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2024年5月

5月6日 1/2

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明日からは仕事だと目が覚めた。
2日位の休みならばやる気に満ち溢れているが、長期だと働きたくなくなるのはなぜだろう。
起きてから今日もアイツの実家に行かなければならないのかと思うと気が重かった。
しかも、文乃の旦那も来ていると思うと尚更だった。
朝食を食べ、妻が俺たちが泊まった部屋に掃除機をかけると、母が「そんなことしなくてもいいのに」と声をかけた。
せめてこれだけでもと妻が返すと、「しっかりした人と結婚出来て良かったわね」と俺に言った。
その言葉に何とも言えない気分だった。
10時頃に実家を出たが、長男は父と離れるのが寂しかったのか涙目だった。
俺も子供の頃は祖父母のところから帰るときは、今生の別れかと思うほど悲しかったので気持は分かる。
母は長女に、くまのぬいぐるみを持ったかとしっかりと確認していた。
車に乗せてからも妻が確認していた。
俺も持っているなとバックミラーで確認した。

アイツの実家に着き呼び鈴をならし、玄関を開けた。
開けるときにそういえば鍵がかかっているかもと思ったが、すんなりといつものようにガラガラと音を立てて開いた。
三和土を見ると、男物の靴が置いてあり、靴を脱ぎ捨ててリビングに向かった。
「アイツが戻ってきた」、そう思った。
慌てた様子の俺を文乃が驚いて見た。
当たり前だがアイツは居なかった。
男物の靴を見てアイツの物かと思ったと話すと、「あー、そういうことね」と、文乃が夫の達也さんを見た。
アイツのお母さんもリビングに来てどうしたのかと尋ねられた。
文乃が「靴見ておにぃが戻ってきたのかと思ったんだって」と説明すると、「普段この家に男物の靴なんてないからね」と寂しそうに笑った。
その後に妻が靴も揃えないでと文句を言いながら、双子を連れてきた。
文乃の子供達は嬉しそうに双子の面倒を見てくれた。
気持ちの整理もつかないまま長女と長男を車から降ろし、仏壇に手を合わせに言った。
アイツの机の上には長女が選んだお菓子があがっていた。
改めて達也さんに挨拶をして、リビングのソファーに腰を掛けた。
いつもは居ない人がいるだけで、こうも居心地が悪いのかと思った。
会話がないのもなんだと思い、仕事の話など当たり障りのない会話をした。
文乃がお茶を出してくれたので、気まずい時間が終わり、妻と文乃が話しをしだした。
命日の墓参りや、お盆の事を話していた。
一昨年と去年は長女だけを連れて墓とここでの会食に参加したが、今年は全員連れ来ればいいかなどとの話が聞こえてきた。
双子はともかく、長男は墓場には連れて行きたくないと思っていると、妻も同じ考えだったようで父に預けれないかと思っていると話していた。
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