思うかと聞かれた。
アイツがいたら無理にでも連れて行ったのではないだろうか。
説得が無理なら、こまめに様子を見るしかないのではないだろうかと返答すると、文乃もそう思っていたようで今日も実家にいるらしい。
遠いのに大変だなと言うと、「お母さんもそう言ってて、病院行くどころか自分の家のことをしっかりとしなさいって言ってて。」と焦ったような困ったような様子で話していた。
俺の両親にも様子を見てもらえないか頼んでみるが、あまり期待しないてほしいと言うと、なんとかよろしくと元気のない声が聞こえてきた。

文乃との電話を切って、母に電話をすると買い物に出たついでに寄っているそうだ。
体調に波があるようだと話していた。
文乃からの電話のことを聞くと、達也さんのお母さんの事があるからかもと話していた。
達也さんのお母さんは最期1人で亡くなった事を気にしていたそうだ。
自分の母親は1人で亡くなったのに、文乃の母親は手厚くサポートしてもらえるというのは、気分がいいものではないだろうし、夫婦仲が悪くなるかもしれないからではないかと母が話していた。
よくも悪くも平等にと思っているのかもしれない。
俺とアイツに対しても平等だった。
種類や大きさが違うものもじゃんけんさせられていたと思う。
そう思うと、俺もこまめに顔を出さなければいけないだろう。

午後ほ工房で仕事をして、帰る前に明日の打ち合わせをした。
早瀬さんも行くので、車は東と俺と2台出さないといけないことに気がついた。
朝すぐ出発出来るようにと荷物を全てトラックに積んだので少し移さないといけなかった。
今日も少し残業になり、家に帰りたくない人のようだった。

家に帰ってから、明日仕事があることを妻に伝えていないことに気がついた。
どうしようかと思っていると、長女に「明日買いに行こう？」と聞かれた。
なんのことだろうと思っていると、水中眼鏡のことだった。
チャンスだと思い、明日仕事が入ったから午後か明後日にしてほしいと言うと不満そうにしていた。
妻にも聞こえたようで、こちらを向いたので手を合わせておいた。